見出し画像

【DIOR 2020-21AW】おれたちのジュディ・ブレイム

ジュディ・ブレイムを知っていますか?先日行われたパリメンズコレクションのディオールのショーでは、キム・ジョーンズの世代違いの盟友スタイリストのジュディ・ブレイムに捧げられたショーが披露されました。

ファッションデザイナー/キム・ジョーンズは、ルイヴィトンメンズデザイナー就任後〜現ディオールのメンズデザイナーになってから、一貫して自分の青春時代に強い影響を受けたもの/コトにフォーカスしてデザインし続けており、注目を集め続けています。ざっくりとどのようなアイディア/コラボレーションがあったのかをまとめます。

2012SS 冒険小説家でアーティストでもあるピーター・ビアードが着想源
2015AW Christopher Nemethとのコラボレーション
2017SS SUPREMEとのコラボレーション
2017AW 藤原ヒロシのFRAGMENTとのコラボレーション

今回のディオールのコレクションで、キムはルイ・ヴィトン在任中の2015-16秋冬コレクションでクリストファー・ネメスとコラボレーションをした時に、ネメスと親交の深いスタイリスト/ジュディ・ブレイムにスタイリングを依頼しています。キムにとって年上世代のロンドンファッション/カルチャーを牽引したジュディたちは憧れでした。キムはこう語ります。

幼い頃からロンドンの地下鉄やストリートのカルチャー、ジュディも一員だったThe House of Beauty and Cultureに憧れていた。自分が大人になる前のクールなロンドンにね。今回のコレクションはクリストファー・ネメスへのオマージュをテーマに掲げている。彼のクリエーションからは本当に多くのインスピレーションを受けているし、生地の扱い方にも興味があったから。そしてジュディも自分もネメス、さらにはレジェンダリーなネメスの家族に尊敬の意を表したかった。モダンな形であの当時の雰囲気を出したかった。
— ジュディはその時代、ネメスとはThe House of Beauty and Cultureというお店でコラボレートしていましたよね? その当時のお話を聞かせていただけますか?
Judy Blame(以降、J):フォトグラファーのマーク・ルボンという共通の友達がいたんだ。彼がネメスを見つけてね。マークがネメスや僕の写真を撮るにつれ交流が深まり、ネメスがデザインした服を持って家にきたんだ。その全ての服がすばらしくて、その場で全部買ったよ。自分はリサイクルや見つけた物で、オーガニックなアクセサリーを作っていたんだ。ネメスの服はそのアクセサリーたちとしっくりくるデザインばかりだった。自分はファッションのバックグラウンド、ネメスはアートのバックグラウンド、それらが上手くミックスできて、その後は物事がどんどん自然に進んでいったんだ。
— それはいつ頃ですか?
J:1984年か1985年ごろかな?この頃はロンドンのファッション業界は今とは違ったんだ。みんなが協力し合っていた。The House of Beauty and Cultureではネメスが服を、自分はアクセサリーを、ジョン・ムーアが靴を、リチャード・トーリーがニットをといった具合で、お互いをインスパイアし合っていた。それはファッションにとって肥沃な土壌だった。ボディマップやガリアーノ、ジョン・ブラッドなどみんなよく会話していた。ロンドンの街が一つのチームだった。今はそれぞれがコラボレートとするよりも、競争するようになっているね。
K:でも他の街と比べれば、ロンドンはデザイナー同士がフレンドリーだと思う。ファッション業界の人たちはコラボレートはしなくても、お互いを助け合っている。そういう街だからね。

ジュディ・ブレイムがインタビューでも語っている通り、彼はスタイリングを手がけるだけでなく、非常に魅力的なアクセサリーをデザインします。MOSCHINO MENSWEAR 17AWのコレクションからジュディの作品を抜粋します。

画像1

画像2

一目でジュディデザインとわかる大胆な装飾にその魅力が沢山詰まっています。キム・ヴィトンとのスタイリング&アクセサリーコラボレーションのすぐ後に、モスキーノデザイナーのジェレミー・スコットでのショーによって、ジュディは若い世代からも改めて再注目されるようになりました。しかし、モスキーノとのコラボからすぐの2018年2月、訃報が訪れました。

その彼に捧げるショーをキム・ジョーンズはディオール2020-21秋冬コレクションで披露したのです。

ジュエリーデザイナーであり、i-DやFaceのキースタイリスト、アートディレクターとしてファッション界に君臨した伝説の一人、ジュディ・ブレイム(Judy Blame)。本名はクリストファー・バーンズ(Christopher Barnes)。80年代のクラブシーンに身を置き、彼の仕掛けた数々のイベントに姿を現したクリエイティブ業界人からジュディと呼ばれるようになる。クロークとしても働くブレイムは、ある日コートと店のお金を持ち出した。それから「Blame Judy!(ジュディのせいだ!)」と非難されたのが、「ジュディ・ブレイムの始まりだ。
それを名前にしてしまう破天荒さ、パンクな精神、そしてそのセンスに魅了された一人であり、友でもあったキム・ジョーンズは、2018年にこの世を去ったブレイムに敬意を表し、DIOR WINTER 2020-2021 Men’s Collectionでそのパンクな心意気を、DIOR(ディオール)のメゾンのコードをもって昇華した。

画像3

画像4

僕はロンドンのカルチャー全般/ファッション、音楽、美術、建築に強い憧れがあり、多大な影響を受けています。クリストファー・ネメスに関しては、高校生時代には全身ネメスで固めているほど熱狂的に好きで、スタイリストという職業を志したきっかけが、ネメスとネメスを固めるチームの人たちです。ジュディ・ブレイムのスタイリング、アクセサリーデザイン、ネメスのアイテム、ジョン・ムーアのシューズ。自分にとって、思い入れが深い文化です。
ボヘミアンなモダニズムが表現されるジュディ要素の強い今回のディオールのコレクション、とても素敵でした。

最後にジュディのユース時代についての記事とジュディのスタイリングの数々が披露されているi-Dの記事を紹介して終わりにします。どうもありがとうございました。

 ---

スクリーンショット 2020-02-04 11.19.56

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

とって楽しい記事が書けるように、もっとファッションやカルチャーを研究していきます!

また楽しい記事書けるように頑張ります!!
6
板倉龍城/Tatsuki Itakura - ファッションにまつわる記事をキュレーションするnoteを毎日更新。www.instagram.com/tatsuki_itakura/ 普段は変化球な地鶏をあげるインスタ民。www.tatsukiitakuragebana.com
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。