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SDGsに貢献できるオーガニック食品とは?

食べ物、洋服の繊維、コスメetc...
近ごろオーガニック製品の人気が急上昇!

実はオーガニックはSDGsとも深い関係が・・・!!
身体に優しいオーガニック製品を使用しているだけで、国際社会が取り組むSDGsに貢献できるなんて気軽で素敵ですよね♪

今回はオーガニックとは?という疑問をSDGsの内容を交えてご紹介します。

■SDGsは国際社会の問題を解消するもの

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SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、前身のMDGs(ミレニアム開発目標)の後を受けて、2015年に開催された国連サミットで採択された国際目標です。

SDGsの目的は、2030年までに国際社会が抱える問題を解決すること!

「誰一人取り残さない」という宣誓のもと、17の目標と169のターゲットで構成されているんですよ♪

【SDGs17の目標一覧】
目標1「貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

・目標2「飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

・目標3「
すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

・目標4「質の高い教育をみんなに 
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを図る

・目標6「安全な水とトイレを世界中に」 
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

・目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

・目標8「働きがいも経済成長も」
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

・目標10「人や国の不平等をなくそう」
各国内及び各国間の不平等を是正する

・目標11「住み続けられるまちづくりを」
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

目標12「つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する

・目標13「気候変動に具体的な対策を」
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

・目標14「海の豊かさを守ろう」
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

・目標15「陸の豊かさも守ろう」
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

・目標16「平和と公正をすべての人に」
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

ターゲットは目標毎に複数設定されている項目のようなもの。目標達成のために求められていることがまとめられています。

ターゲットは合計169個!

情報がとても多いのですが、近年話題となった「レジ袋有料化」や「たばこ規制」、「同一労働同一賃金」など、私たちの生活にも直結する内容が多数掲載されているので、一通り読んでみると面白いですよ♪

■オーガニックとは有機栽培された農作物のこと!

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小売店や飲食店、メディアなどで「オーガニック」というワードを目にする機会が増えましたよね♪

みなさんはオーガニックにどんなイメージをお持ちですか?

マイボイスが行ったアンケートによると、「健康によい」、「環境に良い」、「化学原料や添加物をできるだけ避けた生活をしたい」などの回答が多いそうです。

なぜ、オーガニックは身体や環境に優しいイメージが持たれているのかというと、オーガニックは有機栽培によって生産された農作物だからです!

【有機栽培とは】
化学肥料や農薬に頼らず、自然にある物質を肥料とする栽培方法のこと。

ちなみに、環境や身体に優しいイメージがある農法は有機栽培以外にも数々ありますよね?

それぞれの違いをまとめました★

【無機栽培】
無機質成分の肥料を使用した栽培方法であり、化学肥料は使用。

【ボタニカル】
植物由来の成分を配合している製品であることを意味しています。オーガニック製品とは違い、植物由来成分が1つでも含まれていればボタニカルと名乗ることが可能です。

【無農薬栽培】
農薬を使用していない栽培方法のこと。

▼より詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!

■有機栽培された農作物をオーガニックと名乗るために必要なこと

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有機栽培をしているからといって必ずしもオーガニックと名乗れるわけではないのがポイントです。

国際有機農業運動連盟(IFOAM)が2005年に策定した「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を原則にした「有機農業の4つの原理(Principles of Organic Farming)」に則っていることが条件のひとつになっています。

【有機農業の4つの原理】
生態系: 生物とその生息地を1つの部屋と捉え、その部屋のなかで起こる動的な相互作用のことを指します。微生物をはじめ、植物は栽培される場所で暮らすさまざまな生物と協力し合って成長するものです。そういった相互作用を壊さないことがオーガニックに求められています。

健康: IFOAMでは、健康を「身体的・精神的・社会的・生態的に満たされた状態である」と定義しています。私たちが健康を保つためには健康な食べ物が必要であり、そのためには健康な自然環境が無ければなりません。

公正: 消費者と生産者、人と動物。オーガニックに関わるすべてのものが公正でなければなりません。オーガニックコスメ認証団体が動物実験を禁止しているのもこの原則があるためです。

配慮: 単に生産性や効率を上げるために技術を使用するのではなく、全ての命がよりよく生きられるよう配慮された技術のみを使おうという考え。

自然の恵みを活かした農法とも言える有機栽培は、目には見えない微生物を含めた生態系との相互作用によって成長しています。そのため、有機栽培は環境に優しいこと、そして、人とその他の生物とが平等でなければならないと定めています。

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有機農業の4つの原理をクリアしていることを前提に、オーガニック認証(有機登録認証)を受けることで、私たちのもとにオーガニック製品としてと販売することが許可されます。

オーガニック認証は、第三者による認証機関が認証するもの。

認証機関は世界各国に存在しています。
日本だけでも50以上の認証機関があるんですよ♪

オーガニック認証マークと言えば『有機JASマーク』。これは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然の恵みを使って栽培した農産物・加工食品などであることを示すマークです。

■オーガニック認証の問題点

小売店などで見掛ける商品の中で、オーガニックと名乗らず「有機栽培」とだけ明記されているものもありますよね?

これはオーガニック認証には費用と手間が掛かるため。

有機栽培は管理と生産に手間が掛かる農法のため、人件費の増加に加え、認証に掛かる費用も農家が負担しています。

農家に負担が増えることで、消費者に安く販売することが困難になるなどのデメリットから、有機栽培をしていても、あえてオーガニック認証をしないという農家さんも少なくありません。

■オーガニックが必要とされている3つの理由|SDGsとの関係について

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2014年に国連が「世界食料農業白書」を公表しました。

そのなかで、現代の農業についての見解として「環境への悪影響は、高度な集約型農業システムが限界にきていることを示している」と明記。農業に関わるシステムの変化を促しています。

IOB Journalでは、現代の農業には「気候変動を招くこと」、「環境を壊すこと」、「ジェンダー格差」の3つの問題があると解説しています。

【気候変動】
温室効果ガスの排出量の1/4以上が、農林水産業によるもの。農地などの開発で森林伐採を実施していることも原因とされています。

【環境破壊】
農薬や化学肥料による生物の大量死、無理な生産活動による土壌の劣化、淡水使用量の70%を占めると言われる農業が水不足を招いているとの声も。

【ジェンダー格差】
開発途上国における農業従事者の2/3が女性であり、年々増加傾向が見られます。そういった女性の多くは1日2ドル以下で生活している貧困層で、社会的立場の低い弱者となっています。

有機農業の4つの原理に則ってオーガニックの農作物を生産することは、上記3つの問題点をクリアすることにも貢献します。

SDGsの目標と合わせると、6つの目標に貢献するようです♬

次項からはそれぞれの目標とオーガニック(有機栽培)の関係について見ていきましょう!

■目標2「飢餓をゼロに」との関係|モノカルチャー経済が原因の飢餓を抑制できる

目標2は飢餓に関することをまとめた目標です。

飢餓は途上国を中心に、天候などに左右される職業に就く労働者が多い国や地域などでも発生しやすい問題です。

オーガニックは、生態系や環境をはじめとする地域に合った生産と加工をすることが基本となっており、モノカルチャー経済を原因とする飢餓の発生を抑制することが期待されています。

■目標3「すべての人に健康と福祉を」との関係|

オーガニックは化学肥料や農薬を使わないため、健康にも優れていると言えますね♪また、生物の平等を原則としていることから、人以外の生物や地球環境にとっても優しい!

■目標6「安全な水とトイレを世界中に」|化学物質を使わないため水質保全に繋がる!

化学肥料などを使って栽培されている施設とは異なり、有機栽培している施設からは環境にダメージを与える化学物質や硝酸態窒素がほとんど排出されないことが知られています。

多くの企業が水資源のために節水や還元を目指した取り組みをしているのと同じように、オーガニックも河川や地下水の水質保全、また、海の生態系や環境の維持、保全することが可能です。

■目標12「つくる責任、つかう責任」との関係|

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オーガニックの生産・加工は、自然循環機能を活用しています。そのため、資源やエネルギーの無駄を最小限に抑えることが可能です♬

また、ターゲット12.8の”2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする”という項目にも合致します。

■目標13「気候変動に具体的な対策を」|CO2排出量を大幅に削減

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日本も地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を、2030年時点で2013年比26.0%、2050年までに80%削減することを目標にしているように、地球温暖化の対策として、あらゆる団体がCO2の削減に取り組んでいます。

国際連合食糧農業機関(FAO)の報告書、「Soil Organic Carbon, The Hidden Potential」によると、土壌は炭素を吸収する役割を担っているそう。

オーガニックは、質の良い土壌を活かした有機栽培をしていること、そして多くのCO2を排出する化学肥料や農薬を使用しないことから、目標13に多大な貢献をしていると言えるでしょう!

■目標15「陸の豊かさも守ろう」|生物多様性を維持

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人とその他の生物との平等、また微生物を含めた相互作用を原則としているため、生態系へのダメージもほとんどありません。

■オーガニック製品を使ってみよう!

今回は、オーガニックとSDGsの関係についてご紹介しました。

オーガニックは有機栽培かつ認証機関によって認証されたものであること、そしてSDGsのどの目標に貢献しているのかが分かりましたね♪

多少値が張ってしまうケースもあるオーガニック製品ですが、気軽に環境問題解決に貢献できる数少ないものです。まだ、使ったことや食べたことがないという方も、ぜひ一度試してみてください★

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