私は堕天使であり、また両の命を持つものなのだ。

私は悠久の時を生きる堕天使だ。
人の世の移ろいに我関せずと、素性も知れずただただ生きている。
時には人の死を見て遺族と共に嘆き、時には命の誕生と共にその命を壊した。
意味もなく戦場を彷徨っては、優勢だった軍隊を一晩で壊滅させたこともある。
故に私は堕天使なのだ。
天使としての“善”と、悪魔としての“悪”を持ち、希望を絶望に、絶望を希望に変える。

天使としての“善”を持って。
人の死を嘆くのであれば、新たな命を誕生させその場を歓喜で埋めつくそう。
その痛みを嫌うのであれば、瞬く間にして癒して見せよう。
慈悲と慈愛の力によって。

悪魔としての“悪”を持って。
自らの勝利を喜ぶのであれば、ものの数刻で滅ぼそう。
命の誕生を慈しむのであれば、目を開く前に全てを奪おう。
破壊と殺戮の力によって。

力を嫌うのであれば、その力を貸そう。
求めるものがあるのであれば、その支えを奪おう。

滅び交わらぬ善と悪。
私は彷徨える旅人である。

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そこはかとなく文章を綴る。 そして必ず〈設定〉がある。 純白の悪魔であり、漆黒の堕天使アヴィド。それが私。https://twitter.com/mahina_seime?s=09

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