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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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2021年1月の記事一覧

社会授業ネタ【公民】1~200まとめ

はじめに 今まで発信してきた社会科授業実践やアイディアのまとめです。 普段の授業の中に少し取り入れることで、生徒の知的好奇心を育てたい、多様な視点をもち、自らの社会について考えてほしいという願いを込めて作成しています。 私自身が日々の授業でどうすれば生徒の主体的な態度を育てることができるのか悩み、考えています。同じように授業で悩み、目の前の生徒を成長させたいと考えている先生方の力に少しでもなれたら幸いです。 私にできることは【アイディアの提供】です。 最後は、先生方の目の

歴史学と歴史教育をめぐる議論

2014年12月17日 (水) 遠山茂樹『歴史学から歴史教育へ』  吉見義明さんの本を読むために再点検した大門正克さんの編の『昭和史論争を読む』に遠山茂樹さんの「歴史叙述と歴史意識」があった。そこで、この論文の載っている、遠山『歴史学から歴史教育へ』をひっぱりだして読んだ。このブログにのせてある「中世史研究と歴史教育ー通史的認識と社会史の課題にふれて」という文章をかいたころ、本当によく読んでいた。なつかしい。  それを再読して思うこと。遠山さんのころから歴史学と歴史教育を

時間切れ!倫理 1 心理学への招待

教科書は「青年期と自己の探求」から始まっています。なぜ、青年期かというと、勉強する君たち高校生が青年期だからですね。この項目の実質的な内容は心理学です。青年期だけをとりあげると、ただの暗記になってしまうので、話を心理学全体にひろげてみます。 心理学という学問は、比較的新しい。150年くらい前に成立しました。19世紀終わりころですね。精神病の治療とともに、生まれ発展した学問です。プリントには「心と脳の違い」とあります。こころの病、つまり精神病は、皆さんも直感でわかると思います

歴史教育は俗流歴史本になっていないか。(歴史学と歴史教育の関係についての覚え書き#2)

日本中世史の呉座勇一と歴史作家の井沢元彦の論争をご存じだろうか。 内容は見てもらうとして、歴史教育に携わるものとして、呉座の批判は自分に向けられているかのように突き刺さる。 呉座は、井沢的な「俗流歴史本」の特徴として、確からしさではなく面白さを重視していると指摘している。 『源氏物語』鎮魂説に典型的なように、確からしさより面白さを重視する点である。現代にまで伝わった史料は限られているので、過去の出来事を完全に解明することはできない。したがって、色々な解釈が考えられる局面

趣味ではじめる哲学研究

・前置き  最近、色々な方とやりとりする中で、大学生や大学院生でない方々でも哲学に興味を持ち、勉強したいという方が意外に多いということを知りました。  しかし一方で「どこからどう勉強したらいいのかわからない!」「何が書いてあるかわからーん!」という声も非常に多く耳にします。この記事で、そういう方たちのために「哲学とはどのように勉強するのか?」をテーマに僕の個人的な経験などから勉強法を提案してみます。  「趣味で勉強ならともかく研究ってそんな大げさな…」と思うかもしれません

ゾエゾン版 社会科教育に使えるデータベースとサイト

はじめに。今回のデータベース作成にあたり、Tomoko Nakasakiさんの記事を参考にしました。 本稿では社会の授業づくりに特化したものをつくっていこうと思っています。先の記事と重複するものがあると思います。 シンキングツール〇マインドマップ 無料版でつくれるマップは3枚まで。機能面での制限もありますが、個人でのライトな利用であれば無料でも問題なく利用できると思います。一番使い勝手が良かったです。 社会科全体〇お上のいうことには逆らえない?!文部科学省設置の各種審

現代文の入試問題が解けるとはどういうことか?

昨日、朝からたまった原稿をシュババババババっとやっていて、昼過ぎに集中力が切れた。それでちょっと気分転換でもしようとおもって大学入試共通テストの現代文を解いてみることにした。15分はかって大問1に挑戦だ……! やってみた結果出題は香川雅信「江戸の妖怪革命」。未読の評論なのだけれど、問題文のところだけでもじゅうぶんにおもしろかった。内容はというと、フーコーを下敷きにしたアルケオロジー的方法にのっとった近世から近代への「妖怪観」の移り変わりの批評であり、そこにリアリズムとフィク

図書館はつくれる。空き店舗の新しい使い方、完全民営・黒字経営の「みんなの図書館さんかく」の思想。

今年の3月で「みんなの図書館さんかく」を開館しはじめて1年が経とうとしています。たった1年間だけど本当にいろんなことがあって、たくさんの参画が生まれる図書館に育ちました。 焼津駅前通り商店街の空き店舗を活用し、「一箱本棚オーナー制度」と呼ばれる月額制の本棚オーナーの仕組みで、家賃や水道光熱費などの最低限の経費を稼ぎ出し、本を中心にまちの新しいコミュニティをつくる。 シンプルにやっていることはこれに尽きるのですが、①運営者の持ち出しなく黒字で経営できること、②一箱本棚オーナ

子どもが歩けばマンガにあたる

突然ですが、質問です。 マンガを読んだことのない子ども時代に 見知らぬ人からマンガを手渡されたとしたら? そして、そのマンガがツボだったら・・・・? 私はご縁を、運命を感じました。 さかのぼること、2019年。北欧への家族旅行。 物価の高いノルウェー・オスロで、Airbnbしたマンション。 住民専用の中庭で遊ぶ日本人の子どもに、ざわつく子供達。 そして、一人の少女から 「日本旅行のときに買ったけど、読めないから、あげる」はいっと、 四コママンガを手渡されます。 ときに

小学生に教えてもらった「伝え方」のヒント

大学時代の専攻は教育で、卒論のテーマは「幼稚園の研究」でした。今でも教えることにとても興味があります。 ところで、文部科学省が雇用対策の一環として、企業向けに学校の求人を紹介する専用サイトを開設したそうです。 他にも、民間企業でも、小中高の学校教育に特化した人材仲介サービス「複業先生」というものがあるとか。 今後、学校の授業で普通のビジネスパーソンが「会社員先生」として教壇に立つということが増えてくるのかもしれません。 そういえば、私も数年前に、小学校で「会社員先生」

「困っている方に必要な情報を届けたい」という姿勢に情報は集まる。

文科省では広報戦略アドバイザーを務め、経産省では「未来の教室」教育・広報アドバイザーの肩書を頂戴し、一般社団法人ICT CONNECT 21では広報担当として毎週金曜にメールマガジンを執筆・配信。 「GIGAスクール構想」の情報集積サイト「GIGA HUB WEB」の企画・開発、そして運用も担当させていただいているため、「教育領域の広報」が今の自分の多くの仕事を占めています。 昨日はいろいろ調べていたら、「GIGAスクール構想」の下、iPadを導入した岐阜県北方町の小中学校

ゆとり高校教員が考える「学校の未来」と「不安」

こんにちは。クマです。私はゆとり世代のアラサー高校教員です。 私は数年間、教員として高校で働いてきて、学校について様々なことを考えて来ました。ここでは、私の予想する学校教育の未来についてお話したいと思います。そして、私の最後に私の「不安」について書いていきたいと思います。  ちなみにここに書くのは、あくまで、私の個人的な予想や願望が入り混じった身も蓋もないストーリーです。的中するかどうかは全く保証できませんので、ご了承ください。 高校教員の仕事 現状、高校教員の仕事は大

ジェンダーを授業で触れる際に気をつけること

お疲れさまです。書きなぐりnoteです。 今日の授業でSDGsにふれる機会があり、そのなかでSDGsの目標の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」について話しました。 LGBTQの定義について事実を述べた上で、ふと僕の友人から、彼バイセクシャルの友人がいるという話をされたことを思い出しました。 せっかくなので、彼の友人を具体例として取り上げれば生徒も具体的にイメージしやすくなると思い話をしようと思いました。 しかしそのとき、このニュースを思い出しました。 当事者の

「令和の日本型教育」始動。中教審答申を特別支援の視点から読む。

中教審答申発表。その骨子を探る。2021年1月26日、中央教育審議会はこれからの時代にふさわしい小中学校や高校などの教育のあり方について答申した。 題して、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」である。 概要と本文はこちら。 答申発表に際し、大手新聞メディアは「ICTの積極的活用」と「小学校高学年での教科担任制」に焦点をあてて、報道していた。 答申のキーワードは「個別最適な学び」