2024年8月21日。Gamescom2024のオープニングナイトライブで発表されたそのニュースは、次元を超えてのバースデーパーティやカピバラ襲来の衝撃を優に超え、連休ボケのせいかなかなか寝付けないまま朝を迎えてしまった私の頭を覚醒させるには十二分すぎました。
『Goat Simulator: Remasterd』2024年発売決定
2014年4月。まず神は天と地とヤギを創造し、さらにキリンとダチョウとペンギンとショッピングカートをすべてヤギに分類した。「光あれ」と言ったらヤギがあり、「ヤギあれ」と言ったらヤギがあった。神はヤギを翻訳エンジンにかけ、そのヤギをニッポン語で「ピルゴー」「ピルガー」「ピルゴール」と呼んだ。
それが旧約メェ書にも記された天地創造――『Goat Simlator』の誕生秘話だってことは、みなさんも『Goat Simulator 2』で目にしたことでしょう。……えっ、そんなゲームは存在しないって?
時は流れて2024年。度重なる移植によってゲーマーたちのお財布を苦しめてきた凶悪犯どもが収監されている刑務所で、恐るべき囚人が脱獄しました。
古くはVista、昨今ではSwitch。ありとあらゆるハードに移植されてはプレイヤーのハートとウォレットをラグドール化させてきた恐るべき女王であり、先々月にはナンセンスのマルチバースとココナッツちゃんの健康を救ったばかりのスーパーヒロインでもあり、来週にはスティールボール君とのピンボールデートを控えているはずの恋多き乙メェといったら……みなまで言う必要ありませんよね?
おそらく全世界の古参ヤギ愛好家と現役ヤギ愛好家の人々は、この予想だにしなかったヤギのプリズンブレイクに驚愕し、興奮し、感涙し、気絶ヤギのようにブッ倒れ、ウィッシュリストに入れた直後「YEEEEAH」と野太い声を上げて「ワンダワンダワンダ」とその場で小躍りしたことでしょう。少なくとも私はそうした。
このツイ……Xのポストが目に飛び込んできた瞬間、寝不足でぼやけたの頭が急激に覚醒して、ラグドール状態だったボディが一瞬でTポーズ化したことを覚えてる。朝の6時前のことだった。
ああ、愛しのピルゴール。「求められてもいないリマスター」だなんて、そんな悲しいことを言わないで。魅惑ののっぺりボディでNPCを総ナメナメしてきたあなたも、癒しのもふもふボディで最高の笑顔と四大元素の力を振りまいてきたあなたも、同じ「ヤギ」という唯一無二の個性を持つ最高のゲームキャラクターであることに違いないのだから。
それに「リマスター」と言っても、ただグラフィックをちょっと綺麗にしただけの手抜きの焼き増し商法なんかじゃない。全ヤギ愛好家待望の『Buck to School』のPC&コンシューマー移植、システムを1から作り直したという新ミューテートシステム、Get Newton’s Goatなバグをあえて残したり再現したりする宣言、モバイル版譲りの大量の草オブジェクトと草テクスチャの描き込み……ここまで人間の手(あるいはただのコーヒーのステイン汚れ)が加わるとなると、もう「リメイク」や「リブート」もしくは「ミュージカル映画化」と言っていいのでは?
最高だ。ヤギになれるだけでも最高なのは当然として、あの愛すべきサンドボックスが最先端ヤ技術によってより美しく、より遊びやすく、けれどヤギらしさは据え置きで蘇るなんてGoat Jobすぎる。しかも3というGCU(ゴートシミュレーターシネマティックユニバース)最新作で「ゲームとしての遊びやすさ」と「ヤギとしてのヤギらしさ」のバランスが上手く取れているのを見た後だから、今回ばかりは不安より期待の方が断然大きい。
少なくともいい感じの帽子や山積みのレンガ、大量のフラフープ以上に価値があるに決まってる。なんならDLCを別売にしてくれたっていい。Coffee Stain社員に吸われるヤギさんたちにお布施できる手段が増えるのだから。
しかも今回は最初からSteamでも配信だ!! 悪魔ざまああああ!!
おお、ヤギよ!!! 伝説の地に再び舞い降りし伝説のヤギよ!!!
これが『Goat Simulator Ⅶ Rebirth』へ繋がる道と信じていいんだな!?!
そんなわけで約束されたメェ作のリマスターを喜ぶがあまり、最新ヤギ情報を追うのに夢中になりすぎて身支度が遅れ、タイムカードを押したのが始業2分前というかなりギリギリの時間に職場に到着した水曜日でした。