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「日本から海外へ」「海外から日本へ」という配信を海外から日本語で見て感じたこと。


先日、1日で2つの配信を見た。現在私の住むマレーシアでは再び感染者が増えてきて非常にピリピリムードであります。現在は家族の目的に支障が起きないように過ごすことが最優先。なので配信はそんな私の心強い味方である。


森美術館は私にとって特別な美術館だ。自分が子供と一緒に鑑賞にチャレンジする際に最初に暖かく迎えてくれたのが森美術館。ここの「おやこでアート」という鑑賞プログラムが開館当初から開催されていた。「赤子から小学校入学までの子供と親」を対象としたプログラムだったのだけど、息子と私は参加できる時はほぼフル参加した(2歳前から7歳前なので合計5年!)。今でも森美術館は「ただいま」と思わず呟いてしまう場所である。


今回は白石正美さん(SCAI THE BATHHOUSE代表)、小山登美夫さん(小山登美夫ギャラリー代表)、蜷川敦子さん(Take Ninagawaオーナー&ディレクター)そしてモデレーターに椿 玲子さん(森美術館キュレーター)というメンバー。小山さんと椿さんには本当に良くして頂いてる。いつもありがとうございます。


今回は80年代後半から現在まで、特にアートマーケットの視点から日本の現代アートの歴史を振り返るということだったけど、同時に海外から見た日本のマーケットという視点のお話がとても面白かった。


特に小山さんは一時期シンガポールのギルマンバラックスにギャラリーを出しておられたし、ジャカルタのフェアにもmuseum MACANの展覧会にも関わっておられたので良くお会いしていた。(近年は日本以外の場所でお会いする方が断然多かった😅)


小山さんもおっしゃっていたけど東南アジアのアートマーケットを支えるコレクターの規模は半端ない。前澤さんクラスがゴロゴロいる、いや、前澤さん以上がゴロゴロいる。そのようなコレクターが自国のアーティストを支え、展覧会に足を運び、子供に作品を説明し、子供は小さい時から自国を支えるアーティストを見て育つ。私自身がそのような場を何回も目撃している。現在は人の流通が閉じてしまっているのでマレーシアやインドネシアはその中で育てるモードに入っている。育てる場において多くの選択肢と豊富な財力があるので、育てられる側は、そりゃイキがいい。

実際に人が行けなくても作品が行き来してグイグイ取引されてるのが現状。

このスケール感とグイグイ感はアートマーケットがまだ始まったばかりだかという白石さんの分析にはなるほどと納得。歴史を大事にしながら新しい展開にグイグイ行けるようなフットワークの軽さをもちたい。


同時に「今は行けないから」というコメントがあまりに多く出てきたことに「今、日本にいない自分にできること」を改めて考えている。答えはまだ出ないのでとりあえず行ける範囲で展示を廻ろう。


そして夜はこちら。


ジョクジャカルタでお世話になった横内さんの展覧会がアムステルダムと京都で開催中だそうで、その2会場をつないでのトーク。横内さんの作品は本当に素敵で、特にインディコの表現が素敵。マレーシアやインドネシアのバティックを実際に見てるから余計にそう感じるのかもしれない。本当に美しくていつもうっとりする。


今回とても印象深かったのはアムステルダム会場の意見の活発さ。そう、私自身アートイベントには結構足を運んだけどサロン的な場での意見交換の活発さにはいつもすごいなって感心してしまう。そして自分はすっかり黙ってしまう。本当に情けないけど、こういう場で自分の意見がスムーズに、言えない。


途中から配信を見ていた息子曰く「日本語思考だと会話が終わるのを待たなきゃって思うから議論しにくいよね」とバイリンガルならではの答え。英語でのやりとりを「日本語思考で」聞いていると質問は?と言われても本当に出てこない。これはいかんなあと改めて反省。


日本から絵画へ、そして海外から日本へ。その方向を海外で日本語(思考)で見ている自分。この特異性だから体験できたこと、この特異性だから感じたことをもっと意識して記録しなきゃいかんと改めて思いました。


でも、1番の願いは早く国境が開いて行き来が出来るようになることです😭。マレーシアは本日9月27日の時点で感染拡大傾向にあるのでまたその願いは遠のきましたので、今はしっかり引き篭もろうと思います。。。