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中日が「日本一男」平田選手に戦力外通告。高校時代から輝きを放ったスター選手。もう一花咲かせてほしい

このニュースを知ったときに、もうそんな時期に来ていたのかと感傷的になってしまった。中日一筋、プロ17年目のベテラン平田良介選手(34)に、球団が戦力外通告を行ったのだ。高校時代から輝きを放ち続け、プロでも日本一に貢献する一打を放ったスター選手。もう一花咲かせてほしい。

2005年8月18日、高校野球において衝撃的な瞬間を目の当たりにした日だった。大阪桐蔭高時代の主軸打者だった平田選手が1試合に3本塁打を放ったのだ。

準々決勝の東北(宮城)戦。平田選手は二回にレフトスタンドに放つと、四回にも2打席連続ソロ本塁打。さらに七回には1死三塁の場面で、この日3本目となるアーチを描いたのだ。

1試合3本塁打は、夏の甲子園第66回大会で、あの清原和博さんがマークして以来となる大会タイ記録となった。

一気に平田選手に魅了された。それは中日にプロ入りしてからも変わらなかった。私の記憶に強く刻まれているのは、2007年の日本シリーズ第5戦の一打だった。

日本ハムと2年連続の対戦となった頂上決戦。前年の雪辱を期す中日が、3勝1敗と日本一に王手をかけて迎えた一戦だった。平田選手は、当時日本ハムのエースだったダルビッシュ投手から二回に先制の犠牲フライを放った。

試合は以後、両リーム共に点が入らず、中日が53年ぶりの日本一に輝いた。あの息詰まる投手戦での「勝利打点」いや「日本一打点」を挙げたのが平田選手だったのだ。

あの試合は、中日先発の山井投手が八回まで完全試合ペースで抑え込んでいたのだが、九回にクローザーの岩瀬投手に交代された。その後、マスコミなどで物議を醸すことになった。

しかし、あの大一番で、高卒2年目の打者が走者を生還させる「殊勲打」をきっちり放ったことを、もっと取り上げてほしいと、私は思ったものだった。

その後も平田選手は活躍を続け、2015年にベストナインに選ばれ、2018年にはゴールデングラブ賞を獲得。強肩強打の外野手として、「チームの顔」と言っていい存在だった。

今回、中日は平田選手に「引退か自由契約か」を促したという。しかし、平田選手は、もう少し選手としてできると判断して、現役続行を決意し自由契約を選択したそうだ。

昨季終盤に異型狭心症と診断され、今季は51試合の出場にとどまったのは、病気の影響があるのだろうか。

平田選手本人が望むのであれば、最後に、もう一花咲かせてほしい。

スターは、スターに始まりスターに終わらなければいけない。平田選手にとって、最高のエンディングを迎えられるように、私は応援を続けたい。

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