パウチ製品の流行の兆しに見る、脱プラというエゴ
おはようございます。今日もまた一段と暑いようです。こまめに水分を取り熱中症には十分気をつけましょう。ここ一週間の都内だけで133件もの、熱中症と思われる救急搬送が報告されています。
(ちなみに昨年同週は1,458件でした。)
#意識低い系社長 です。
さて昨今、化粧品や美容液、飲料、詰替え用生活用品に、パウチタイプの容器をよく見かけるようになりました。
1.パウチとは
日本では「レトルトパウチ食品品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号)によって、「レトルトパウチ食品」について「プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形に成形した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したもの」と定義されている。
レトルト食品を封入している袋のことを、レトルトパウチ(以下、パウチと略す)と呼ぶ。パウチは、一般的に食品側にはポリプロピレン、外側にはポリエステル (PET) といった合成樹脂やアルミ箔を積層加工(ラミネート加工)したフィルムでできている。空気や水分、光を遮断し、内部の食品を密閉するための工夫である。
(Wikipedia「レトルト食品」より引用)
まぁ要はプラスチック容器なんですよ、パウチも。見た目がペットボトルのような「THE Plastic」じゃないから、パウチなら大丈夫、って思ってる消費者が多いんでしょうね。
容器にきちんとプラマークついてるんですけどねぇ…。
2.もはやプラなしでは生活は成り立たない
2020年7月1日から環境省主導の元、レジ袋の有料化によるレジ袋の削減への取り組みが始まりました。
わたしはマイバッグを常に持ち歩くようになり、基本レジ袋はもらわないようになりました。ですが、近所のコンビニなんかを見ていると、「袋はいりますか?」の店員の問いかけに「つけろや!」と怒鳴りつける人や、マイバッグに詰めてる間に並んでる客から「昼休みが終わっちまうだろうが!」と急かすような怒鳴り声を聞くこともあります。
わたしはその度に、「一体誰のために」「一体何のために」レジ袋の削減を掲げているのか、理由が分からなくなります。
3.プラスチックは人類の叡智の結晶
現在、海洋ゴミやマイクロプラスチックの問題で短絡的にプラスチック(合成樹脂)を敵視し、排除しようとする動きがあります。
プラスチックは軽量、かつ低コストであらゆる造形が可能な上に、耐熱性や耐摩耗性にも優れたものに変化させることもできる、人類の化学的発明の叡智の結晶です。
今後3Dプリンターの発展により、さらにより多くのプラ製品が身近なものになっていくと予想しています。
そして、プラスチックは回収してリサイクルすることが可能です。
リサイクルには、廃プラスチックを溶かしてそのままプラスチックに再生する「マテリアルリサイクル」と、分解していったん原料に戻し、そこから加工する「ケミカルリサイクル」、そしてプラスチックを燃料化して熱エネルギーを回収する「サーマルリサイクル」の3つの方法が存在しており、日本で主流となっている「サーマルリサイクル」は世界標準ではリサイクルとして認められていません。
原油由来製品であるプラスチックを燃料化することは、CO2削減の観点から見ても地球温暖化対策としては逆行するものであり、認められない。というのが理由です。確かに、CO2排出の面では燃料化することの問題は残ります。
では、日本で本当のリサイクルされてる廃プラスチックはどうなのか、というと、約20%です。これは回収されたペットボトル等が主体であり、その大半が赤字産業です。(リサイクルコストを企業が負担せざるを得ない。)
以前もお話したかもしれませんが、
『プラのリサイクルにかかる費用 > 新しくプラを作る費用』
このコストを国際社会が容認しない限り、リサイクルは進みません。
4.プラスチックの今後
パウチ製品が人気になったり、過剰包装が問題になったり、わたしから見ると、根本的な解決とはどれも程遠いとしか感じません。
とにかく現状、わたしが言いたいのは、
「不法投棄」をやめよ。ということです。
海洋ゴミにせよ、マイクロプラスチックにせよ、適切に処理すれば発生し得ない問題です。飲み終わったペットボトルや、火のついたタバコを車の窓からポイ捨てする人を見ることがあります。
それは、誰が片付けるものですか?
海洋ゴミのほとんどが不法投棄、あるいは漁業関係によるものです。まずは、その取締りを強化することが必要不可欠であり、その上で環境負荷の少ないプラの開発や、バイオマスプラの開発へと移行すべきです。
日本ではすでにバイオマス(自然分解可能な)プラの開発に成功しており、今後はさらに、より環境に良い素材が研究開発されることでしょう。
ですが、『不法投棄』が行われてしまっては、結局のところ同じことです。
5.最後に
わたしは、環境省に提言するとするならば、
まず、海上保安庁や各自治体と協力して全国の海岸での「不法投棄」への監視を強めるべきです。さらに、「不法投棄」への罰則をより重いものへ変え、各自治体の条例だけでなく、立法として「不法投棄」への刑事罰を原則として、警察庁でも取締りを行えるようにすべきです。
警官の目の前で、平気でタバコをぽい捨てできるのは、
どう考えてもおかしい。
そうは思いませんか?
以上、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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