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FAXのRPA化という手段について考える

@sebastian510氏 RPA基盤 WinActor で弁当のFAX発注を自動化

2017年12月、当社は、一部の部署で、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)基盤「WinActor」を活用して、弁当店へのFAXによる発注を自動化し、弁当発注スタッフの業務を効率化した。

開発は、業務ヒアリングの対象となった弁当発注スタッフの他には @sebastian510 氏1人で行い、要件定義、シナリオ開発、ユーザーテスト、運用開始までを、他の業務の合間に14出勤日で完了した。この開発により、1日数分の発注業務時間を削減した。

当社では IBM Notes(現 HCL Notes) をオフィス勤務社員全員が使う共有業務基盤としていた。日々の弁当発注業務は次のように行われる。

Notes 画面に弁当店から受け取った1ヵ月分の日替わりランチメニューのチラシが掲載される。それを見た従業員本人が、自分が当日食べる分の注文を9時30分頃までに入力する。9時40分に弁当発注スタッフによる発注ボタン押下をトリガーに、 Notes のビューで部署の発注総数を自動集計し、弁当店指定フォーマットの発注書イメージを自動作成した後、連携している複合機から弁当店に FAX で自動送信する。

残されていた発注ボタンを押下する手作業は、何も判断を必要としない定型作業であり、さほど時間もかからず、高度な能力も必要とされないが、 担当者は様々な庶務業務を抱える中、必ず9時40分前後に実施しなければならない、プレッシャーのかかるミッションクリティカルな作業であり、当社最初の RPA テーマとして選定された。

と、ニュースリリース風に振り返ってみました。

Notes にはエージェントという機能があって、9時40分に人や RPA で画面の発注ボタンを押さなくても、発注機能をバックエンド側のエージェントで実装して9時40分に起動すればできたかもという気もしますが、廃止が決まっている Notes の機能を勉強する気も起きませんし、RPA のお試しとしては手頃で、既存システム「弁当 Notes アプリケーション」の内部を詳しく調べずに自動化できるメリットがありました。(本来は、ブラックボックス温存は良くありません)

エージェントで自動化できたかどうかは、今となっては確認できません。 Notes を廃止したというのもありますが、会社が買収されて親会社のある大型オフィスビルに移転し、ビルのセキュリティルール上、弁当の受け渡しが難しいため、会社業務としての弁当手配が廃止されました。

当時の業務記録には、開発PCから本番PCにシナリオを移行したとき「解像度が低く、左下の(発注ボタンに遷移する)事務局ボタンが表示されなかったため、左ペインを下スクロールする操作を追加」と残されていて、画像マッチングの欠点を実感したことが印象に残っています。これは、WinActor のトライアルを終えたのにも関わらず UiPath を正式に採用した大きな理由の1つとなりました。

一方、管理機能の製品を買わずに、タスクスケジューラでシナリオを起動してよい点は WinActor の利点だと思います。

前置きはこれくらいにして、

日清食品さん、出荷案内をFAXするんですって?

UiPath社、日清食品における得意先への出荷案内業務の自動化を支援
B to C では、amazon でも、楽天市場でも、Yahoo!ショッピングでも、出荷案内は e-mail やスマホアプリの通知ですよね?  C to C ではメルカリもヤフオクもそう。
私には、FAXの良さが分かりません。何年使ってないか思い出せないくらいなので、自社の会社移転の際には、とうとう名刺のFAX番号表示をなくしてしまいました。

ここからは、私の妄想ですが、出荷案内を受け取った会社は、FAXと現物を人が見て受入検収し(その紙は出荷案内じゃなくて納品書?)?、手入力で?(もしくはバーコードを読んで?)検収入力して?そこからは自動で買掛金計上し?人が目で見て(またはOCRと連携して?)請求書と突合して、支払いするという感じですか?

UiPath のリリースも、メディアの記事も、UiPath で出荷案内を自動化しましたはいいのですが、掘り下げ方がもの足りません。UiPath Today などで事例紹介なんてどうでしょう?

RPAウォッチャーの視点から

出荷案内自動化のニュースに接して、なんでFAX?なんでFAX?と、自分なりにググってみたのですが答えがみつかりません。その代わり、RPAウォッチャー注目の記事が出てきました。

魔法の杖にはならない--882時間、80%の工数を削減した日清食品のRPA活用術
日清食品HD が WinActor で業務を自動化した話を RPA DIGITAL WORLD 2018 で、あの NTTデータ 中川拓也氏が紹介しています。

WinActor から UiPath に変更したのか? ホールディングスでは WinActor で事業会社では UiPath なのか、はたまた、適材適所で WinActor と UiPath を使い分けているのか、興味はつきません。

RPAメーカーのマーケティング担当さん、IT関連のメディアの皆さん、深堀した続編記事をお待ちしています。


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