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人の心に華を咲かせる芸事は人生に不可欠だと再認識した話。


芸事は腹を満たさないかもしれないが、心に華を咲かせるのだよ。


私は、美術、芸術が大好きだ。ずっと好きだ。そして私の中でその「美術、芸術」に「現代演劇」は入っていなかった。なぜなら演劇はよくわからんって思っていたからだ。


でも古典は好きだ。特に歌舞伎は大好きだ。日本美術が好きだと、自ずとその時の芸事にも興味が出てくる。息子が小さい時、なぜか歌舞伎の舞台芸術の番組にどハマりし、親子で歌舞伎を見に行くようになった。

最初の頃は「子供を連れてくるなんて!」って怒鳴られたりすることもあったがどんどん慣れていった。そこでなんと、ご贔屓の役者さんまで出来た。


この時、初めて鑑賞者として「芸事が心に華を咲かせる」のを実感した。


そして時は流れ、私たちは居を日本から東南アジアに移し、世界は新型肺炎と共に日々動いていくようになった。舞台は直接の鑑賞から配信も行われるようになった。そして前からファンであった 「失業夫婦」 さんの舞台が配信で見られることになった。


失業夫婦とは、佐々木ヤス子さんと大熊龍太郎さんの演劇人夫婦のユニット。

私たち親子はこのユニットの佐々木ヤス子さんの大ファンなのだ。彼女は、私たちの「現代演劇はわからん」を打ち壊してくれた人。



彼女たちの舞台が見れるのだ。配信だけど見れるのだ。こんな嬉しいことはない。

配信は2回あって、1回目は親子でワクワクしながら拝見。素晴らしかった。1日目の息子評。


なぜマスクなのか。それはこの演目で大熊さんマスクを外すシーンがあるんだけど、大熊さんは外したマスクを床に落としていた。それが気になったらしい。わかる。だって今、使い捨てマスクのプラスチックゴミ問題はとても大きな問題。



使い捨てマスクのゴミ問題、マレーシアでも話題になっている。


なのでマスクは捨てないほうがいいね。。。と言う息子の感想はよくわかる。それも含めて素晴らしい演目だったと感想をtweetした。

そしたら今日の演技では。。。


「大熊さん!マスクポケットにしまった!」


そこに盛り上がったのはきっと息子と私だけ。でもすごく嬉しかった。息子は虎之助くんに花道で手を振った時のような目の輝きで舞台を見ていた。そして舞台を堪能した後。。


「僕、大熊さんのファンにもなるわ。」

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新たなファン爆誕。


新型肺炎に翻弄される昨今。人々の心から余裕が、財布から余裕が消えていく。芸事なんて、まずは食べるため、生きるための仕事が最優先!という意見もわかるしそれに流されそうになる。でもやっぱり私はこの「芸事が人の心に華を咲かす」大事さを忘れずにいたい。華を咲かすことができる素晴らしい演者の皆様に心からの敬意を評したい。そしてこの「人の心に華を咲かす」ことが出来るからこそ、芸術の大切さを伝えていきたい。


いやあ色々しんどいですが、本当にいいもの見せてもらいました。本当にありがとうございました。いつの日か日本に再び行ける時が来たらお二人が出演している「ギア」もぜひ見にいきたいです。