診療放射線技師・安藤英次先輩に独占インタビュー!④

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母校のある三国ヶ丘駅周辺にて

安藤:僕は運が良いほうなんやろね、ある意味。放射線技師になりたくてなったわけでもないし、初めての就職先も自分で選んだ場所じゃなかったのよ。

いま:そうなんですか?

安藤:そう。僕はね、奈良医大に就職したんやけど、本当はクラスの成績がビリで清恵会の救急病院にいきたかった。そんな僕が、奈良医大に行くことになったのは、実習先決めるときに友人から誘われたことがきっかけ。その成績の良い友人は奈良医大でベータトロンの治療がみたいんや!と。一緒に行かんかと誘ってくれたけど、当時の僕はベータトロンの「ベ」の字も知らんかった。「俺、奈良まで行きたないで」って言ったんやけど、その友人が「車で送り迎えしたるし、昼飯もおごったる」っていうもんやから、それなら行こか!ってなってね。

いま:(爆笑)

安藤:で、奈良医大で実習受けてたら、向こうの人に「お前、面白いから就職するときも奈良医大来いよ」って誘ってもらって。

いま:すごい!スカウトですね!

安藤:大阪に住んでたし、奈良なんて行くつもりなかってんけども。本当不思議やねえ…。なんで放射線技師になったんやろう(笑)

入職時の思い出を楽しそうに語る安藤先輩

安藤:僕は今、別の学校の教員をしていて、母校の講師として清恵会の学生に授業していたけど、その子らには「今、授業の内容とか全然わからんやろうし、面白くないかもしれんけど、辞めずに放射線技師になったらいいよ!」てこと千度言ってた。

いま:そうなんですか?

安藤:そう、学生時代はイヤイヤ授業を聞いていた自分が真逆のこと言っててねえ(笑)やっぱり資格取るっていうのは強いやんか。同じ資格を取る進路での職種で言うと、臨床検査技師、薬剤師、放射線技師とか。よく聞くコメディカルだと思うんやけど。

いま:私もそのあたりで迷いました。

安藤:薬剤師は学生時代にお金掛かるし、資格取れるまでちょっと長いでしょ?臨床検査技師は細かい作業が多かったり、薬剤師が検査技師になれるので他職種と働くから、学校のレベルも少し高い。でも放射線技師は一番入りやすい!全然勉強してなかった僕でもなれたしね。それに努力すれば?私は運で公務員にもなれるし、僕みたいに賞だってもらえるかもしれない。夢があるよね。

だからね、放射線技師は「なりやすくて、なったら長いこと続けられる仕事」やと思います。定年退職しても、近くの開業医さんでパートとして働くのもありやし、女性やったらマンモグラフィーとかもあるよね。子供育てながら時短勤務だってできる。資格を持ってるから時給だってそこそこ良いし。

最後のインタビュアー、ひっそり待機中…

いま:放射線技師って、それこそ最近はドラマ化とかされてますけど。元々知名度がそこまで高くないじゃないですか。だから、入学前に職種に対する理解を深めるのが中々難しいなって思うんです。こんな仕事をするから、そのために必要な知識はこの分野…って。全部理解して入学する子なんて、ほとんどいないんじゃないかって思うくらい。安藤先輩的にはどうですか?

安藤:うんうん。僕もそう思います。今の学生見てたら、自分からなりたくて来ましたって人よりも、家族や周囲の医療従事者に勧められて入学したって人が多いよね。中には、小さい時に怪我して病院行って、そのとき対応してもらった放射線技師さんがよかったとか……でも、全体の2割くらいかなあ、放射線技師になりたいと思って来てる人は。なかなか難しいね。

いま:では最後に、これから放射線技師を目指そうとしている方々に向けて。学生時代、これだけはちゃんと学んでおいたほうがいいよって思うことがあれば、教えてください!

安藤:うーん、やっぱり学生時代に広く勉強することが必要やと思います。で、自分の好きな科目、物理とか数学とかじゃないよ。僕らの臨床にかかわる教科の中で、なんか見つけられたら素敵やなと思う。あとは、医療現場では次々と検査法や新しい装置などが入ってくるから、その都度興味を持つことも大事かなって思いますね。

いま:なるほど。すごく勉強になりました!ありがとうございました。


続きは乞うご期待!


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