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“二度目の少年時代”が終わろうとしている

もう何年も、夏になると子どもとカブトムシ、クワガタを取りに森へ行くという暮らしを続けてきた。イメージ的には夏休み=スイカ=カブトムシ&クワガタだが、クワガタについては夏休みよりも前、6月下旬から7月上旬ぐらいの方がよく見つかる。

子どもが小さい時は昼間の森、ある程度体力がついてきてからは夜の森が目的地だ。真っ暗な森に入るのは、ちゃんと道がある場所とはいえちょっとした非日常である。懐中電灯や軍手などを準備して出かけるのは大人としても楽しいものだ。

それで今年も下の子に「そろそろクワガタ探しに行こうか」と、天気の良い週末に声をかけた。何ならその日の夜にでも行くつもりで。

そうしたら何と、「もう行かなくていい」と返事が返ってきた。まだ1, 2年は喜んで付いてくるだろうと思いこんでいたので、私の方が「そ、そうなの?」と狼狽えてしまった。

その日がたまたま気分じゃなかったのかと思い、日を変えてまた誘ってみた。でも答えは同じ。どうやら子どもは「カブト・クワガタ」を卒業してしまったらしい。

これに限らず最近、子どもから「何かをしよう」と言ってくる機会が格段に減った。上の子はとっくに親離れしている。下の子にも親離れされると、子どもと一緒に自然遊びに勤しむという私の「二度目の少年時代」が終わりを迎えることになる。

私は子どもの頃、春はザリガニ釣り、夏はカブト&クワガタ探し、涼しい時期はドロケイや鬼ごっこという年間予定で過ごしていた。だから自分が大人になり、子どもと一緒にまたそんな遊びができるのは大きな喜びだった。でもそんな時期も終盤を迎えているらしい。さすがに、自分一人でクワガタ探しを続けようとは思わない。

子どもは、ある面で急に成長して、少し前まで大好きだったものにプイッと関心をなくしてしまうことがある生きものだ。それはわかっている。成長のあらわれだと考えると喜ばしいことだが、親としては寂しくもある。

学校はもう夏休みに入る。この夏、下の子とどうやって過ごすか。子どもが今でも関心を持っているけれど親と一緒じゃないとまだできない、ということは何か。今年の夏はいつも以上に真剣に考え、子どもと一緒に楽しむ時間を作らなければ、と考えている。

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