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インサイト(ニーズに答える方法論)

言われたことをそのままやっててももうダメだ。

みんなが欲しいものは何か?この回答は、みんなに聞いても答えは出ない。

今日は真面目に、勉強になったことをメモ。

参考:なぜつい「買ってしまう」のか?
松本健太郎著

なぜ「つい買ってしまう」のか? 「人を動かす隠れた心理」の見つけ方 (光文社新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4334044417/ref=cm_sw_r_other_apa_i_tPGCEbD0SX3JE

この本を読んで、勉強になったと思うことをまとめていこうかと思います。控えめにいってこれは名著です。

みんな今あるもので満足している。

考えてみれば、世の中は便利になったものです。基本的に食べたいものは食べようと思えば食べられるし、見たいコンテンツは簡単に見ることができます。手に入れたいものは昔に比べ安価で手に入ります。世の中にあるサービスは、普通に人が普通に考えて思い付く「不便」に答えうる状況になってしまいました。これっていいことのように聞こえるかもしれませんが、実際仕事をする側としては大問題で。

例えば、商店街で個人店を経営していた人。彼らは物を売るのが仕事。しかし、あっという間に大型デパートに客を奪われてしまいました。ショッピングにいく客のほとんどが特に目的もなく買い物を楽しみたいので、いろんな物を見ながら買い物したいのでした。更にそのお客をeコマース企業が完全に奪ってしまいました。つまり、ネット通販が「ショッピング」の分野を支配しつつあるのです。さらに、物を売るのにこれといった特別な技術が必要ない時代になりました。今や家でボーッとしながら買い物が楽しめる時代になってしまいました。この革命によってこれまで利益を得ていた人たちがどれほど職を失ってしまったのでしょうか。

コロナウイルスの侵略により、とうとう三月は若い人たちが「暇」になってしまいました。つまり、学生が時間をもて余しました。今まで授業を真面目に受けてきた生徒は、授業を受けられない状況になりました。今まで部活動にいそしんでいた部員は、大会が中止になったり、練習ができない状況になりました。辛い状況に各種サービスは「若い人」むけのコンテンツを無料公開し始めました。 そして、勘のいい若者はその前から知っていたかもしれませんが、気づく人達が増えるはずです。おうちで勉強しようと思えばできるし、漫画も読めるし、ゲームもできるし、友達と会話も出来ることに。学校の提供するサービスもまた、見る目が厳しくなるでしょう。学校に行かなくても欲しいものが手に入ると思われたら学校は使われなくなるからです。この無料公開は将来への布石。20年後今のシステムは学校をひとつとっても本当に残っていない可能性がありますよね、いよいよ。

iPhoneは皆が望んだから誕生したのか?

内包された欲求に答えることで誕生したiPhone。スマートフォンは人々が望んだから誕生したわけではありません。
今や当たり前となったスマートフォンの存在。この端末がなくなったら生きていけない…という人は少なくないのではないでしょうか。スマホ依存症という言葉がありますが、依存するとかしないとかそういうレベルではないほど浸透して当たり前になってしまった今日この頃。
今から15年前には携帯電話がこんなに小さくなったやら、カメラの画素数がすごいやら、そんな話で持ちきり。電波が繋がりやすいとか繋がりにくいとか、着メロがどうとか、言ってたんです。さて、携帯ユーザーはiPhoneの登場を望んでいたのでしょうか?いまやガラケーという名称の携帯電話。スマートフォンはすぐには普及しません、なぜか?ガラケーになれてしまった人たちは今さら新しく何かを始めることを拒んだのです。平仮名の「お」を打つために、「1」のボタンを五回押すことが不便だと、私たちは思いませんでした。今や「フリック入力」が浸透し、あの頃にはもう戻れなくなりました。
そう、今必要なものは「消費者へのアンケート」「不満」から生まれるものではなくなっています。

氷山の一角

消費者の訴える不満・不安が嘘であると言うことではなく、これは「氷山の一角」であるということ。これは本当のことではあるが故に、今の技術力をもってして解決できてしまいます。カメラの画素数や携帯のメモリー容量、コストをかければあげることができます。
本当の欲望は普通「内包されている」、つまり表には出てこないところにあるということも事実でしょう。本書ではこれが「インサイト」という形で紹介されています。食品が美味しいから売れるのではなく、お腹空いてる人が多いから売れるのではなく、「健康な生活を送りたいから」、「ガツンとくるパンチのあるものが食べたいから」など内包された欲求があるがゆえに売れている。キットカットは「キットカット」と言う名前であるがゆえに受験生に売れていることは有名でしょう。もともと、受験前の不安を取り除くためという理由で売られていたものではないことは確実です。

つまり、
インサイトに目を向けることが必須の時代がくる

どうすれば、みんなに振り向いてもらえるサービスが提供できるのかと言うことに目を向けていてはいけないのかもしれません。

例えば、掃除をしてくれと頼まれるから掃除をするのではなく、掃除をしてほしそうとみんなが思っていそうだからキレイにするという考え方を持っている方が新しいサービスが生まれやすいのかもしれません。新しいサービスが生まれるスピードは格段に上がっています。

消費者の要望を知ることはとても重要ですが、言葉にしないようなことを汲み取ってサービスを提供することが仕事における必須事項かもしれません。そういう仕事しか残らないって思いました。

感想

根本の原理的なこと、どこか原点的なことというのはこの先も変わらないと思っています。コンピューターが動く原理や、冷蔵庫が冷える原理などは基本的に変わらないように、そもそも不変の事柄を理解することは基本的に知っていた方がいいでしょう。根本を応用することが問題解決に繋がるからです。インサイトの解決には根本的な知識の量や種類があった方がいいのでしょう。
でも、コンピューターの仕組み的なことを理解した上でスマホ使っている人は少ないです。理解したいと思っている人が多いけどそれを表に出さない。友達が欲しいと思っているけど、口に出さない。こういったことまた、インサイトかもしれません。
考えててみれば、世の中はまだまだインサイトで溢れているのかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました(*^^*)

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