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「MVPコール」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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思わず驚かされた、とあるスポーツ中継についてのお話です。

アメリカでプロ野球選手として活躍されていた松井秀喜さんが出場していた優勝決定シリーズの試合をテレビで見る機会がありました。いわゆる「ながら見」をしていた私の耳に聞こえてきたのは、試合中にもかかわらず、明らかに松井さんに向けられている地元の観客からの「MVPコール」でした。

当時様々な海外スポーツを見渡しても、試合中に観客から「MVPコール」を受けるアスリートは、その国の出身のアスリートを含めても1シーズンでひとりかふたりくらいであり、海外でアスリートとして結果を出し続けることの難しさを身を持って体感してきた人間として、とにかく驚かされたことを記憶しています。

以前、松井さんと同じチームに所属していたデレク・ジーターさんが、アメリカのメディアに対して「ヒデキはとにかく野球に対する姿勢が素晴らしい、最もすごいのは決して言い訳をしないこと」とコメントしていたのを聞いたことがあります。

この「MVPコール」は、結果を残したことに対するものであることは大前提なのですが、同時に彼が持つ「人としての姿勢」に対する敬意といいますか、観客やファンとの「信頼関係」のようなものによるものでもあってほしいと思ったことを覚えています。

結果的に松井さんがいたチームが優勝し、松井さんはこの優勝決定シリーズのMVPに選ばれたわけですが、私にとっては地元の観客やファンから試合中に「MVPコール」を受けることの価値の方が、比較にならないほど大きく感じていました。当時の報道では、致し方ないことではあるのですが、個人的に結果を残してMVPに選ばれたことが強調されており、アスリートとして海外で「MVPコール」を受けることの価値の大きさを伝える報道が、自分が知る限りほとんどなかったことをとても残念に感じていたほどでした。


社会人として、評価につながるわかりやすい結果や、目の前のいわゆるおいしい話に興味を持ってしまいがちですが、その前に、自分の置かれている立場を正しく理解し、自分の役割に真摯に取り組み、周囲の方々との信頼関係をしっかり構築することこそが、自分が望む結果につながると信じて、今も自問自答を繰り返しています。

second place 佐藤

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