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【ゴシック】 2020AWパコ・ラバンヌのエレガンス

メンズもウィメンズもストリートラグジュアリームードから全般的にエレガンス路線へ舵を切りはじめた2020年代のモードファッションシーン。各ブランドのエレガンスはどのように表現されるのかを注目して見るのが楽しいコレクションシーズンで、僕が本日注目したのが、<女性的な力と神秘的な要素が混ざり合ったもの>と語った、パコ ラバンヌのクリエイティブディレクター/ジュリアン・ドッセーナのゴスなコレクションでした。

"パコ・ラバンヌ(PACO RABANNE)"
DESIGNER/ジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)


会場は、かつては牢獄として使われ、マリー・アントワネット(Marie Antoinette)も投獄された歴史もあるコンシェルジュリー。騎士や聖職者など中世の装いを出発点に、シックで現代的な強い女性像を表現した。中心となるのは、首元の詰まった細長いシルエット。可憐な花の刺しゅうを加えたかっちりとしたテーラードコートやスーツ、クラシックな花柄やレースを取り入れたフェミニンなドレス、アンティークのラグやスカーフを想起させるフリンジドレスなどをそろえる。ブランドにとってのアイコニックな素材であるチェーンメイルを用いたなめらかなドレスは、長年培ってきた職人たちの技術の賜物。さながらクチュールの繊細さを感じる。

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パコ・ラバンヌのシンボル<1969 チェーンショルダーバッグ> とモンクライクで宗教的な服を掛け合わせたコーディネートの美しさに目を奪われました。

金属メッシュのルックもよく見ると、メッシュの組み方/作り方に違いが見られ、その繊細さに圧倒されるコレクションでした。2019AW(現在ですね)=昨年の秋には<ダークロマンス>ファッションがトレンドの1つに挙げられていました。今回のコレクションでパコ・ラバンヌは自身のブランドの歴史を援用したスタイルでゴシックでダークなモードスタイルを提案。詳しい解説は下記のi-Dの記事をお読みください。

そして、ジュリアン・ドッセーナ就任以後のパコ・ラバンヌの記事を2020SSの記事を中心に集めましたので、ご参考ください。

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ジュリアン・ドッセーナが目指すパコ ラバンヌという「ユートピア」

ジュリアン・ドッセーナがパコ ラバンヌ(PACO RABANNE)のクリエイティブ・ディレクターに就任して6年目。この37歳という若き才能はその間、「les Pacotilles」(金属のリングでつなぎ合わせたメタリックタイル)でできたドレスをはじめとするアイデンティティーを丁寧に紐解き、再解釈することで、ブランドを進化させてきた。ドッセーナはこう語る。

「今シーズンは、これまでになかったものを探求したいと考えたんです。その制作プロセスは非常に興味深く、今まで以上に楽しみながら仕事をすることができました」

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──パコ ラバンヌの代名詞であるチェーンメイルやメタルパーツのデザインを再解釈していますね。

着任当初から私が大切にしているのは、ブランドの核となる価値観です。それはラディカルでコンセプチュアルであると同時に、身体感覚やセクシャリティにも関係するものです。パコ ラバンヌはファッション界でも希有な立ち位置を保持しているブランドであり、独自の素材を数多く生み出してきました。その意味で、無限の可能性を備えていると言えるでしょう。もちろん、金属から新たな素材を創造することもできますし、木やスパンコール、レザーを用いて表現することもできます。

今シーズンはとりわけ、ポストモダンなフラワープリントを制作したかったので、大小さまざまなコラージュを応用しました。例えばあるルックでは、ベルベット素材のヒナギクをビスコースにアップリケしたり、そのヒナギクのモチーフを簡略化して、ブランドの代名詞であるチェーンメイルで再現しました。これまで試したことのなかったテクニックだったため、非常に挑戦しがいのあるものでしたが、予期せぬコントラストやハーモニーを生み出すことができたと自負しています。

──デザインするときに特定の人物を想定していますか?

パコ ラバンヌがブランドを立ち上げたのは1966年のことです。当時はまだ、モデルがポケットに片手を入れて、もう片方の手に数字が書かれた紙を持ってショーで歩くのが一般的だった時代。こうした状況を鑑みても、彼は非常に革新的なデザイナーでした。非常にモダンなキャットウォークをつくり、ピエール・ブーレーズの曲を流し、有色人種の女性に彫刻的なメタリックドレスを着せ、彼なりの「ユートピア」を表現したのです。

フランソワーズ・アルディやジェーン・バーキンのようなファッションアイコンは、彼にとって大きなインスピレーションでした。60、70年代のフランスのTVでは女性歌手が心地よさそうに歌い、画面からはさまざまな色と輝きがあふれだしていました。私が目指すのも、そうした大胆でアイコニックな女性像を描くことです。
1. デザイナーがファッション界の超異端児で、興味深い存在

まず、パコ ラバンヌというブランドを知る上で、創立者パコ・ラバンヌという人物を知っておく必要があるだろう。彼のユニークネスは、偏愛的ともいえる特殊な素材を使った表現への情熱と60年代ならではの「未来志向」に集約される。そのフューチャリスティックな感覚も、Andres Courreges(アンドレ・クレージュ)とは異なり、ノストラダムスの大予言でしられるような「終末論的な近未来観」の影響も受けていたというから、なかなかの変わり者だったのだろう。なるほど、当時の彼のポートレイトからどことなく漂う"カルト デザイナー"感も、親しくしたアーティストがSalvador Dalí(サルヴァトーレ・ダリ)だったということから納得できてしまう。

パリで建築を学んでいたはずのパコ・ラバンヌがファッションに目覚めたのは、母親の影響で服飾品に興味をもったことから。合成樹脂を使ったイヤリングや眼鏡、ヘルメットなどを制作するうちに様々なファッションデザイナーと制作をともにするようになったという。その後、ブランドのアイコンともいえる、合成樹脂など特殊素材の細かいピースを留め金で連ならせた鎧のようなドレスを発表。さらに、オートクチュールに発展させ「着ることができない12着のドレス」という実験的なコレクションを提案した。

素材への情熱は尽きることなく、レザーや布、メタルに加え、ワイヤー、アルミニウムジャージ、紙なども臆することなく取り入れた。その斬新な発想に、当時の人々はまだ見ぬ未来の夢を見たのだろう。パコ・ラバンヌのワン&オンリーな存在感は今も色あせることはく、ファッションが本来持つ面白さを我々に教えてくれる。

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板倉龍城/Tatsuki Itakura - ファッションにまつわる記事をキュレーションするnoteを毎日更新。www.instagram.com/tatsuki_itakura/ 普段は変化球な地鶏をあげるインスタ民。www.tatsukiitakuragebana.com
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