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冒険型芸術祭と都市型芸術祭、どっちが家族向けなのか問題。

一時帰国中いろいろなことをぶっ込んでいます。大きなイベントは「瀬戸内国際芸術祭」と「あいちトリエンナーレ」です。

この2つの芸術祭、同じ芸術祭でも非常にタイプが違います。私は基本的に家族で芸術祭に行くのでどちらが家族向けなのか比較してみようと思います。

1;移動距離問題

芸術祭の距離までは非常に重要。まず第一印象では冒険型は遠いっていうイメージ。でもこの距離というのは家族連れだと「長さ」だけではありませぬ。たとえ距離が近くても、地下鉄や電車などの通路がない、あっても通勤経路にまるかぶりなどの場合はたとえ近くても心理的に遠いと感じることもあるのです。あと展示が都市型で階段だらけというのも家族連れには辛い。そこで肝心なのは「距離に関する情報が整備された地図提供があるか」ここにかかっています。公式アプリを提供する芸術祭は多くなりましたが「情報過多より正しい位置情報」「移動手段の明確化」。ここですね。


2;食事問題

さて、芸術祭はアートツーリズム。日帰りだったとしてもその場での食事も重要な楽しみの一つです。大人だけでなく子供も楽しめるようなメニューがあるかをチェックしましょう。芸術祭に関係した場に食事提供の場がない場合は近隣もチェックしましょう。都市型の場合はコンビニなどは比較的見つけやすいでしょう。そして鑑賞中に子供から発せられる「お腹が空いたのどうにかして」問題にも備えなければなりません。夏の場合は水分補給問題もあります。ここで欲望に任せてジュースばっかり飲ませてると酷暑だと体調がちで崩します。冒険型の場合は地方都市開催が多いので比較的物価の安さは期待できます。が、いつでも買えるとは限りません。そして冒険型芸術祭の場合は、食事単価は予想以上に「高い」場合があります。(これは観客がアジアからの外国人が多いとこの傾向が明確に現れます)。都市型の場合は買える場所がありすぎて無駄に買わされる場合も。芸術祭に家族で訪れる際にはジップロックなど小分けにできる袋を持参することをオススメします。小分けの袋があると小腹を満たす対策にも対応できます。

3;ふれあい問題

芸術祭は祭です。しかしそこには祭の前にも後にもそこに住んでいる人がいます、そこで暮らす方々と触れ合えるのも芸術祭の楽しみです。「が、」誰もがこのイベントを歓迎しているとは限りません。地元には地元のイベントが開催されている場合もあります。都市型でも冒険型でも気をつけなくてはいけないのは「移動時に不快な思いをさせない」です。大声を出さない、勝手に私有敷地内に入らない、場所がわからなくても騒がない、自転車などの移動手段を借りた場合は「事故に遭遇しないように細心の注意を」心がけてください。「最高の地図情報は芸術祭成功の素」と個人的には思っているのですが地図や目印が対応できない場合もあります。その時こそTwitter やInstagramを使って行動情報の補足をやっていきたいですね。

4;表現問題

参加アーティストさんが身を削って発信した作品が「表現方法において」様々な私見を生み出し、その私見が騒動を引き起こす場合があります。その場合、子供に質問されたらどうしようって親なら普通怯みますよね。そんな表現問題に悩んだときもSNSは効力を発揮します。ぜひ色々な人の感想を共有しましょう。この作品はどんな風に鑑賞されてきたかをアーカイブできる場がある芸術祭は、ものすごく面白くそして気持ちよく帰宅できるのでぜひ。

5;コンプリート問題

芸術祭は祭じゃ!いや!エンタメじゃ!!という場合の時、大事なことは「制覇しなくても楽しいか」です。コンプリートやりたくなる場合は「ハンコ」を押すことが重要と思ってしまいがち。はんこシステムはとても効率的なんだけど、こだわりが始まっちゃうと大変なことになります。なので子供の場合ははんこシステムはない方がいいかな。そしておすすめなのは行きたいエリアに事前に見たい作品の目星をつけて事前に印刷、それを持って訪れること。お手製ラリーの作成です。これは子供はすごく喜ぶと思います。あいちトリエンナーレは地図がPDFで配布されてるそうなのでぜひ「お手製ラリーシート作成」に活用してほしいと思います。

6;じゃあどっちがいいの

結論としては「家族による」になってしまいますね。親がきちんと情報収集をして、笑顔で帰宅できるように。そこをメインでやってほしいと思います。

そして親子で鑑賞してる人をみたらどうぞ温かく見守ってあげてください。芸術祭は、祭です。祭には色々な人が来るものです。「子供がうるさい」とか思う部分もあるかもしれません。そこでイラっとするのを少しだけ、少しだけ待ってください。その研ぎ澄まされた感性の時に出会った作品が新たな気づきを与えてくれるかもしれません。

お子さん連れで参加して、お子さんがちょっとぐずってしまったら「ああ連れてこなきゃよかった」ってお父さんお母さんは思うかもししれませんがちょっと待ってください。これはお祭りです。お祭りには子供が笑顔になる要素が沢山あります。そこで沢山の笑顔を共有して笑顔で帰ってください。祭はずっと続いていきます。お子さんたちが成長し、成人し、新たに大事な人と芸術祭を訪れた時「子供の時この芸術祭に来てさあ」とか話し始めたら素敵だと思いません?

というわけで。

都市型、冒険型、どっちも素敵なのでぜひ夏休みは芸術祭に行ってみましょう!でした。