高校生レポーターとしての活動を終えてby #せかい部×SDGs探究PJ高校生レポーター 中井 一心(金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校)

私の二か月にわたる高校生レポーターとしての活動も終わり、三週間ほどが経過した。ふとこの活動を振り返った時の所感を述べたい。

コロナによる世界の激変
早々と本筋とは少々話がずれるが、今年を総括させてほしい。2月。「全国で学校が閉鎖される」そのような前代未聞の事態が発生したのは、日本の公教育史上でも前代未聞だったのではないか。今でも私は覚えている。私はその日、発熱により自宅で療養していた。学校にいる友人からLINEできたひと言。「学校が閉まる」。薄々感じ取ってはいたが、(開始まで一週間を切っていた学年末テストの消滅の喜びとともに)驚きがあった。
それからの日々は、これまでとは全く異なるものであった。私は課外活動では人文社会系よりもむしろ応用数学という分野(数学を現実世界での活用を目指す分野)を中心に活動しているのだが、多くの大会が中止またはオンライン開催となった。
オンライン開催は一見悪に思える。リアルでしか確保できない出会いの「質」は大きい。しかし、同時に良さはある。私は石川県に住んでいるが、例えば東京に移動するには、新幹線で2時間半かかる。朝起きて、新幹線に乗って東京に行っても到着は12時前である。しかし、オンライン開催となれば、私が今この原稿を打っているパソコンから世界とつながることができる。私のような地方(それでも新幹線一本で結ばれている以上まだ幸福な方であるが)の人間にとってみれば、オンライン開催の恩恵は極めて大きい。
野田聖子衆議院議員がレクチャー中に仰っていた「コロナがなければ、私と貴方達は出会うことがなかった」という言葉は私の胸に深く刻まれている。
地方から日本中、さらには世界中につながる機会をいただいた桜木さんを初めとする文部科学省のスタッフの方々に本稿を借りて深く感謝したいと感じる。
今年は私個人としても、社会全体を見渡しても激動の1年であった。

学び
私のこの活動を通じた学びは多い。
私は理系で専門分野とは今回の活動は乖離があることを普段は研究しているが(二学期にやっている研究は「秘書問題の拡張」である。夏休みに研究していたテーマは「ダウトにおける立ち回りの最適化」である。)、人文社会学にも関心は強い。だからこそ、毎日ニュースを確認することは欠かさない。それでもなお、第一線で活躍する方の生の声に勝るものはないと感じたし、すべてのレクチャーにおいて新たな、深い学びがあった。
前項にも書いたように、これはコロナだからこそ、「自宅から」話を聞くことができた。日本全土を見渡して多くの人がなくなっている中で少々不謹慎な言い方ではあるが、「コロナの恩恵」である。

第一の手記
本項では、「第一の手記」と称し、初回のレクチャーに関して述べたい。

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端的にいえば、私は、初回のレクチャーでSDGsに関する自身の認識の甘さを見せつけられた。「地方創生」というテーマで話を始められて、意外性を感じていた。環境問題に焦点があると思っていたためである。そして、地方創生にもまた、「住み続けられる街づくり」があるのだと感じた。私は前述のように人文科学に関心があるため、このようなことはわかっているつもりだったので自らの理解の甘さを痛感させられた。
一方で、同時にそれに対して政府が何をやっているのかも知ることができたということも自分の中で見識が広がった出来事であった。

第二の手記
これ以降、第二の手記と称し、2回目以降のレクチャーによる内容を総括したい。
端的にいえば、「地方創生」というものに対する印象が大きく変化した。
私は、地方創生に関しては悲観的にとらえ、「打つ手なし」と感じていた面が少なからず、当初はあった。しかし、実態はそう単純なものであるとは言えないのであるのだと感じた。特に深い印象を抱いたのは、株式会社岩岳リゾートの社長、和田寛さんのお話である。
私のことを鑑みると、小学校の時は親に連れられてスキーに行ったものだが、中学校、高校と進学するにつれていかなくなっていった。それでも子供心に施設古いなとは感じていたし、中学高校と進学して自身の様々な分野での見識を深めていくにつれて、少なくても対日本人に関していえばスキーはいわゆる「オワコン」状態なのだと感じている面もあった。

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しかし、和田さんはそれらの課題を克服しているということを強く感じさせられた。乱暴に言えば、「地方創生」は難解な課題であり、左の写真のような計画を立てても掛け声で終わるのではないか、という幻想を抱いていたが、全く違うということを知らしめされた。
アイディアと、既存のリソースを活用するだけでここまで行けるのか、ということをよく感じた。例えば、これを書こうと、この企業に関して調べていると、このようなこともやっていたそうだ。

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「地方創生に打つ手なし」は幻想である。


総 括
このような研究の経験は皆無だが、なんとなくの興味で申し込んだこの活動。ここまで私の駄文を読んでくださった方は感じ取っていると思うが私の絶望的な文才の中で私を高校生レポーターに選出してくださった桜木さんをはじめとする文部科学省の方に深く感謝したい。
日本、世界の実情に関する生の声を聴くことができた。個人的な話にはなるが、レポーターとしての活動期間は高校の修学旅行が一部かぶっていたため一部のレクチャーが受けられなかったことは残念である。


中井 一心 金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校(石川) 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(住み続けられるまちづくり)

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