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私は、ベビーハーネスの愛用者でした。(幼児用ハーネス)

ハーネスに賛成?反対?

12年前、私は、ベビーハーネス(迷子防止リュック)/幼児用ハーネスの愛用者でした。あの頃、どこでそれを見つけてきたのか、記憶にありませんが、一人で長男と次男を連れて買い物に出るときは、必ずそれのお世話になっていました。

いや、ほんとに助かった。ほんっっっとに助かった。

正直、あのハーネスなかったら、うちの子、今生きてる?って疑問に思うほど、ハーネスは命の恩人でした。

黄色い小さなリュックには、ディズニーのキャラがいて、とても可愛い鞄でした。リュックの上部には同じ色の紐が取り付けてあって、そのリュックに、オムツ、おしり拭き、おやつを入れて、子供の背中に背負わせていました。

少し前、このハーネスがワイドショーのコーナーで取り上げられているのをたまたま目にしたのですが、その中で、コメンテーターの方が言った言葉に私は驚きました。

「なんか、犬みたいで…手を繋げばいいんじゃない?っておもっちゃいます」

衝撃もありましたが、同時に

「何言ってんだ…?この人」

って思いましたよね。手を繋げばいい?何より、犬みたい?なんたら、失礼なことをいう人なんだろう。そのあとも、ハーネスに賛成ですか?反対ですか?と続く、街頭インタビュー。


え?賛成か反対かって意見のいるようなものなの?

怒りとか通り越して呆れました。
その後に、ハーネスをつけてることで、ショッピングモールで変な人に声をかけられた。という漫画が紹介されていて、心が痛くなりました。赤の他人が、なんの権限があってそんなことを口にするのでしょう。

大人しく手を繋いでくれる子ならいいでしょう。
親のいうこと全部聞いてくれるならいいでしょう。
だめだと教えたらそれを、はい。と聞いてくれる子ならいいでしょう。

この世界に、そんな子いる?私は、今までお目にかかったことありません。
子供はみんな、天真爛漫で、好奇心旺盛で、行動力抜群です。
そして何より、言うことなんて聞かないし、怒られたってへっちゃらです。

大人なら危ないと理解できる道路も、子供にとったら大好きな車や、みたことないものがたくさんある未知の世界。

あ!あの車好き!近くで見たい!ビューーーーーーン!!!

こんなこと日常茶飯事です。
そんな日常に潜む命の危険から、子供の命を守るためにつけるハーネスに、賛成か反対の意見を求める意味が、理解できませんでした。

子供は、十人十色、必要がない子もいれば、うちの子みたいに絶対ないと死ぬ!って子もいるんです。そこに、賛成や反対なんて不必要なことだと思う次第です。

2007年1月の事件知ってますか?

2007年、大阪で身震いするような事件が起きたのをご存知の方っていますか?当時3歳だった男の子が、男に抱きかかえられ、歩道橋の上から投げ落とされたのです。

当時、私はまだ、学生でしたがそのニュースが流れた時に家の中が静まり返ったのを覚えてます。それくらい、衝撃的で、意味が理解できなくて、おぞましいと思った事件でした。

落とされた歩道橋の下は、車やバスがひっきりなしに走る道路。タイミングが悪ければ、落ちたと同時に、車にはねられてもおかしくない場所です。

しっかり手を繋いでても、男の人に、全力で子供を引っ張られたら勝てる自信。私はないです。


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今も欲しい、ハーネス

少し話がそれますが、自閉症児を育てる母としてハーネス/迷子防止リュックは今でも欲しいと思います。

ジローは、見事なまでに一瞬で消えます。今は5年生、身長も私と変わらない(158センチ近い)し、見つけやすくはなりましたが、欲しいものに一直線、目に入ったものに一直線なのです。
お店に入る前には、こんな約束します。

「お母さんから、離れません」
「はぁーい」
「一人でお店に行きません」
「はぁーい」
「おもちゃの所は最後に行きます」
「はぁーい」

なんともまぁ、いいお返事が返ってくるんです。
自動ドア入って、ヨシヨシ、ついてきてるな。
アルコール消毒して、ヨシヨシ、待ってるな。
さ、2階に行こうかな。あ、このチラシもらっとこう。

「ジロー、いくよ」と視線を戻したら、もうそこにジローはいません(笑)

3秒くらいですか。安売りのねチラシをね、1枚いただいただけの時間でしたね。

買い物は一時中断、すぐさま彼を探します。
いくところは想像つくので、大抵はすぐ見つけれますが、時々、家族で分散して探しても見つからず、焦った頃に、大好きなグミのおやつをもってひょこっと現れるのです。

あと、彼は車がどこからくるのか、判断することができません。
後ろからきたり、カーブを曲がってくるなど、視界に入らない車を認知できないんです。いきなり、視界に車が入り、驚いて、混乱し車の前を横断してしまうこともありました。(徒歩10分の学校に行くまでのでき事です)

ハーネスほしーーーーー。
足、追いつかねーーーーー。
もーーーーーーー。

と、ため息つく日々がストレスで、今の学校は最寄りの場所まで、車で送り迎えにしてます。


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今、そこに必要なのは、何か。

「犬みたい」
「手を離さないように躾ければいい」
「子供を動物扱いしてる」

その言葉って、今、目の前で育児頑張ってる親御さんに言わなきゃだめな言葉ですか?

その子、なんでハーネスつけてるんでしょう?理由知ってますか?親が楽したい?それって、勝手な妄想や想像ではないですか?
中には、正しくハーネスを使ってない方もいるかもしれません。
正しく使ってない人と正しく使ってる人って一緒にして考えなければならないのでしょうか。

その子を育てるのは、目の前にいる親御さん。
子供の命を守ろうと、ハーネスをつける選択をした人です。
その子の命を守るためにした選択、なんで、他所の人が口出すのでしょう。

サポートするならまだしも、「犬みたい」と投げかけた言葉に、なんの意味があるのでしょう。その姿を見た感想ならば、家で一人でするべきです。

今、必要なことはなんでしょう。

失礼な言葉を育児でてんてこまいしてるご夫婦、お母さん、お父さんに投げかけることですか?自分の思う、育児のやり方をしてもらうことでしょうか。

この記事を書いてる途中、ふとショッピングモールでかけられた言葉を思い出しました。

「私らが子供の時は、小さいのの腰に紐つけててん。そやってお守りさせられたもんで、今は可愛らしいのがあるねんなぁ」

と、とてもご年配の方でしたが、否定せず。やんわりと子育ての大変さを理解してもらえ、私は少し、ホッとしたんです。

今は、もう、その土地に住んではいませんが、あの時、否定されてたら。「犬みたい」と言われたら。ジローのことで、ボロボロだったメンタルは折れてたかもしれないな。と思うのです。

幼児用ハーネス以外の選択もたくさんあるでしょう。
けれど、その中の何を選択するのかは、その人の自由です。

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