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きつねとたぬきの冒険

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お盆前の三連休。思い立って府中へ行ってきました。

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東京都府中市、府中本町駅に到着。駅を出て南へ。道すがら、もうトンボが飛んでいた。

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大きな橋が見えてきました。この景色、東京とは思えないような何かとても懐かしい感じがした。きっと故郷のどこかに似ているのだ。

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ひらがなの「たま」が可愛いですね。多摩川は東京圏の一級河川でありながら護岸化されていないところが多いので野草や野鳥の宝庫です。手軽に豊かな自然と触れあえます。

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堤に出ると気持ち良い風景が広がっていました。休日でしたが人はあまりいません。
ゆるやかに風が吹いています。頭上からの特徴的な鳴き声に空を仰ぐとハヤブサが飛んでいました。近い上空をゆったり飛ぶので見惚れてしまいます。

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「なかなか素敵なところじゃない!」
堤から川表に下りて草いきれを感じながら二匹は深く深呼吸しました。

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「お日様は出ているけれど、風がカラッとしてるからきもちいいねえ」
タヌロヲを先頭に歩き始めました。

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考えなければいけないことやくだらないことを思い出したりしながら歩きます。隣に誰かがいるなら喋ってもいいし無言だっていい。柔らかかったり堅かったりする地面を踏みしめて進んでいると、やがて何も考えずただただ歩いている自分に気がつきます。
踏み出した足元から大きなショウリョウバッタが飛び立ちました。目の届くところに着地したそれは思いのほか大きく若干恐怖しました。子供の頃にそれを平気で捕獲して遊んでいた自分を思い出しつつ、大人になってできなくなることが徐々に増えていくことを感覚的に実感します。

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「あの樹を目指して歩くよ!今いる近くの見えるところをゴールにして歩いてくと楽ちんだよ!」
たどりついたらまたそこから見える近いところをゴールに決めて歩き出します。へばらない方法かもしれません。

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「ここぞという時はもうじっくりゆっくり時間をかけて…。落ちたらおしまいだからね!」
そろそろと進みます。

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草の上をたっぷり歩きました。舗装されたゆるやかな坂道を下りながら岸へと向かいます。

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到着です。悠々と流れています。
近くには釣りをしている人、寝転がって談笑している少年たち、遠くには川の中に並んで浸かっている親子が見えました。
川沿いを歩く。距離にして約10キロほど。とてもいい気分転換ができました。
川岸から離れ堤に上がり住宅街を抜けてそのまま北へ。「馬車道」というファミリーレストランで休憩。甘いもので一息ついたのち調布まで歩き電車に乗って帰りました。良い一日となりました。



ーおまけー

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「お前たち!猛暑対策はできているかね?」
「できていると言ったら嘘になります!」
「よし!素直なお前たちにこれをやろう」

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「なにこれ先生!」
「考えて動いて、やり尽くしてから聞きなさい」
「けちんぼ!」

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「なんじゃらほい」

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「な…なんなのマジこれ」
組み立てたはいいですが、二匹はそれがなんなのかよくわかりませんでした。一方、人間はそれがおもちゃのかき氷機だとすぐにわかりました。

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二匹が組み立てたおもちゃを使って小さな「かき氷」が出来上がりました。
不思議そうに眺めたあと、二匹は恐る恐るそれを口に入れました。
初めて食べるかき氷。飛び上がったりジタバタしたり声を上げたりしてあっという間になくなってしまいました。
食べ終えて答えを聞こうにも先生はもうどこにもいません。
二匹は少し寂しそうに、これが何なのか人間に聞いたのでした。
カーテンが揺れて涼しい風が入ってきました。

おしまい


ーあとがきー

「帰ってこんでええで、こんなときに。A子(妹)も帰って来おへんし。」「うん、今年の盆は帰られへんでっていう。それを伝えるための電話や。」
「また帰って来れるようなったらな、そんときはお願いします。」
「あいよ、お母さんも身体には気をつけて。」

というわけで、盆に田舎には帰らない。そんな電話をしたあとに迎えた三連休。ただただ大きな川沿いを歩いてきました。

三密を避けつつ安く済ませられる手軽な気分転換です。
問題はそこに楽しさを見いだせるかどうか、でしょうね。運良くというのが適した言い方だと思いますが自分は楽しめるようになりました。

いつ実家に帰れるのかなあ、などと思いつつ先の話なのでぼんやりとしています。相当先なのは容易に想像できます。老人ばかりの過疎化の激しい山奥の村なので。そこに自分が行くのは相当に躊躇われます。

先日、父親の誕生日にラインのビデオ通話したんです。母親にまずかけて、夜なんで当然すっぴんでばあちゃんに似てきたなあと思ったり。で、父親に代わってもらったんですが耳が遠くてビデオ通話だと聞こえづらいみたいで(スピーカーの音声だと聞き取れないみたい)。結局改めてかけ直したんですけど。
一瞬でしたけど、今生きて同じ時間を過ごしている相手の顔を見れるって凄いことですよ。本当に。

父親は日焼けして真っ黒で大笑いしました。もう隠居してるんですけどね。根がいい人だから、なんか建築関係の仕事を手伝ってるみたい。もともと大工なんです。で、呼ばれて炎天下の中いろいろやってるんでしょう。暇よりいいのかな。元気ならそれでいいんですが。

フジロック、SIAからRadioheadの流れが最高過ぎてやんなきゃいけない仕事もほっぽりだして見いてしまった。完全にトリップして強烈な気分転換でした。疲れたときは好きな音楽を楽しむのが一番ですね。

夏のピークも過ぎ、緩やかに涼しくなっていきそうですが、まだまだ残暑。お身体にお気をつけください。

トキワ

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