安倍首相の記者会見について(談話)

2020年3月28日
社会民主党幹事長 吉田忠智

1.各地の外出自粛要請の中、安倍首相の記者会見を固唾をのんで見守っていた国民も多かったと思われる。安倍首相は、「恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い抜かなければならない」として、「長期戦の覚悟」を打ち出したが、「やっている感」と精神主義のにじみ出たもので、生活保障や検査拡充、物資不足などについての安心を求める国民の声には応えるものとはなっていない。「思い切った手を打つ」、「あらゆる政策を総動員」、「かつて無い政策パッケージ」、「これまでに無い規模」、「前例がない」、「思い切った生活のための給付」など、言葉は踊るが、具体的な内容に乏しいものだった。

2.インバウンドの激減やイベント自粛、学校休業などの影響で、直接、打撃を受け、収入減や資金繰りに苦しんでいる、今まさに困っている事業者・個人に対して、損失補填や現金給付を含めた支援を急ぐべきだ。しかし一刻を争い、スピード感が大切だったのに、新型コロナウイルス対策についての予算組み替えに応じることなく、予備費での対応にこだわった安倍政権の対応は、極めて遅すぎる。緊急経済対策を「10日程度のうちにとりまとめ」というが、補正予算の提出はさらに後になる。結局、税制や財政、金融の総動員の補正予算や関連法案成立までは絵に描いた餅に過ぎない。1日も早い対策を講じ、厳しい状況に置かれている皆さんに早く届けるべきだ。

3.政府・与党内では、旅行代金の助成や「和牛商品券」、「お魚商品券」などが検討されているようだが、生活に困窮している人には、まずなによりも現金を給付すべきだ。感染拡大が終息するまでは、需要拡大や消費振興よりも、今苦しんでいる個人・事業者への対応を急ぐべきであるし、雇用に影響が出ないよう万全の支援策を講じるべきだ。

4.社民党は、現場の声や国民の疑問、不安をしっかり受け止め、効果的な対策をスピーディーかつ大胆に講じるよう、政府・与野党協議会で強く求めていく。

5.会見では、記者から聞かれるまで、森友学園問題についての言及がなかった。「痛ましい」、「改ざんはあってはならない」というが、自身の招いた問題であるという認識がなく他人事にきこえる。自死された職員と遺族の方の心情を慮ると、本当に許されない。新型コロナ対策に協力すべきは協力するが、政治の信頼をおとしめ、私物化をはかってきた安倍政権の問題を徹底的にただしていく。

以上

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