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【0641】Pizza 4P’sのサステナブルな取組:従業員の幸せまで見てる

以前紹介した、ベトナムで大人気のサステナブルなピザ屋さんPizza 4P’sさんがideasforgoodで連載をしているそうです。

↓以前Pizza 4P’sさんについて取り上げたのは下記note

ideasforgood内の連載

従業員の幸福度を計測

従業員満足度や幸福度といった指標は日本企業でも耳にするようになったように思いますが、一緒に語られることの多くに、従業員満足度が高い企業はその翌年の利益が高くなる傾向があるなどの、「業績への連動性」という視点がフォーカスされやすいかなと思います。

Pizza 4P’sさんの場合は、もちろんそういう要素も持っていると思うんですが、それ以上に「Make the World Smile for Peace(平和のために世界を笑顔にする)」というビジョンを掲げていて、この達成のためには、従業員一人ひとりがインナーピースを心の中に持てることが必要であり、そのために従業員の幸福度を計測しようという考えに至っているそうです。ビジョナリー!

幸福度を毎月計測

幸福度の計測の仕方にも色々あると思うんですが、Pizza 4P’sさんでは「変化」や「柔軟に施策を実行できる」というところに重点を置いているようで、毎月シンプルな1問「あなたは現在の人生・仕事においてどれくらい幸せを感じていますか?」というものを5段階評価するというのを全従業員に実施しているそうです。

この回答の平均値を「ハピネススコア」として、会社のKPIの一つとして設定している。

ということなので、従業員の満足状況の総量が会社の向かう先の意思決定に反映されているんですね。またしてもビジョナリー。

ブータンはGDP以外に国民の幸福度も計測している

この記事で初めて知ったんですが、ブータンは

通常、世界各国の経済規模を測定する指標としてGDP(国内総生産)が用いられるが、ブータンの場合は経済的指標だけではなく、国民がどれくらい幸せであるかを計測するGNH(Gross National Happiness: 国民総幸福量)という指標を持つことで有名だ。

という、幸福量を計測しているそうです。

この記事によると

**4つの柱 (4 Pillars)**
持続可能な社会経済開発 -Promotion of sustainable development-
人々の生活の安定のためには、持続可能な社会、経済を目指す。

環境保護 -Conservation of the natural environment-
ブータン固有の自然や、ヒマラヤの麓に脈々とはぐくまれている自然を壊さぬよう、今後の発展に努める。

伝統文化の振興 -Preservation and promotion of culturalvalues
発展や近代化を遂げたとしても、それは伝統文化の破壊を意味してはならない。常に古きよき伝統を重んじること。

優れた統治力 -Establishment of good governance-
優れた国王の統治の下、各ゾンカクにおいても優れた統治を行うことで、国全体としての幸福度増加を目指す。
**9つの指標 (9 Domains)**
心理的幸福 -Psychological Wellbeing -

物質的に満たされるのではなく、心・精神面が満たされ幸福を感じられるかどうか。

時間の使い方とバランス -Time Use and Balance-
仕事ばかりに時間を取られたり、余暇ばかりを楽しむのではなく、そのバランスが取れた暮らしを送っているかどうか。

文化の多様性 -Cultural Diversity and Resilience-
それぞれがお互いを尊重しあうとともに、各地域に根付く文化を大切にすることで、伝統的な文化の多様性を重んじれているかどうか。

地域の活力 -Community Vitality-
誰一人として孤立してしまわぬように、皆が家族のように繋がりあうとともに、集団として活気にあふれているかどうか。

環境の多様性 -Ecological Diversity and Resilience -
職場や住環境など、多様性にあふれるとともに、活気にあふれているかどうか。

良い統治 -Good Governance-
属する国家、地方自治体において、満足できる・信頼できるような良好な統治が行われているかどうか。

健康 -Health-
すべての基本である、健康を重んじているかどうか。

教育 -Education-
すべての人が平等に、教育を受けることができるとともに、更なる発展が進められているかどうか。

生活水準 -Living Standard-
最低限の生活水準が保たれているかどうか。

こういった、4つの柱と9つの指標で計測されているそう。このGHNを参考にPizza 4P’sさんも詳細なアンケートも実施されたそう。

GNHをビジネスへ応用する場合、評価軸は主に2つのカテゴリー「従業員の幸福」と「組織の健全性」に分けられる。今回のPizza 4P’s全従業員向けアンケートでは「従業員の幸福」にフォーカスした。「従業員の幸福」は、5つのトピック「心理的ウェルビーイング」「健康」「時間の使い方」「教育」「生活水準」から構成されており、それぞれのトピックに多くの質問項目があり、GNH全体で112項目もの詳細な質問に回答してもらう形でアンケートを実施した。

とのことで、まず「個人の幸せ」と「組織が健全かどうか」をちゃんと分けて分析している視点も、素晴らしいですね。当たり前のことように見えて、経営者の視点ではやはりなかなか自分が本当に健全かどうか、というのはフォーカスしたがらないように思います。

レストラン・飲食業というのはそもそもで離職率も高いし、コロナ禍ではさらに厳しい状況。そんな中でも従業員一人ひとりの幸福とちゃんと向き合い、改善していこうと、本当に実行できるのは尊いですね。自分も苦しいはずなのに。サステナブルを追求していくと、人の幸せにも向き合わざるを得ない。そんな真理さえ感じました。


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