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SFA/CRMの導入 #5 設計について考える

こんにちは。SFA/CRMの「Senses」を提供している株式会社マツリカでカスタマーサクセスを担当している森岡です。
これまで4回にわたり、SFA/CRMの導入検討フェーズについて書いてきました。ご興味ある方は、過去のnoteをみていただけると嬉しいです。

今回は、SFA/CRM導入後の取り組みについて書いていこうと思います。導入後のフェーズは、大きく分けると「設計フェーズ」「運用フェーズ」「活用フェーズ」に分解できると考えています。
今回のnoteでは、「設計フェーズ」について書いていきます。
少しでも皆さんの参考になりましたら幸いです。

導入目的を改めて確認/コミットしておく

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これまで導入検討を推進してきた皆さんは、役員会の承認がおり安堵するとともに「早速、設計を開始しよう」と考えるのではないでしょうか?
ですが、少し待ってください。設計を開始する前にやっておくべきことがあります。それは、導入目的の再確認/コミットです。

「導入検討している段階で、導入目的は伝えてきたし、役員会の承認も得たからコミットしてくれている」と思われるかもしれません。
もちろんその通りではあるのですが、組織や人というのは難しいものでして、導入検討時に関与していなかった役職者が導入後に色々言ってきたり、導入検討時は言わなかったけど、本当は私の考えは違うみたいな人がいたりするのです。面倒ですよね。。。

なので、役員会を通して導入が決定した後、改めてツール活用に関与する役職者を含めて導入目的の再確認/コミットを行なっておいた方が、後々の進め方が非常に楽になります。
最近では、SaaS企業のカスタマーサクセス担当者が、キックオフミーティングを実施して、出席者全員の前で導入目的の再確認をするケースも増えているかもしれません。
そういった場面も有効活用して、後々に苦労しないよう認識合わせをしておくことをお勧めします。

ちなみに、私の経験談をお話しすると、導入時に役員とはコミットできていたのですが、部長とはコミットできておらず、実際の設計や活用において何度も作り替えをする羽目になりました。
導入目的がコミットされていないと、SFA/CRMで活用する機能や取るべきデータの設計が定まらず二転三転してしまいます。
皆さんは、同じような苦労をしないようご注意ください。

自社の利用メンバーについて考える

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今まで長い時間をかけてSFA/CRMの検討を進めてきた皆さんは、会社の中で一番知識が備わっていると思います。そして、各ツールベンダーから他社事例なども聞いているので、「あれもやってみたい」「これもやってみたい」と、いろんなイメージが沸いているのではないでしょうか?
しかし、一旦冷静になってください。他社の成功事例は、参考にはなりますが自社にフィットするかは別の話です。

そもそも、皆さんが働いている会社は、どのような文化・風潮がありますか? 変化を積極的に受け入れますか? 保守的で変化を好みませんか?
ITリテラシーは高い人が多いですか? Excelを好む人が多いですか?
会社の文化や働いている人たちの傾向は、会社によって大きく異なります。SFA/CRMをうまく運用に乗せるためには、まずは自社の実情に合わせた設計を行い、徐々に設計変更(改善)していく方が良いです。

確かに取得できるデータは多いに越したことはありませんが、利用メンバーの入力負荷が増えるというデメリットも忘れていけません。
ITリテラシーが高く、SFA/CRMの導入にメンバーが納得している状況であれば、最初から多少複雑な設計をしても、利用メンバーは利用してくれるかもしれません。
一方で、ITリテラシーがあまり高くなく、なんでSFA/CRM導入したんだ?と利用メンバーが思っている状況では、シンプルな設計に留めて、まずは入力する習慣を付けてもらうことからスタートすべきでしょう。

以前のnoteにも書きましたが、SFA/CRMは利用メンバーに活用してもらわないと全く価値を生み出しません。利用されない期間が続くと、せっかく時間をかけて検討したのに、1年後には解約という最悪のケースも考えられます。
これを避けるためにも、自社メンバーのことを考え、導入初期に見合った設計を工夫する必要があります。

導入目的を軸に設計する

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繰り返し「導入目的」と書いてしまってますが、非常に重要なことなのでご容赦ください。
SFA/CRMを導入し運用が回り始めると、データが蓄積され今まで見れなかった情報が可視化できるようになります。設計次第では、本当にたくさんの情報が見れるようになるのでワクワクしてしまいます。
しかし、それらのデータを可視化するためには、利用メンバーに入力してもらう必要があり、それなりの入力負荷がかかることを忘れてはいけません。
そして、導入目的とあまり関係のないデータを取るために入力項目をむやみに増やすと、利用メンバーからの協力を得づらくなるので注意が必要です。

私の経験を少しお話しします。
当時のSFA/CRM導入目的は大きく以下のような感じでした。
・最終的なゴールは売上の最大化
・営業メンバー間の情報/ナレッジ共有
・顧客情報の蓄積/資産化
・営業プロセスの見える化
・予実管理の正確性/リアルタイム性の向上
結構盛りだくさんでした。w
ただ、今まで何もできていなかった状態でしたので「SFA/CRMに案件情報を日々更新する」「SFA/CRMに当日の活動内容を入力する」などを徹底するだけでもまずは十分な効果が得られると考えていました。
(徹底するのが非常に難しかったのですが、それはまた別の機会に書きます)。

上記を踏まえて、当時の私は導入初期の設計を非常にシンプルにしました。
必須としてた項目は、以下のような感じでしょうか。
・契約予定日
・契約金額
・提案サービス
・契約角度
・チャネル
・BANTC情報
・日々の営業活動

見てお分かりいただけるように必要最低限の情報ではないでしょうか?
営業にとっては当たり前の情報だと思いますが、今までこれらの情報は自分の頭の中で管理していた人たちにとっては、1つ1つSFA/CRMに入力するだけでもかなり抵抗感を感じたりします。
導入目的を軸に設計を考えると、結果的に自社の利用メンバーにとっても分かりやすい使いやすい仕組みにできたりするので、参考にしてみてください。

まとめ

今回はSFA/CRMの設計フェーズについて、考え方を書いてきました。
具体的な項目などは、会社によって大きく異なる部分ですので、これが良いというものが書けず申し訳ないです。
もし設計フェーズで困っているなどありましたら、TwitterなどでDMいただけたらと思います。

最初から細かな設計を目指さずに、自社の実情にあった設計を行い、少しずつ改善していくことで、SFA/CRMの利用も定着し結果的に導入目的の達成にもつながると私は考えています。
皆さんも、あまり焦らずじっくりと取り組んでいただければと思います。

次回は、設計完了後の利用メンバーへの展開について書きたいと思います。
設計完了したから使ってくださいだけだと、なかなか利用が進まないケースが多いので、この辺りについて書いていきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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