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明日の仮説推論法のチラダシ

明日の仮設推論法のセッションは、松原明さんと細川で進めるのですが、当人同士は大変盛り上がっております。

松原さんのフェイスブック

松原さんの投稿
【読書会のお誘い 11月14日15時から】
今週土曜日は、細川 甚孝さんと松原の恒例「ほがらか読書会」。
テーマ本は「アブダクション(仮説推論)」。
アメリカ哲学のプラグマティズムの祖パースの論理推論を解説した本を俎上にあげて、議論をしていく。
さて、普通、読書会というと、その本に一体何が書かれているのかを読み解くのが一般的だ。
しかし、「ほがらか読書会」のシリーズは、まったく視点が異なっていて、解説者の2人が、それぞれ勝手な視点から、その本の内容をサカナに、現代のさまざまな問題を論じていく、という趣向となっている。
つまり、まっとうに読書しない。
2人の私的関心を追求するために、本を分解していくというもので、まあ邪道の読書会だろう。
今までは、もっぱら社会学的な本を取り上げてきたが、今回は、プラグマティズムのそれも論理学を取り上げる。
アブダクションとは、仮説推論法とも訳され、つまりは、いかにして仮説をたて、真理探究をしていくか、についての推論方法である。
細川さんは、たぶん、シンクタンクなどが行う未来予測が外れてしまう現状に対して、仮説推論の手法で、より予測を創造的にするにはどうするか、という視点から議論をするのではないかと思われる。
一方、松原は、現代のポストトゥルースの時代(客観的な事実や真実が重視されない時代)に、いかにして、共通理解が可能か、という視点から読み解く。
ソクラテスからポスト構造主義、現代実在論までの哲学思想を、私たちはいかにして共通認識を持てるのか、というアプローチから再検討し、その中で、パースのアブダクション(仮説推論)の基本と応用を検討しようという、なかなかマニアックな試みにチャレンジする。
さて、どうなるか。
あ、毎回、細川さんから本の要約があるので、読んでなくても大丈夫。問題ないです。
ぜひ来てねー
❉ちなみに、今回は、細川、松原ともに、かなり思い入れがあり、なかなかの詰め込み資料となる見込みで、参加者はまあ一種の覚悟が必要かも。

チラダシはこちら

【アブダクションとは】
p.54 ある意外な事実や変則性の観察から出発して、その事実や変則性がなぜ起こったかについて説明を与える「説明仮説」を形成する思惟または推論がアブダクションです。

驚くべき事実Cが観察される。
しかしもしHが真であれば、Cは当然の事柄であろう、
よって、Hが真である考える理由がある。

p.58 自然の事象に対して、「なぜか」と問いかけて、その疑問に答えるために推論を行い、納得のいく「説明仮説」を立てるということは、(中略)自然に対して、いわば誘導尋問を行うことによって自然から心理を引き出そうとする企てです。
【アブダクションの弱さ】
p.63 アブダクションはその結論を推測的に言明しているにすぎず、それに大いに間違う可能性のある弱いタイプの推論です。しかし、(中略)納得できる合理的な理由または根拠に基づいて仮説を提案しています。
p.68 パースは今述べたアブダクションの二つの働きー「洞察」と「推論」を相反するものと考えていません。(中略)いわば補完的な関係にあります。

【目標】
p.2 本書において、アブダクションとはどんな思考の方法か、アブダクションは科学的発見において、あるいは日常の創造的思考においてどのような役割を果たし、どんな働きをするのかを論じ、パースのアブダクションの論理に学びつつ、科学的発展・創造的思考の論理について考えて見たい。
p.5 演繹と帰納の二種の推論に、アブダクションというもう一つの種類の推論を加えている。(中略)彼は、その新しい論理学を「探求の論理学」、あるいは「アブダクションの論理学」とよんでいます。
p.6 パースの「探求の論理学」は、歴史的に演繹の論理学、帰納の論理学について登場した新しい論理学ということ(中略)古代ギリシアの哲学者アリストテレスが演繹の論理学を創設し、イギリスの哲学者のF・ベーコンとJ・S・ミルによって帰納の論理学が確立され、そして、パースが新たにアブダクションという第三の種類の推論を加えて、それを主題とした「探求の論理学」を創設している。

【探求の論理学】
p.6 (パークスは「探求の論理学」と「論証の論理学」を比較して)「探求の論理学は、諸問題を解決したり、いろいろな問いに答えたり、そして重要な成果を上げる役立つような諸規則(応用性・単純性・有効性★細川コメント)を研究する。」(中略)それはまた発見法的論理学とか、発見の論理学と呼ばれてきた。
検証の論理学では、前提から結論を導き出したり、実証的事実を仮説理論に関連付けるための諸規則を取り扱う、つまり、それらの諸規則は妥当か妥当でないのか、正しいか正しくないかを判断する。類比すると。探求の論理学は思惟の動力学に関わり、論証の論理学は思惟の静力学に係わる。

皆さんご来場をお待ちしております。


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