サーチファンド起業家に共通する性格や特徴

サーチファンドについての文献である A Primer On Search Fund (Stanford GSB) を読んでいて、サーチファンド起業家に共通した性格や特徴について紹介されていたので翻訳してみました。

Attention to Detail (細部へのこだわり)
買収対象となる企業を探すには、構造的なアプローチとその分野への徹底的な集中が求めらる。また、一度買収が成立すると、長期にわたってその企業のビジネスをリードする必要がある。ビジネスを変化させるときには、細かいビジネスのニュアンスを起業家が理解し、その上で事業を変化させるためのプランを描き実行する必要がある。


Perseverance (忍耐)
サーチファンドのプロセスは、忍耐の連続である。成功するサーチファンドは「数字のゲーム」とも言われていて、1,000のロングリストから、50社を訪問し、10社にLOI (Letter of Intent) を発出し、DDを1-3社に実施する。コールドコールも沢山するし、何度も会社の売り手からの拒絶されるだろう。一方で、サーチのプロセスは学びが多いプロセスでもある。新たな産業に出会ったり、企業のオーナーや投資家と出会うことができる。サーチを終えた暁には、多くのサーチャーが改善できると自信を持てる会社を見つけて満足することになる。


Ability to Build Relationships and Networks (人脈を構築する能力)
サーチファンド起業家は、初期の投資家10-15人の信頼を得なければいけない。投資家にはサーチファンドの仕組みに詳しい人もいればそうでない人もいる。起業家は投資家に対して、起業家としての能力を認めさせねばならない。一度サーチフェーズが始まれば、人脈やネットワークを駆使し、案件を探さねばいけない。売り手の会社のオーナーは財務的なバックグランドもスケールさせるマネジメント経験もない若い起業家を、疑念や疑いの目で、若い起業家を見るだろう。売り手を納得させることがサーチャーの最も大きなチャレンジである。一度買収した後は、投資家や人脈、またアドバイザーをフルに使って、会社を経営する。


Belief in One's Leadership Ability (自分のリーダーシップを信じること)
サーチファンドの起業家は、会社を反映に導くという自分の能力に対して、強い信念を持っていなければいけない。ファンドレイズや会社の経営のどの瞬間においても、なぜ、そのサーチャーが企業を成功に導けると思っているのかを問われる。投資家は起業家の自信をファンドレイズで試すし、売り手もその会社を売る時に試すし、従業員も経営陣が変わるときにそれを確かめる。実績がない経営者として、全ての関係者から信頼を得るために、本質的で説得力のあるメッセージとコミュニケーションを実施しなければいけない。

Willingness to Seek, and Heed, Advice (アドバイスを追い求めるマインド)多くのサーチファンド起業家にとって、少なくともサーチファンドのプロセスの一つについては経験を欠いている(買収対象企業を探したり、実際に買収をしたり、CEOとして会社を運営すること)。故に、サーチャーは投資家や個人的なつながりをフルに使って、アドバイスを聞き入れなければならない。サーチファンドへの投資家はファンドレイジンングにおいてこの素養を非常に重要視している。

Flexibility (柔軟性)
最初のファンドレイズのプロセスにおいて、サーチャーは興味のある業界と、買収のための基準を設ける。しかしながら、多くの場合それらを全て満たすリーズナブルな企業は見つからない。必ず優先順位やトレードオフの意思決定をしなければならない。また、知らないこと、慣れていないこと、ストレスのかかる状況を乗り越えなければいけない。そのために精神的にあファイルで、素早く考え行動できなければいけない。

Adaptable and Modest Lifestyle (順応性のある謙虚なライフスタイル)
近年はサーチャーは産業を中心にサーチを実施するケースの方が、地域ベースでサーチをするケースより多い。これは、サーチファンド起業家が、買収する会社がある場所に拠点を移すことを意味している。また、サーチ期間の給与は、その他のオプションに比べると、そんなに変わらない金額となる。CEOとして働く場合も、最初は同様の他のオプションとは変わらぬ給与となる。会社が成長すると給与も増えることにはなる。投資家にとってのexitフェーズが起こるまでは、給与以外の大きな金銭的なリターンも得られないことになる。




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