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早起きは楽しい

ちょっとした用事があり、息子を朝30分早く幼稚園に連れて行くことにしました。
いつもは遅刻ギリギリ(というか遅刻)。なのに、その日はどうしても早く出たいから、ほめて・おだてて・はげまして・・・母親として優秀(であろうと勝手に思う)なマインドを持って息子に接しました。
まだ時計を正確に読めない息子は、なぜか今日は早く幼稚園に着いた。なぜかいつもと違うルーティンのクラス。なぜか自由に遊べるタイムが多い。→楽しい!となり、案の定「明日もモーニングクラスに行きたい!」と言い出しました。

とはいえ、最近の気候からして半袖短パンの真夏パジャマ+朝がたのひんやりした空気の中の温かいお布団、という極上の気持ちよさの中でなかなか起きられない息子。「どうせ起こすまで寝ているだろう・・・」と思っていたのが間違い。

翌朝、うっかり扉を閉め忘れて、私がスイッチオンした洗濯機の音でスッキリと目が覚め、ニコニコの笑顔と大爆発の髪の毛で階段を駆け降りてきました。

ご機嫌マックス。出かける直前の中学生姉に「トイレ?いいよー、先に入って♪」「パンパン、パンちょうだい!焼いてね!焼きすぎないようにね!」「見てみて、トリケラトプスが逆立ちしてる!僕もベッドの上ならできるけどね、あはは〜!」「もっちゃん(姉)、行ってらっしゃーい!また会おうね!会えたらいいよね〜、いつか会おうぜ!」と、まだ目が完全に開かないうちから口数の多いこと、多いこと。

歯磨きは鼻歌まじり。
「時計の長い針が3になったら出ようね」とまだ着替えていない私が言うと、「やだやだ!2になったら行こう!」とうるさい、いや主張するので、慌てて身支度をする私。

そして時計の針が2になったのを見て、寝癖も直さず、靴を履きだしたので、「まだまだ!洗濯物終わってない!」と私が言うと、「じゃあ手伝ってあげるから!」と脱水完了の洗濯物たちを引っ張りだし、丸ごとぎゅうぎゅうと乾燥機へ。自分の体も入れてしまう勢い。ありがたいよ、ありがたいけど・・・やり直し。

ようやく車に乗り込み、さあ出発!「ああ、先生に電話しなくちゃ。今朝も早く行きますって。」と電話をかけると、数回なった後、「ピーヒョロロ〜」とFAXみたいな音。あれ?昨日同じ番号にかけた時はきちんと繋がったのに?おかしいねぇ。もう一回。やっぱり、ピー・・・ヒョロロ〜♪ 

私がこれはFAXというものにつながっているような気がする、と話すと、「FAXとは何か」の説明を延々とするハメに。電話回線を使って、文字など書かれた用紙が送られる・・・いやいや、用紙は相手の方にあって・・・、うまく説明できない。
「すごいねえ!」と感激する息子。それでも彼は心配になりました。
「どうしよう、電話しないで、モーニングクラスに入れてもらえなかったらどうしよう。先生に怒られちゃう?でも、電話したんですけど、ピーヒョロロだったって言えば大丈夫かな。」

そこから「先生はどうして電話に出られないのか?」という問題に移行しました。以下、息子独自の予想です。

「先生はもしかして、ゲームしてるんじゃない?きっと面白すぎて、やめられないのかもよ?あつ森は楽しいよねぇ。」
「先生はもしかして、釣りに行って電話を落としてきちゃったんじゃない?海に落としたらもう戻ってこないしね。サメが食べちゃったかもね。でもサメは深いところにいるやろ?そこまで落ちて行くのかなぁ。」
「先生はもしかして、車に置いたままなんだよ。電話は一生懸命なっているのに、気づかないんだよ。」
「15,000円(Youtubeの影響)発売中!なのかもよ。早く買えばいいのにねぇ。」

こんな話をしていて気づいたのだけど、息子は「電話」=「携帯」だと思っているんだな。この世の中には固定電話というものがある(え、まだあるよね?)ということをおそらく知らない。

そして、子供の「考え方、価値観、想像力」って面白いな。大人の私はどんどんそんなものが枯渇して凝り固まり、柔軟性をなくしているなぁと思いながら聞いていたのでした。

そんなこんなで、髪の毛が爆発したままのご機嫌すぎる息子を連れて幼稚園の園庭に入り込むと、いつもの先生の笑顔。「グッモーニン!」電話がつながらなかったことを伝えると、「ああ、そういえば鳴ってたかも」とのこと。笑

息子が、入れてくれなかったらどうしようって心配していたんですよ。と話したら、「来たら帰さないよ!大丈夫」とのこと。
はい、どうかこの子を帰さないでください。

道中、ご機嫌の息子が手を叩きながら大笑いしているので、「そういうおサルがいるね」と言ったら、「人類はみんな猿だったよ。もっともっと前は魚だったけどね、でも“人類のはじまり“はサルなんだよ。アウストラロピテクスとかね。」

先生、後はまかせました。息子の好奇心や体力やおしゃべりに応えてやってください。お願いします。母はまた夕方から始まる息子の溢れて溢れて止まらない生命力を受け止めるため、体力温存・充電してから、お迎えに参ります。


タイトル画像のイラストは「くえ」。すごい口だね。

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