【0396】街のレストランからはじまるダブルインフラ(勝手に命名)

こんな事例がありました。

東京都練馬区の地域のコロナ禍における支え合いの循環のお話。こんな地域のつながりのある場所が都会にもあるんですね。

フィリッポは緊急事態宣言の間、練馬区の飲食店や農家、クリニック、サッカー団体、子供たちなど30以上の地域団体と協力し、地元の病院である光が丘病院や順天堂大学病院などに、合計500食のランチを届けた。

と、レストラン自体も大変な時期だったと思いますが、まずは自分たちが助ける側に回ったそう。そうしていると、それを地域の人もちゃんと見ていて、今度は自分たちに寄付をしてくれる人が集まる。その次には、地域に還元できることがもっとできないかと、地元のカメラマンや若手エンジニアなど、色んな人と徐々に環を広げて支え合っていく。
そうこうしていると、そのカメラマンやエンジニアの人に、今度は別の形でお仕事や雇用が生まれた。

わらしべ長者というか、風が吹けば桶屋が儲かるというか、グルグルグルグルと支え合いの円環が回っていき、経済にもつながっていくという状態に。

お金・貨幣という手段はものすごく便利。
物やサービスをGIVEすれば、一定の相場観に基づいて、お金がTAKEされる。1対1で等価交換が成り立って、それが日本中・世界中でみんなの共通理解がある状態というのは、色んな取引をスピーディかつある程度の公平性を持って進めることができます。

ただ、何かの弾みでその流れに淀みができた時の負の連鎖のスピードも早く、あっという間に色んなところにマイナスが広がっていく。
こういう時に頼りになるのが、お金を前提としない信頼の流通。ソーシャル・キャピタルといわれる資産かもしれませんが、このレストランの事例のように、お金じゃない循環がまわり、人が暮らしていける方法になり得るのだなと思います。

「だからお金なんかじゃなく、信頼だけで生きていくべきなんだ」「信頼経済だ」という考えもあるかと思いますが、お金はお金で便利。そのやり取りと併走して、信頼・支え合い・応援という関係性の資産をまわしておく状態をつくることで、いざという時の2つ目のライフラインとしてインフラ化するというのが良いんじゃないか。この事例を見て、そう感じました。

震災の時も、電気だけじゃなくガスにもライフラインを頼っていると、どちらかのエネルギーが使えて助かる。という状態があると思います。

お金・経済をまわしまくる。以外にも、同時に信頼・支え合い・応援をサブのインフラとしてちゃんとまわしておく。その前提でまちづくりも考えていくと、人口流入による収入増ばかりを考えずとも、やっていけることが増えるかもしれない。むしろ、増えすぎた人口は、関係構築にはマイナスかもしれないですね。


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