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何も知らなかった

何も知らなかった時代、私はあなたと幸せだった
一つ一つ嘘を覚え、心を重くしていった
こんなにも重く、私は身動きが取れない
自由だったあの時の記憶が胸をかすめ、切なくなる
なぜこんなことになったのか
その問いは虚しく響くだけ
この重い荷物を大事に抱え、私は自らに足枷をはめた
自由など思い描く術もなかった
光が射すことのない部屋で私は震えていたから
あなたを思い描くこともなかった、私は怯え過ぎていて
あなたが今でも私を覚えていると言うのなら
私はこれまで何を見てきたのかな
あなたが今でも私を覚えていると言うのなら
私はこれから何を見るだろう
あなたは今どこにいて、何をしているの
私が今でも自由だというのなら
どうかこの背に羽をつけ
どうかこの空へと解き放って欲しい
この重い荷物をあなたへ託し
足枷を外して、私はあなたと近づきたい
真実の歌を、あなたと共に歌う日を夢見て
私はもう疲れてしまった
何も知らなかった時代、私はあなたと幸せだった


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