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第二ボタンとHANABI

今もあるのだろうか
卒業式
好きな人の第二ボタン
それを求めて
勇気を振り絞る
そんな儀式

私のいた学校では
異性とは限らない

私も部活で可愛がってもらった
憧れの人
ボタンが欲しくて
…もらえる勇気が持てなかった

私は貴女になりたかった


いつも笑顔で
強く
優しい

なのになぜ…



卒業してから
数年ぶりに
貴女の名前を聞いたのは
訃報でした

自ら命を絶ったと…

私は今でも信じてない
貴女の家の前を通るたび
明るい笑顔で
私に声をかけてくれる
そんな気がしてならない

通夜に貴女のお母様から
私宛に手紙を

気にかけてくれていたんだ
ピンクの無地の便箋に
ブレザーのボタンが入っていた


このエピソードを人に話せるようになるには
かなりの時間が必要でした

追いかけようかと
思った
それほど生に執着なかったし

しがらみが
多くなるほど
死ねないもんだよ


今は貴女に私の生き様を
見せよう…
あがいてる


貴女の好きなミスチルの曲
聴くたびに
ツラくなるんだ

障害(ADHD)とか
世間では小さな問題
私には大きいけど

貴女は悩んでいたんだね
それを見せずに
笑っていた

私の小さな問題は
きっと
かけ違えたボタンのよう

貴女はかけ違えたボタンを直せずに
私に託した

だから生きます
私の小さな問題(障害)
とともに

貴女に"HANABI"という曲を
贈ります



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