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社内SEの思いで・・・今思えば安い投資だった理不尽なガラケーからiPhoneへの切り替え

私が自前の携帯をiPhoneに切り替えたのは、ある理不尽な理由がきっかけだった。

IT企業から社内SEに転職したある日、ある若手課長に急に声を掛けられた。

「今度、あんたの上司(部長)、iPhoneに切り替わることになったから、面倒見てあげてね!」

・・・この課長、いったい何言ってんだ?最初意味が分からなかった。

それにiPhoneってあれだろ?今、流行りのスマホってやつ・・・何だか人気みたいだけど、自分全く興味ないんだよな~フォローできっかな~?

そんな考えを巡らせている最中・・・

その課長から信じられない言葉を掛けられた。

「やっぱさ、部長のiPhoneをフォローするにはさ、あんたもiPhoneに慣れる必要あるじゃん?だからこの際、あんた自分の持ってるガラケー、iPhoneに切り替えちゃいなよ!」

いよいよ、この課長が言ってる意味が分かってきた。

つまり・・・


■一石二鳥

その若手課長は会社の出入りの業者、携帯ショップ屋さんと仲良くて、携帯の斡旋をしていたのだ。

当時、携帯ショップ屋さんはiPhone販売のノルマが厳しかったらしく(今も厳しいと思うけど)、本気でその若手課長に頼み込んでいたらしい。

人のいい若手課長さんは、社員の携帯ライフに目を光らせ、チャンスがあればiPhone乗り換えを紹介する努力を積み重ねていたのだ。

そこで目をつけられたのが、新しい物好きの私の上司(部長)、でもその部長にiPhone預けたって、最初はものすご~くフォローしなきゃいけないだろう。

そしてそのフォローは一切やりたくない、若手課長。

そうだ、使い勝手のいい社内SEの部下がいたな?

あいつに部長のお守をさせよう。

・・・というかあの社内SE、ガラケーだったんじゃねーか?

いっそのこと、あいつもこの際、iPhoneに乗り換えさせりゃ~、部長のお守もさせやすく、自分の斡旋ノルマも達成できる。

まさに一石二鳥!

今となっては若手課長の心意は分からないが、きっと頭の中でこんなこと考えていたんだろう。

当たらずとも遠からずだと思う。


■当時の私の携帯事情

それまで私はガラケーを使っていた。

電話とメール、私にはその2つの機能だけ十分。

iPhoneなんて、一生使うことないだろう・・・っつうかiPhoneって何?

元々新しい物好きではないし、流行りに乗るのも面倒だと思うタイプ。

※こんなタイプだからIT業界で生き残れなかったわけだが・・・

そんな携帯ライフを送っていた私に突然訪れた転機。

若手課長に利用されまくってるのは分かっているが、果たしてどうしよう・・・


■覚悟を決めた

乗り換えることにした。

ガラケー生活さようなら~

理由は2つ。

ひとつ、社内SEとなったばかりだったので、若手課長に嫌われたくなかった。この人に嫌われたらこの会社の社内SEとしては生きにくい。ものすごいネガティブな理由だが、その当時の自分にとって、社内で嫌われないことは最重要事項だった。

ふたつ、こんな機会でもない限り、自分は新しい技術の携帯電話に乗り換えることはないだろう。せっかくの機会だから乗り換えちゃうか・・・そんなものすごくポジティブな理由。そして今はっきり思う、その決断をした当時の自分を、めちゃくちゃ褒めてあげたい。

その理由は・・・

■乗り換えの代償、そして得られたもの

代償は大きかった。

〇キャリアを変えたから、貯めていた数万ポイントがチャラになった。

〇キャリアを変えたから、メールアドレスが変わって苦労した。

〇部長のつつがない携帯ライフのため我が身を捧げ、ついには部長のAppleIDのパスワードは、この世で私しか知らない状態にまで上り詰めた。

その他、ありとあらゆる代償はあった。

しかし結果として、それを上回るものを手に入れることができた。

〇iPhoneにしたことによって、情報収集が楽になった。

〇仕事、プライベートに役立つアプリを利用するようになった。

〇iPhone切り替えからほどなくして会社がiPad導入を決定、iPhoneで基礎的なスキルを身に付けておいたおかげで、導入作業をスムーズに行うことができた。

そう、代償は大きかったが、それ以上にビジネスに直結する経験を得ることができたのだ。

iPhoneライフをフォローした部長、斡旋した若手課長、こんな出来事忘れてしまっているだろうが、私にとって色々な意味で大きな転機となった出来事だった。

言われたその瞬間は理不尽と思う出来事も、3年、5年経てば、笑い話しになったり、案外貴重な経験を積む機会になったりするのである。

・・・でも理不尽極まりないけどね

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