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本の価格の価値観がどう変わったかを祖母と話したら。

大みそかとは関係ないけれど。

古本屋に行くようになって、全集とか古い本を買うようになりました。

ほくほくと戦利品を眺めていると、ある違和感に気づきました。

価格が390円とか480円なのです。
高くても1300円ぐらい。
『世界文学全集』(昭和41年)が390円『世界の詩集』(昭和41年)が480円、『世界の名著』(昭和41年)が1300円。

今の価値観で見たら、ヘッセの詩集がマンガ1冊の価格で買えるわけです。

んなあほな。円安で物価が上がってる現代からすると夢物語です。

だけど昭和41年(1966)と言ったら高度経済成長期。
確認したら高度経済成長期が1955年~1973年。真っただ中ですね。

そこで当時の生き字引、祖母に当時だとどれぐらいの価値なのかを聞いてみました。

すると、「今の10倍以上の価値」だったと。
つまり390円は少なくとも3900円以上だということです。

昭和40年代の給料が1万ちょいだったと言っていましたから、生活費も考えると本は貴重品ですね。

それで貸本屋などがあって、少額払って読んでいたとのことでした。

今では気軽に変える方ですが、つい50年前までは裕福な人か好事家ぐらいしか買えなかった。

その時代の本が時を超えて私の手元にあって、昔のことを語り合うネタになるとは不思議なものです。

こういうわけなので、古本屋で「500円って箱に書いてあるのに1000円とはぼったくりなのか」はとんでもない誤解です。

その本が昭和40年代に発刊されたのなら、半額以上にしてくれているので、大変お得!
そのままゲットしましょう。

あともうひとつ気になったのが。
なぜ今私の手元にある全集の発刊日が昭和41年に集中しているのか?

これも祖母に聞いてみましたが、分からないとのこと。
景気がどんどんあがってたから出版社もたくさん刷ったのでは?と言われました。

個人的にも調べてみたのですが、具体的に何があったという出来事は見当たりませんでした。

無理矢理こじつけるなら、昭和44(1969)年に全国出版協会が発足したぐらいでしょうか。

日本最古の出版社とされる柳原書店も出てきましたが、これは昭和41年になぜ全集が集中しているのか、につながらないような。

もしどなたかとっかかりをご存知でしたらぜひコメントくださいませ。


本の形式だけでもいろんな疑問が湧いてきたので、内容も楽しんで著者の考えを咀嚼しながら、考え続けていきたいと思います。

では、よいお年をお迎えください!




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