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【レビュー】 音楽 『笑って歩こうよ』 (ASKA)

ASKAさんの新曲『笑って歩こうよ』がリリースされた。
「70年代のメロディーを意識した」という。
初めて聞いた時「ASKA New Single, Now on Sale」という男性のナレーションが聞こえてきそうな気がしたのはそのせいだろうか。
レコードやCD、テレビの歌番組が元気だったあの頃のように。

タイトルを聞いて「こんなご時世だけど、前向きに行こうよ」的な曲を安易に想像した自分の凡人ぶりが恥ずかしい(もちろんそんなメッセージも込められているだろうが)。
壮大なスケール感で、大衆に語りかけるような前作『歌になりたい』から一転、ひとりの人間にそっと寄り添ってくれるような曲である。
この振り幅が、ASKAさんの真骨頂である。

また、MVに女優の尾野真千子さんが出演して話題になっている。
曲のイメージを具現化した見事な表現力。
彼女の出演を誰よりもASKAさんが喜んでいるのが、ブログを読むとよくわかる。

歌詞も味わいたい。
「白い蝶々の羽根のカーテン」
「青いシャツを着た 雨のメッセージ」
今回も「詩人・ASKA」の本領が、遺憾なく発揮されている。
「愛を・・・」と来れば、「伝える」「表す」「育む」ぐらいしか思い浮かばない自分の凡人ぶりが恥ずかしい。
ASKAさんは「かじる」を持ってきた。

カップリング曲の『プラネタリウム』も季節的に合っていていい。
これまたすごい歌詞が出てくる。
「幸せ過ぎて憂鬱だ」
どうしたらこんな言葉の組み合わせを思いつくのだろう。
ASKAさんの才能がすご過ぎて憂鬱だ。

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