「得意」と「強み」は似てるようで違う? ほんとうの自分の強みの見つけかた(第五話)
ポッドキャスト番組「独立3年目のしくじり講義」は ”ビジネス壁打ち師”の相川雄輔が見てきた数々の「しくじり事例」をテーマに、今日から回避できる負けパターンや回避術をポップにお届け。このnoteではテキスト版をお送りします。
第5回のテーマは、多くの人がしくじりがちな「得意と強み」です。
「壁打ち交流会セカオピとは?」
相川:おはようございます。ビジネス壁打ち師の相川雄輔です。
鈴木:おはようございます。インタビュアーの鈴木佐和子です。相川さん今回もよろしくお願いします。
相川:お願いします。
鈴木:さて、相川さんはビジネス壁打ちということで、「壁打ち」と「交流会」を融合させた「壁打ち交流会セカオピ」を主催されているんですよね。
相川:はい。いまは50人以上のメンバーがおりまして、日替わりで4人1組のチームを作って、「お互いのビジネスがどうやったら伸びるのか」をテーマに、熱い議論をやっております。
鈴木:ぜひ、この番組を聞いて興味を持った方は備考欄の相川さんのSNSに連絡してみてください。
相川:よろしくお願いします。
「得意」と「強み」は全然違う
鈴木:さて、本日のテーマは「得意と強み」とのことですが、これまた気になりますね。
相川:はい。これは結構難しいテーマですが、「得意なこと」と「強みなこと」って似てるようで、全然違うんです。これを履き違えてしくじってる方は多いと思います。
鈴木:いや、ちょっと怖いですね、私自身も。
相川:得意なことって自己評価なんです。「僕、これ強いです」みたいな。でも強みってそもそも第三者からの評価じゃないですか。
僕が「これが強みなんです」って言っても、第三者から強みに見られなければ、それってただの「得意なこと」であって。
得意なことと強みなこと。これを線引きしないでしくじってるケースっていうのが多くあります。
鈴木:ちょっとドキドキですね。これ一緒だと思っちゃってる方多いんじゃないですか。
相川:多いと思いますよ。壁打ちをやってても「それってたぶん得意なところで、強みってこっちなんじゃないですか?」みたいな、結構痛いフィードバックをすることもあります。
これはやっぱり他人から聞かないとわからないんですよね。ただ、なかなか他人から強みについて聞く機会はなかったりする。
そういうことも踏まえて、2つのしくじり事例をお伝えできればと思っています。
鈴木:お願いします。どんなしくじりがあったんでしょう。
当たり前にやっていることを再評価する
相川:しくじり1つ目。経歴を生かさないで競争が激しい場所で勝負されている方がいました。これ具体的に言うと、学校の先生でセカンドキャリアとして挑戦している話なんですけれども。
その方は20年以上の教員経験があって独立されたんですが、独立した後に得意な料理スキルを生かして、ダイエットコーチをやってるんですよ。
ただこのダイエットコーチって、今すごく競争が激しくて。コロナを機に在宅でもできるので、そういうコーチ業みたいなものはすごく増えている中で、その方も一般的なダイエットコーチの強みを全面に出したメッセージをされていたんですね。
一方でヒアリングスキルは自信があるみたいなんだけれども、なかなかうまくいかないと。そういう話がありました。
その人の自己評価では自分の強みって「料理ができること」。で、それを生かしたダイエットコーチなんですけれども、市場を見るとそれは当たり前というか、普通の話であって。
強みなのかって言われると、ちょっとむずかしい。じゃあこう考えるとどうかっていう話をしたんです。
「○○さん、あなたの経歴って20年以上保護者と面談してきましたよね」と。
「はい」「毎年何人と面談しました?」「これ20人だったら、保護者1000人以上の対応をしてるんですよね」。
これこそが強みでしょうって話です。ヒアリングが得意だってこともあったので、「1000人以上のママとの対話から導き出した○○」とか「働くママ1000人の傾向から見た◯◯」とか、そういう打ち出しにすれば、一気に強みになるんじゃないですか、と。
それでいま方向転換されてやられてると聞いてるんですけれども。しくじりという話じゃないんですけれども、強みと得意を履き違えてしまって、苦しいところで戦ってしまうっていうのが1点目。
鈴木:なるほど。まさに経歴を生かして再出発できたってことですね、この方は。
相川:そうですね。すごいことですよね、ママ1000人との対話とか。これをちゃんと使ったらいいんですけど、気づかないんです。
鈴木:周りからみると「それはすごいよ」って思うけど、やっぱりご本人にとっては当然のことだから…。
相川:そう。当たり前だからです。
本当の強みは外からの反応で見えてくる
相川:で、2点目が僕自身のしくじりですけど、私、3年前はウェブプロモーションと言われるウェブ広告を使ったプロモーション支援と、営業支援の二軸でスタートしたんですね。
広告代理店という経験が長くて、サービスや商品を届けたい方の行動を仮説立てて調査して、広告をやっていくってのがウェブプロモーションなんですが、初めはこれが僕の強みなのかなって思っていたんです。
鈴木:そう思いますよね。
相川:ただ、起業した後にこの案件を何件かやってみてわかったのは、得意ではあるんですけが、その市場において圧倒的な強みにはなり得ないということに、ちょっとやってみて気づきました。
これ同じような切り口でやってる人は5万といるな、と。やってみた結果、そういうところに気づいて。
じゃあ自分の強みなんだろうってあらためて深掘りした時に、やっぱり自分の広告代理店時代の営業スタイルとか、僕すごくやってる当たり前に普通にやってる話だったんですけれど、SNSを通してその時の話をすると結構反応がいいんですよ。
「あれ?もしかしたら、これか」と。自分が普通にやってることが外からは面白がられるってことは、これが強みになるんだなって。
で、営業支援事業にもっと注力しようかなって思いましたし、お客様に当たり前にやっていたヒアリングとか壁打ちフィードバックなどを、他の方のコミュニティに行ってやったんですよね。そうしたらすごい好評で。
こんなニーズあるんだと思って、それがベースとなって現在の「壁打ち交流会」の素案になったんですよ。
鈴木:なるほど。そういうことだったんですね。もともとは相川さんが当然にやってたことがすごい響いた。
相川:そうですね。いま50人を超えるメンバーもいらっしゃいますし、自分の当たり前が強みになっていることに気づけたんです。
鈴木:じゃあ強みって周りに聞かないと気づかないものなんですね。
相川:気づきづらいと思います。やっぱりこうやって壁打ちをすることで気づくこといっぱいあるんです。
メンバーも普通にやってることに対して、「それめっちゃ売れますよ」って話よく出ます。
「得意」は自己評価、「強み」は他者評価
鈴木:では、あらためて本日のテーマまとめますと?
相川:得意なことは自己評価であって、強みになることは他者からの評価である。
他者からの評価なので他人から聞かないとわからないんですが、なかなか聞く機会ないですよね、というのがまず1点目です。
そして当たり前にやってることとか、当たり前に知ってることに強みが隠れているものですが、それも気づきづらいですね。当たり前にやってるんで。
なので、得意なことと強みになることの違いをまず理解してもらった上で、なかなか気づきづらい環境にいらっしゃる方は、ぜひ壁打ち交流会に来てもらうといいと思います。
鈴木:ぜひぜひ、自分の強みは何なのか発見できる場へお越しいただければと思います。相川さん、今回もありがとうございました。
相川:ありがとうございました。
お知らせ
「壁打ち交流会セカオピ」に興味がある方は、以下のWebサイトから情報をご確認ください。
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