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「伝播」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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先日野球観戦に行ったときの話です。

久しぶりの球場での観戦となりましたが、幸運とめぐりあわせが重なり、グラウンドに近い座席で観戦することができました。技術的な部分だけでなく、より近い距離感で試合中の選手たちの表情や感情の揺れのようなものを間近に見ることができ、まったく足元にも及ばない社会人の自分として大変勉強させていただきました。

例えばバッターがネクストバッターズサークルで自分の打席を待っているときの表情は、想像していた以上に戦いに向かう覚悟のようなものを準備している印象でした。スポーツの特性上、プレーする時間が非常に短いだけに、プレーしていない時間の使い方、間合いが非常に重要なのかもしれないと感じました。同時に、選手の皆さんが試合を通して、かなりの頻度で身体的または精神的なスイッチを入れたり、標準状態に戻す作業をしている様子を見て、もしかすると技術的なものと同じくらい重要なスキルなのかもしれないなと感じました。

もう1点、良い結果が出ているときは、基本的にはどの選手もポジティブな反応となるわけですが、一流の選手の方々でもとても差が出るのだろうなと感じたのは、個人的にもチームとしても、なかなか結果が出ていない状態のときの反応です。

各チームにはポジションや年齢を問わず、結果を残してきた中心選手がいるわけですが、特にこうした選手の言動は、今回特に客観的な立場から観させていただいて分かりやすかったと思いますが、非常に「伝播」しているように感じました。

もちろんプロの世界ですので、結果を残し、勝っていくことですべての問題が解決されることはよくあることだとは思います。私が「伝播」を感じたのは、バッターとしてアウトになってしまった後にどんな表情でどのようにベンチに戻るのか、またチームスポーツの中心選手としてチームメートとどのようなコミュニケーションを取るのかなど、プレーしていない時間の所作についてです。

ニュアンスを言語化するのが少し難しいのですが、何事も勝つことよりも負けないことの方が大切なのかもしれないと考えたときに、チームが大きく崩れない、個人的にもチームとしても自家発電的に立ち直れる力がとても重要になってくるということです。

自分の与えられた役割に真摯に取り組み続けることはもちろん大切ですが、それだけではなく、日頃から自分が慣れ親しんでいる環境から飛び出して、自分が上手にできず、人から教わる瞬間を意図的に作り出すことで、自分をより客観的に見つめ直すきっかけとなるはずです。

自分がポジティブではない「伝播」を作り出していることに気が付く意味でも、真摯に取り組みすぎている自分をほぐしてあげる意味でも、耳を傾けたいと思える方々との関係はこれからも大切にしていきたいものです。

second place 佐藤

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