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科学雑誌を素人が読む/考える――『サイエンス』(1)

科学雑誌『サイエンス(Science)』は、専門家向けの週刊科学雑誌。米国科学振興協会(AAAS)から発行されている。毎週15本程度の論文のほかに、数本の解説記事が掲載される。解説記事は、同じ号に掲載された一部の論文を、一般読者向けに、論文著者〈ではない〉専門家がだいたい2ページくらいで説明する文章である。

『サイエンス』に掲載される個々の解説記事の〈タイトル〉と〈リード文〉(言ってみれば「科学記事」のサワリ)を、機械翻訳サービス DeepL の力を借りてQ氏は読んでいく。今回は、2020-04-24号の1つの記事に注目する。

【タイトル】粘膜免疫とポリオの撲滅(Mucosal immunity and the eradication of polio)
【リード文】地球上からポリオを撲滅するためには、新たな経口ワクチンが必要である(Completing global polio eradication will require a new oral vaccine)

ポリオ(ウイルス)というのはほぼ撲滅されたのではなかったっけ? というのがタイトルを読んでQ氏が最初に思ったこと。どうやら違うもよう。ウイルスは手強い。リード文を読むと、〈新たなワクチンが必要〉とある。つまり、これまでのワクチンでは不十分だということをほのめかしている。Q氏に訪れた興味は、[Q1]「これまでのワクチンはどのように作用するものであったのか?」とか、[Q2]「求められているワクチンの条件はどのようなものなのか?」とかいったテクニカルな点。おそらく記事の本文には、このあたりが詳しく書かれているはず。読んでみる

『サイエンス』2020-04-24号のホームページ:https://bit.ly/2XkxT2q


【後記】Q氏は現在『サイエンス』を個人として定期購読している。年間購読料は、日本円に換算して約20,000円。冊子がアメリカから1年間にわたって毎週送られてきて、それとは別に充実したウェブサイトにアクセスできる。この雑誌(冊子のほう)について、Q氏が気に入っているところはたとえば、その使われている紙の質。ライバルの科学雑誌『ネイチャー』に比べるとヘナヘナな感じがむしろいい。マーカーペンで紙面を汚しながら読む者にとっては、インクの乗りもいいし、くるくる丸めて尻のポケットに入れて持ち運び可能なのはありがたい。そう、雑に読める! 気やすく科学の最新知見にアクセスできる! ちなみにQ氏は、毎号の解説記事(「PERSPECTIVES」のページ)について、そのタイトルとリード文(いずれも公開情報)をハガキサイズのカードにコピー&ペーストして、プリントアウトして、持ち歩いて移動中の電車の車内などで、おりおりに眺めてあれこれ考えたりしている。



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