地域の魅力を生かしたまちづくりをしていくためにby吉元大翔/羽水高等学校(福井)#住み続けられるまちづくり

#せかい部の活動で学んだ 、地域再生に必要なことを「観光」「地方自治」の二つの分野でまとめた。

【活動に参加したきっかけ】
私の地元では今、過疎化と少子高齢化が進んでいる。子育て世代のための政策として、延長保育や小中学校の給食費を無料にしたり、高齢者のために、憩いの場としてちょっとした温泉施設を設置したり、介護施設を増やしたりなどしているが、あまり効果は見られず、将来、町を存続していくことが難しい状況である。鮎や米などを初めとする特産品や歴史ある観光名所のあるこの町を次の世代に残していくにはどうしたらよいか自分自身で考えたものの、行き詰まってしまった。
そこで、将来、地元の町職員として働く際に、地域再生のために必要な知識を#せかい部の活動を通して学ぶことができるのではないかと考え、レポーターとして参加した。
「住み続けられるまちづくり」をテーマに世界や日本各地で行っている政策や唯一の観光資源についての講座を聞いたり、日本中のレポーターとディスカッションをしたりする中で、地元の観光資源の希少さや政策を生み出すための考え方などを知り、「観光」という視点から地域再生を行いたいと考え、特に重要だと考えたことを下記にまとめた。

【農業遺産を利用した観光】
世界各国には農業遺産というものがある。社会や環境に適用しながら長い歴史を経て受け継がれた伝統的な農林水産業、文化、風景、その土地固有の生物など将来に受け継いでいくために FAOが開始したプロジェクトで、日本では佐渡のトキなどがあげられる。

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私は講座の中で宮崎県椎葉村の「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」について話を聞いた。その地域では、伝統的な焼畑農法があり、次の世代に継承するために地元の小中学生を対象に焼畑体験学習、「焼畑雑穀オーナー制度」(農伯推進対策事業)の実施や、「SAVOR JAPAN」(農伯食文化海外発信)認定、ホームページなどによる海外発信など行っている。これらの成果もあり、海外へ焼畑の伝統を発信することができ、移住者を増やすことに成功している。

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また、この講座の中にレポーター同士で地元の魅力の発信の仕方について話し合う機会があった。その中で都市部に住む人たちは田植えなど経験がないことから農業体験をしてみたいという声があった。そこで、私の地元にある米や鮎といった特産品を知ってもらうために農業、釣り体験といったアグリツーリズムが有効的だと考えた。
このように、農林水産資源を活用することでその地域独自の観光を提供し、日本だけでなく世界の人々に魅力を発信できると考えた。

【公正性の確立】
アメリカのオレゴン州にあるポートランドではマウントフッド・フリーウェイ計画と呼ばれる高速道路建設計画が進められていた。しかし、ダウンタウンの交通量の多さや市内の交通網の容量不足という市民の声から反対運動を起こし、建設のための資金を公共交通機関整備に費やすことができるようになった。また、川沿いを走るハーバードライブ高速道路を憩いの場である公園を作るために撤去した。
このように、ポートランドは市民の声を大切にし、公正性を重視したまちづくりを行っている。

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この事例からまちづくりのカギになるのは「公正性」であることが分かる。市民も地方公共団体もお互いの壁を無くし、同じ視点から物事を考える必要があるのだ。私の地元も上記のように高齢者や子育て世代のための政策を行っていたり、公共施設を増やしたりしているなど行っているが効果は見られない。このような結果になるのは、きっと両者の思いに相違点があり、望みが実現していないからだと考える。そこで、目安箱など市民が意見を簡単に言うことができる機会をより作り、小さな町の問題を一つずつ解消していくことがまちづくりの第一歩となるのではないかと考えた。

【まとめ】
 私はこの活動を通して、地域再生のために新たに政策や施設を生み出すことも重要だが、その地域特有の伝統や観光資源を大切にし、より活用していくことで市民の理想とする街を作り出すことがカギになると分かった。将来、町職員として働く際、大勢の観光客に訪れてもらうために、地元の魅力を世界中の人たちに知ってもらえるようなイベントを開催、SNSやメディアなどで魅力を発信するなどの活動をしていきたい。また、幅広い年齢層の市民の望みが叶う「公正性」のある町を作るために、意見を大事にすることを心掛けたい。
 また、今まで日本全国の出来事によく注目していたが、講座を聞き、世界各国の深刻な問題や独特な文化、政策を知ったことで、私の考え方や視野が変わり、今まで気づくことができなかった地元の魅力を再認識、再発見することができた。そして、日本各地のレポーターと交流することで刺激を受け、もっと知識や経験を得ることが必要だと感じた。今後、今まで以上に地域活動やボランティアに活度に参加し、地元の地域活性化に貢献できるような人材になれるよう努めていきたい。


羽水高等学校(福井) 吉元大翔 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(住み続けられるまちづくり)

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