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DAY268 子どもとNZ 2024 笑うヨガ

(2024年の一年間、高校生の娘と小学生の息子、そして母である私の3人で「ニュージーランド暮らし」を決行します。このチャレンジの準備から現地での暮らし、帰国までの事実、そして気持ちをココに記録しておこうと思います。)

2024年10月下旬のお話。ニュージーランドは春です(昼間は初夏みたい)。

友達に誘われていたのです。「これに行ってみない?」

Laughter Yogaって?

まず第一印象。
「わたし、体硬いし・・・」

子供の頃は器械体操をやっていたので、誰よりも柔らかい子でした。学校から帰ってくるなりランドセルを置いて、もう一度学校までの往復を何分で走れるか、という一人ゲーム(寂しい)をしていました。小学校の5分休みでも校庭の一番遠い鉄棒まで走り、クルクル回って戻る、というくらい、運動が大好きでした。

それが・・・
人の体って、こうも変わるのですね。

今では誰もわたしが器械体操をやっていたなんて、想像できる人はいないでしょう。そして実際、階段を登るだけで息切れがするし、運動不足のカタマリ。万年肩こり。息子のサッカー練習に付き合うのも、老体にムチを打ちながら。

それでも。この二十年くらいの間に、ヨガに挑戦したことは数回あります。
憧れているけど、続けられない。

友達がDVDを貸してくれた時は、真面目にやりすぎたのか、次の日は体の中の内臓(?)が痛くて痛くて。もしかしてすごく効いたのか、逆にやり方が悪すぎて体を壊したのか。
1日で終了。

それから十年後くらいに、今度はまた友達に誘われて、やってみたり。
つい二年くらい前にはお友達がヨガ先生ということで挑戦してみたり。

どの時もそれなりに楽しんで、だけど続けられない、つかず離れずの関係。
体に良いはず、また体が柔らかくなったらどんなに清々しいだろう。と想像は、する。

そしてまた巡ってきました今回のお誘い。

断る理由はない。
ということで行ってみることにしたのです。

ヨガというからには、動きやすい服装で行かないとね・・・
でも服ないしなぁ。ということで娘からちょっと大きめのTシャツを拝借。

あまりに硬いから周りの人がびっくりするだろうな・・・
ということで二日ほど前から、お風呂(シャワー)上がりに柔軟体操。

よし完璧(?)。こうして当日を迎えました。

子供達を学校に送っていき、行ったことのない地域へ。
広い公園沿いにある素敵なコミュニティセンター。

駐車場に停めて、友達を待っていましたが、一向に来ない。

入り口を確かめに建物の周りをうろうろしてみましたが、よくわからない。
うーん。どうしようかな。

帰っちゃおうかな・・・とても一人で行く勇気はないなぁ。と思っていたら、友達から連絡がきました。

Just go in the main doors and if you like you can wait for us. There are some lounge chairs. But if you are feeling brave, go straight in!

(メインドアに行って、椅子があるから私たちを待っていてもいいよ。
でももし勇気があるなら、思い切って飛び込んでみて!)

Braveという言葉を見て、自動的に勇気が湧いてきました。
とにかく行ってみよう!
駐車場にいた、しかめっ面の怖そうなおばさんに入り口を聞き、建物の奥の方へ。

中からは笑い声が聞こえてきます。ドアには細長い窓ガラスが付いていて、のぞいてみると・・・おじいさんおばあさんたちが大笑いしながら練り歩いていました。

おそるおそるドアを開けると、「ハーイ!!名前は?Seiko?あはははははーー!!」
と全員に大笑いされました。
あまりに楽しそうなので、つられてこちらも(ひきつった)笑顔に。

そして始まったのは、

「はい、動物の鳴き声をマネしながら歩くよー!あははははー!!」
「おなかから笑ってよー!!誰よりもイケてる顔してー!ひひひひひー!!」

わたしは中年のおばさんだけど、「まだまだ若い」と思わせる。その部屋にいたのはおそらく全員70代以上。
おじさま、おばさまたちの大笑いがあまりにも楽しそうなので、おかしくてわたしも大笑い。

どうやらこれがいいらしいです。笑うつもりがなくても、つられて笑ってしまう。最初はひきつっていてもいい。だんだん心から楽しんで自然に笑顔になる。この笑いが腹筋を使い、身体に良い影響を与える、と先生がおっしゃっていました。

友達も後から来て、入ってきた時の戸惑う顔をみて、内心・…・ではなく、大声で「ひひひひー!」と笑うわたし。

全身派手な飾りのついたワンピースのおばあちゃんや、杖をついたままのおじいさん。本格的なスポーツウェアを素敵に着こなしたヨガインストラクターみたいなおばさまも。

ヨガといえばこんな感じ?という想像で着てきたTシャツ姿のわたしが一番中途半端だったかも。とにかくどんな格好でも良かったのです。

自分が何かの英雄になったイメージをして。
最高にカッコいい車に乗って、大歓声の中ゆっくりと進む様子。
有名人になったふりをしてレッドカーペットの上を優雅に歩く様子。

ヨガはどこへ行った・・・

わたしの想像していたヨガは全く見当たらず。まるで演劇学校のようでした。はっきり行って体が硬くても、先生のポーズをマネしてヒーヒーと言っている方が楽だったのではないか、と思うほど。
しかしその演劇学校、とにかくズーーーっと大笑い。先生がずっと笑わせてくれるし、参加者の方々もみんな盛り上げたりして本当にリラックスした楽しい雰囲気でした。

最後はピタッと笑いもやめて、静かに床に寝転がり目を閉じて、瞑想。
先生が長い長い文章を読んでくれました。

全てを理解できたわけではないけど、何となく聞き取れたのは、自然を思い出すこと。水、太陽、木や草、山々、湖。

そんな自然の中で自分が何かの動物(もちろん人間でもいい)になって、自由に歩いたりスキップしたり飛んだり跳ねたりしている状況をイメージして、気持ちいいね、清々しいね、と感じている様子。

そんなイメージで寝転がっていたら、本当に気分良くすっかり健康になれた感じ。

想像を超えたヨガでした。

本来なら体験前に調べるべきところ、後からChatGPTに聞いてみたのでした。

ラフターヨガ(Laughter Yoga)は、1995年にインドのムンバイで医師のマダン・カタリア(Dr. Madan Kataria)によって始まりました。彼は笑いが健康に良いという科学的根拠に基づき、笑いを取り入れた運動プログラムを作り上げました。最初は公園で5人の参加者と共に始めた「笑いクラブ」が、今では世界中で広がり、様々な国で実践されています。

ラフターヨガは、ユーモアやジョークではなく、誰でも行える笑いのエクササイズに呼吸法やリラクゼーションを組み合わせるのが特徴です。

ChatGPT

誘ってくれた友達に感謝。またNZで貴重な体験ができました。
でも、まぁ、次回行くとしても一人で行ったほうがいいな。恥ずかしいから。
まだまだLaughter Yoga初心者のわたしでした。

そこで出会ったおじいさんと、終了後にお茶をしました。
亡くなった奥さんがスコットランド出身だけど、ニュージーランド人の自分と結婚したこと。その奥さんはバイオロジーの研究者で若い頃日本に長年住んでいたこと、日本語が流暢だったこと、自分も数回行ったことがあるけど、日本人にはとても良くしてもらったこと。奥さんのお葬式では、たくさんの日本人が日本の歌を歌ってくれたこと。涙まじりに話してくれました。

そして、わたしがたった一年だけど子供達を連れて来て、今とても楽しんでいること、息子は絶対にまた戻ってきたいと言っていることを伝えると、「どうか楽しんでほしい、僕が日本で経験したように、君たちにもNZの良い思い出をたくさん持ち帰ってもらいたい。」
という言葉をくれました。

日本人であることを誇りに思うのは、こういう時です。
自分は何もしていないけれど、どこかの素晴らしい、親切な日本人の先人たちのおかげで、こうして今良い体験をさせてもらえているのです。だからわたしも、何十年後の子供たちや孫の世代のために、この異国の地で信用を失うようなことをしてはいけない。

気を引き締めて行動しないと。スピード違反とかしている場合ではない。

身も心もほっこり温まった1日でした。

その夜、寝る前に気づきました。
実はいつも夕方から疲れて、息子の話も中途半端に聞いているような状況でしたが、その日は違ったのです。子供たちと大声で笑うことが多く、楽しい気分が一日続いていたのです。

効果抜群でした。おそるべし、Laughter Yoga。
体の硬い人、心をほぐしたい人におすすめです。

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