瞑想の効果
ランドセルをポーイと投げたり、踏んづけたり、引きずったりは当たり前。
効率的とは真逆の、軽快で大胆で無駄な動き。
宿題は、体操着を脱ぎ捨て裸で立ったまま。なぐり書く文字は、上手い下手の判断ができないほど芸術的。普段コトバに気をつけようと努力している私でも、「うるさい!」と言ってしまうほどの大声。
ある日、そんな元気な息子がいつものようにお風呂でご機嫌に歌を歌ったり独り言を叫んでいた。
そのご近所中に響き渡る大声が、突然パタ、、、と止まった。
ご近所さんもきっと不思議に思っただろうな。お風呂のすぐそばで洗濯物を畳んでいた私は、あれ?と息子の名前を呼ぶ。
返事がない。
どうした?!お風呂の戸を開けると、湯船に深くつかり、お気に入りの水中メガネを虹色に光らせ、お釈迦様のようなポーズでピクリとも動かない。
開いた口が塞がらない、とはこういう時に使うのかな?
とりあえず溺れているわけではないし、転んだ形跡もない。とにかく不気味な静けさに気持ちが悪くなり、もう一度名前を呼んでみた。
返事がない。
まあ、いいかと戸を締めまた洗濯物にとりかかる。
そして数秒後、ザバーン!という音とともに、全身ずぶ濡れのまま飛び出してきた息子。
「タオルがいくらあっても足りないよ」とため息をつくひまもなく、怒られた。
もう!おかーさん!!今せっかく「めいそー」してたのに!!!!
どこでそんな言葉を覚えてきたんだろう。どこでそんな静寂な時間の作り方を知ったのだろう。邪魔されて怒るということは、気持ちよかったに違いない。
こんなに騒がしい息子にも、そんな一瞬が必要だ。マネゴトのお遊びでも、大人になってふと心に疲れを感じたとき、瞑想タイムが助けてくれることを思い出してほしい。
今私は、ある公園の池の前。爽やかな風が気持ちいいので、ベンチに座り目を閉じた。
鳥の鳴き声と水の音。
そして数分前から始まった、隣のベンチに座ったおばさま達のささやき声。
どうやらサチコさんちの息子さんが結婚したらしい。そのお嫁さんが東北のご出身で美人さんのうえ、料理も得意ときた。しかしお互い仕事が忙しくて・・・うんぬん。「へ〜」と一緒に相づちを打ってしまった。
目を開けると、目の前の池に大きなカエルの置き物。ボーッとそれを見ていたら、通りかかる子どもたちが皆、池を指さして「カメ!カメ!」と言う。
いや、あれはカエルでしよ。と心で思いながら、また目を閉じた。そして数分後、瞑想タイム(お昼寝?)を満喫して目を開けた。
なんと目の前には、カメの置き物。
さっきは見えていなかったのに!自分の老いも重なり、ますます心に(体にも)積み上がる小さな老廃物たち。
息子に勧めている場合ではない。今こそ瞑想を習慣化しなくては。
(上の写真にカエルとカメがいます)
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