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みんなと同じでもいいし、みんなと同じじゃなくてもいい。

この夏、8歳になった息子はますます元気だ。
自宅プール、海、ゲーム、市民プール、自宅プール、ゲーム、市民プール、市民プール、ゲーム、ゲーム、ゲーム、ゲー・・・

こんがり焼けて、お尻はまっ白。夏休みの宿題はあとどれだけ残っているだろう。残り数日だというのに、それさえ把握していない。(母ともに)

8歳とはこんなに何でも分かるものなのだろうか。

ある日の会話。

息子:お母さん、マイクラを大きなパソコンでやりたいよ。どうして最近はノートパソコンでしかできないの?

母:仕方ないよ、お父さんお仕事で使ってるから。

息子:昔はできたのに、今はできないって辛いことだよ。
(息子のいう昔は1・2年前)

母:そうだね、お母さんだって昔は逆上がりができたけど、今はできない。だから気持ちわかるよ。

息子:ふーん。ホントかなぁ。じゃあさ、昔はできたけど、今はできなくて、めっちゃやりたいことってなあに?

母:うーん、昔は小さな文字が読めたね、昔は徹夜して読書もできたね、昔は夜中にラーメン食べても太らなかったね。夜中にラーメン、めっちゃ食べたい。

(言っていて寂しくなった。)

息子:じゃぁ、友達は?昔は友達いっぱいいたんでしょ?
(まるで私には今、友達がいないみたいに言う)

母:まぁ、昔も今もあまり友達はいないかな。数人大切な友達がいればいいの。

息子:ふーん。ぼっちじゃん。


8歳って、小学2年生ですよ。「ぼっち」という言葉を使うことにも驚くけれど、それがどういう状況かということも分かっているのだろうか。

息子は空気を読めない。
読まなくていいのだけど。少しだけはできるようになった方がコミュニケーションをとる上で楽になるとは思う。まだそれを強制はさせたくないし、今後も私が伝えたところでなかなか理解するのは難しいと思う。

だから空気なんか読まなくて良い環境に逃げるのが息子にとって生きやすいのではないか、と密かに思っている。

そして良い友達に恵まれることを切に願う。

空気が読めないということは、つまり、言葉をそのままの意味で理解して、その裏の事情を推測しようとはしないこと。

昨日のお夕飯どき。
食事の準備が次々とできて、娘(高校生)が自分のトレーを持って先に席についた。
息子はまだゲームをしているし、夫はまだ仕事の途中。私はまだバタバタと仕上げに入っていた。

一日中おなかが空いているお年頃の娘。みんながそろう前に食べ始めたい!!

・・・という気持ちを抑えてひとこと言った。

みんながそろうまで待ってよう。

それを聞いた息子が

「みんなと同じ」じゃなくていいんだよ!

よく分からなかったけど、娘はそれに対して

私はみんなと同じがいいの。家族一緒に食べたいの!

みんなと同じじゃない方がいいんだよ。みんなと違っていいんだよ!
知らないの?

人一倍感受性の強い娘はだまりこみました。いつも弟に言いくるめられて負けてしまう8歳上の姉。

確かにそんなことを言ったのは私です。
ある日の図工について話していた時、「みんなと同じものを描くんだよ」と言った息子に、

「みんなと同じじゃなくていいんだよ。あなたの好きな色で、好きな描き方で、好きな見かたで自由に描いておいで。お母さんはどちらかというと、みんなと思いっきり違うのが好き!」

と伝えました。なぜなら、その頃息子は、周りに合わせるのに必死だったのです。初めての小学校生活、「みんなと同じように座っていなくてはいけない」「みんなと同じように手をあげなくてはいけない」と知ると、文字通り同じようにしなくちゃ、と無理をして、元々備えていた彼の自由奔放な個性がどんどん薄れていくのを感じていた。

そこで「みんなと同じ」でないことは、恥ずかしいことでも怖いことでも何でもない。自分の気持ちを大切に行動してごらん、と随時言い聞かせてきた。

その「みんなと違っていい」がその言葉通りにしっかり覚えていたことがとても嬉しい。

だけど・・・娘が「家族と一緒がいい」という意味で使った「みんなと同じがいい」という温かい気持ちも嬉しい。

先日家族で旅行をした時も、12日間朝から晩まで一緒にいると、このような言葉通りに理解するために口論になることが何度も何度もありました。本人はパニックになりキーっと感情が爆発する。

私もかなりのイライラ度に達する。

だけど、冷静になった後、必ず伝えるようにしていることばがある。

あなたは賢いね。かしこ過ぎるんだよ。

そう言って頭を撫でてあげると、お互いに落ち着くことができる。
今後、友達との付き合いや社会に出てもきっとこうなる場面がたくさんあると思うけど、そんな時自分の中で

「ああ、僕は賢すぎるんだった。ちょっと相手に合わせてやるか」

と思えるようになったら、いいなと思う。それを口に出したらさらにまた怪しい空気になるだろうけど。ネガティブに考え過ぎて自己肯定感が下がるくらいなら、とことんポジティブに自信を持って、自意識過剰だと思われるくらいの方がいい。

娘は相手の気持ちを想像して思いやり過ぎ、息子は相手の気持ちを想像できず直接的に言葉を使う。

みんなと同じでもいいし、同じじゃなくてもいい。居心地の良い方をいつでも選べるのが一番いい。

さて、今日も息子とのやりとりは続く。

私:そろそろゲームはおしまい。歯磨きしよう。

息子:そろそろって何?あと何分って言ってくれなくちゃ分からないよ。もう、はっきりしてよ!(怒)

私:(ため息)

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seiko

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