見出し画像

これがアメリカなのだ。試合中に大乱闘が勃発。大谷選手は仲裁役に。憲法に「武器保有権」のある国ならでは

「ホームランと乱闘がメジャーの花」。そんなことを言いたくなるような光景があった。エンゼルスとマリナーズの試合中に、大乱闘が勃発。エンゼルスの大谷翔平選手(27)は仲裁するために加わったが、見ている側としては、けがをしないかとヒヤヒヤした。これがアメリカなのだと再認識した一戦だった。

26日(日本時間27日)にシアトルで行われた試合。初回に、エンゼルスのウォンツ投手の投球がマリナーズの打者の頭部をかすめたため、審判によって警告試合を宣告された。

事の発端は、前日にマリナーズ投手がトラウト選手の頭部付近に投じた一球だった。この件があったため、初回のエンゼルスの投球が報復行為とみなされた。

しかし、話は終わらない、二回にはエンゼルスの2番手投手による死球。これに打席にいたマリナーズのウィンカー選手が激高。三塁のエンゼルスベンチに向かったことから、両軍入り乱れての乱闘が始まったのだ。

メジャーでは、乱闘になったら、ベンチの選手は全員加わるのが不文律。大谷選手も加わったが、仲裁役として争いを止めようと必死だった。相手コーチらしき人物を後ろからハグするように押さえていた。

1分半後に、いったん収まりかけたが、スタンドから「レッツゴー、エンゼルス!」と掛け声が響くと、再び両軍がヒートアップ。結果、両チームの監督ら8人が退場する羽目になった。

退場となったエンゼルスのネビン監督代行は、試合後に「私がこのチームをどれだけ誇りに思っているか伝えたが、その思いは、今日のことを受けてさらに強くなった」と振り返った。

両チームによる試合は、ここ11日間で8試合が行われた。エンゼルスは35勝40敗、マリナーズは34勝40敗と、ポストシーズンに向けて、しのぎを削っている。その思いが、エスカレートして、乱闘にまで発展したのだろう。

乱闘でチーム愛を高める。収まりかけた乱闘をスタンドから囃し立てて、再びヒートアップさせる。乱闘になったらみんなが参戦する不文律がある。これがアメリカなのだと、改めて思った。

そもそも、アメリカの合衆国憲法には、修正第2条で「武器保有の権利」が認められている。好戦的な姿勢を、憲法が後ろ盾しているように思える。

一方、日本では、野球は学生野球を中心に始まり、教育の一環として発展した経緯がある。武力行為が認められるわけがない。そもそも日本の憲法9条で、平和を希求しているわけだから、文化がまったく異なるといえる。

野球は乱闘による殴り合いでなく、ホームランなどによる点の取り合いこそが、本来の戦いなのだ。

この試合で大谷選手にケガがなかったのが幸いだった。明日は大谷選手のホームランで、多くの得点を取ってほしいものだ。


この記事が参加している募集

スキしてみて

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?