💊薬物で異世界に転生した件💊三話
『ふざけんなよ、今それどころじゃないんだって!俺ヤバイ薬で記憶がなくてそれでハヤイさんの彼女のビルで起きてまじでヤバイからはやく逃げよう!』と言ってヨレ美を手を引く。
『きゃーーー誰か助けてーーー』
本当に俺のことを知らないように感じた。
叫び声と共に人目が集まる。
『ちょっとちょっとエルさんどうしたんですか』
ハヤイさんだった。今一番会ってはいけない人。
『ハヤイさん助けてください!知らない男に急に拐われそうになりました』
『わかったわかった落ち着いて!エルさん早く車乗って!!』
俺は状況が掴めないままハヤイさんのレクサスの後部座席へ乗せられる。おそらくこのまま殺される。
『ちょっとエルさん何やってるんですか!あの風俗嬢は俺がどうにかしておくんで急いで準備しちゃって!もうあと1時間ですよ!!!』
『準備ってなんのですか???あの後虹色の薬を飲んだら何も覚えてなくて!!!ほんとにすみませんなんも覚えてなくて!!!気づいたらハナさんが居て!!!ほんとになんも覚えてないんです!!!ほんとに』
『ちょっとちょっと落ち着いてハナさんとまた喧嘩?とりあえず水でも飲んで!!!』
...
『とりあえず一旦ハナさんの事は忘れてイベントに集中してください!』
『イベント???』
『ちょっとほんとに大丈夫ですかエルさん!明日誕生日でしょ!!!今夜からバースデーイベントが始まりますよ!!!ほら外みて!』
外を見るとそこはいつもの歌舞伎町ではなかった。
言われたままに外を見ると街中の看板に俺の写真が貼られている。昨日の小さなイベントとは違う。あきらかに街中が俺を祝福している。
まるで別の世界に来てしまったみたいだ。
『エルさんあと5分でつきますよー』
俺は今の状況に2つ仮説を立てた。
①今は薬物のトリップで幻覚を見ている。
まず真っ先にこの説を疑った。
薬物による幻覚体験では常識を超えるようなことが起きる。かつてオ⚫️⚫️心理教では信者を洗脳するためにLSDを服用させて神秘体験を経験させていたというデータも残っているくらいだ。
閉眼幻覚といって目を瞑ると自分だけの世界が広がる。そこでは空も飛べるし。人も殺せる。なりたい自分にだってなれる何でもありの場所なんだ。
俺は今その世界の中。
つまりトリップ中なんだってこと。
②別の世界に来た。
かなりぶっ飛んだ話だがこの説のが濃厚。
ちゃんと目が見えて
人とも話せて
体も動かせて
匂いがするし、触れる。
シュタインズゲートやバックトゥザ・フューチャーみたいなことが本当に起きてる気がする。
本当にそう思ってしまうくらい鮮明で、ちゃんと生きている。
『着きましたよエルさん』
『ありがとうございます!少しだけ外出ます!どうしても行かなきゃいけないところがあるんです!』
『ちょっと!!!もう時間やばいんですから早くしてくださいよ!!!』
俺は真っ先にあの裏路地に向かった。
あいつに聞けば全てが分かる。
『おい!ふざけんなよ!なんなんだよこれ!』
『来るの早かったな。お前で3人目だ』
『ちゃんと説明してもらっていいか?』
『俺は2077年の未来から来た売人だ。今東京の若者10人にこの前の薬を配り行動を監視している。お前はその実験中の1人だ』
『ちょっとバカにすんなよ、未来とか実験とか意味わかんねーよ!』
『これが幻覚に見えるか?折れた前歯はどこいった?』
そういえば折られた前歯がしっかりついてる。
『世界線を移動する未来のドラッグWL(ダブライン)この薬を服用すると寿命の半分を代償に自分の夢に限りなく近い世界線へ移動できるんだ』
自分の夢の世界線。寿命半分を代償。
『なんのための実験だ?』
『それは言えない』
『俺の残りの寿命は?』
『それも言えない。とにかくここはお前の夢の世界線だ。好きにしてればいい。また必要だったらここに来なよ。』
続く。
※この話は全てフィクションです。
違法薬物を推奨するものではありません。
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