【0212】合成生物学とか地中にCO2閉じ込める根っことか
ゲノム編集の話から、合成生物学という分野があるそうです。
「農業改善」「食糧問題」「環境汚染」「生物多様性」「エネルギー」「マテリアル」という6つの分野での活用で紹介されていますが、本日はその中の「農業改善」について。
農業改善のカギは「根」にあり
記事でも紹介されていますが、農業と地球環境への影響の関係として、「合成窒素肥料」とそれが分解された時に発生するCO2があるそうです。
要するに肥料を変えたり、大気に放出されるCO2をなんとかせんといかんわけですが、合成生物学でこれを解決しようと試みているのが、
穀物の根と共生して栄養を送り込む微生物の能力を遺伝子改変で強化し、空気中の窒素を肥料として吸収させることに成功
空気中にある窒素を肥料にできるので、そこで分解されて発生するCO2もプラマイゼロってことですかね。
植物の根を地中の奥深くまで成長させる遺伝子の特定・強化により、二酸化炭素を長期間地中に貯蔵させ、豊かな土壌の実現を可能にした。
二酸化炭素を空中に放出するんではなく、地中に閉じ込めることで、土にも空気にも良い状態にする、その遺伝子を特定できたとのこと。
なんか聞いたことある。あ、ビールだ。
2つめのソーク研究所の、「長い根をはって、地中に二酸化炭素を長期間閉じ込める」という話で、何か聞いたことあるなと思ったんですが、それがこちら。
パタゴニアのビールです。
これに使われている「カーンザ」という多年生穀物が、地中3mもの長さの根で二酸化炭素を長期間地中に閉じ込めてくれるそうで、しかもこのカーンザで作ったビールが美味いんです。
もっというと、日本の酒税法的には発泡酒にあたるそうで、クラフトビール的味わいで輸入品やのに、そこまで高くない。そういうヤバイやつです。
カーンザも品種改良の末に誕生した種らしいので、ソーク研究所が突き止めたという「地中に長く根をはる遺伝子」というのも、カーンザと関係のあるものかもしれません。
カーンザって?
誕生した時から「農業の革命になる」と言われていたようで、2007年の日経サイエンスの記事でも
こんな紹介がされています。
この記事を見ると、むしろ一年生穀物の小麦などの方が人間の品種改良の末に誕生したもので、多年生穀物はそのさらに昔に遡って見直された種のようですね。
最新テクノロジーに聞こえる「ゲノム編集」「合成生物学」も、拠り所としているものの一つに、こういった昔の良いものを見直すということがあるのは面白いですね。
合成生物学は色んなシーンで課題解決になる研究だそうで、色んなことにチャレンジされています。例えば、微生物から作ったヘッドホン(なんじゃそら)とか。
他のプロジェクトも色々とありそうなので、また見てみたいと思います。
パタゴニアのビール、またポチってもたやんか。
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