遅ればせながらスープストックトーキョーの「離乳食無料提供」炎上について。初期の報道では、「炎上」に対する同社の毅然とした対応が絶賛されていた。「子供の受け入れ体制が少ない日本の飲食店」への対抗的な試みを評価する見方もあった。
#noteの徳力氏はこの炎上について、公正にして公平、客観的な見方の記事を書いておられる。
ただ、徳永さんの記事にもあるように、「お客様のライフステージが変わり、ご家族やお子様と一緒にご来店いただく方も増えてきた中、」というスープストックトーキョーのツイートには、おやっと思った人も多いだろう。
同社のホームページを見てみると、この一文は確かにまだそこにある。
あたり前のことだが、シングルでいることや子供をもたない選択をする人も多い中、「お客様のライフステージが変わり、ご家族やお子様と一緒に。。」は余計な一言ではないか。
ライフステージは既婚者であろうと独身者であろうと、誰でも移り変わっていくものの、それを枕言葉(まくらことば)にした後のかかりかたが、ご家族やお子様と一緒に、と続く、そこに違和感がある。
ライフステージが変わって、より年季の入った独身者になる人もいるのだ。
その代わり、この一文が単に「ご家族やお子様と一緒にご来店いただく方にも」というシンプルなものだけであれば、状況はもっと変わっていたような気がする。
わたしが30年住んでいるアメリカでは、こんな文言はおそらく袋叩きだ。
Soup for all! というスローガンに基づくならば、「ライフステージが変わろうと、変わらまいと」大きなお世話である。
スープストックトーキョーの以下のステートメントは、『伝わる文章』として申し分ないと思う。
けれども、上記の文がまだHPに残っているのは、いろいろな生き方を受け入れるその姿勢とそぐわないように感じる。
世の中の体温を上げるのは素敵。でも炎を上げてしまわないように。