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対決 Audible と Audiobook.jp


本を読まなくなった日本人、と言われて久しいが、『ながら聴き』や『聴く読書』の需要は年々高まっている。日本能率協会総合研究所が発表しているデータによると、2024 年度のオーディオブック市場予測は約 260 億円。

利用者の過半数が、電車内、自動車の運転中など移動中に使用していて、サービス認知度の向上、提供コンテンツの充実化 により、市場規模は拡大する見通しだ。

出典:日本能率協会総合研究所


その二大プレーヤーの一つはaudiobook.jpだ。BtoCの事業にあってネーミングは最も重要な要素の一つ。『FeBe』として開始したサービス名称を『audiobook.jp』に変更したのはわかりやすい動きだ。そして定額制でオーディオブックが聴き放題となるサブスクリプションサービスを導入するなどサービス内容もリニューアルした。

それにつれて会員数は、2022年6月に5年前の13倍となる250万人を突破。

近年のリスキリングや学び直し需要に応え、社員研修や人材教育で使える法人向けのオーディオブック聴き放題サービス『audiobook.jp 法人版』をリリースした。

ポッドキャスト(Podcast)の有料配信サービスを提供しているのが特徴で、新聞社やラジオ局と提携したコンテンツの配信を行っている。日本経済新聞社の『聴く日経』、毎日新聞社の『毎日ウィークリー』、TBSラジオの『伊集院光とらじおと』のPodcast版などがある。


紙・電子書籍につづく第三の書籍 オーディオブック、書籍ラインナップ数で「audiobook.jp」が日本1位に。(出典:PRTimes)


書籍ラインアップ数で日本一位をうたうプレスリリースでは、経営側のコメントを入れて発表。リスナーに寄り添う姿勢を前面に押し出している。

オトバンク創業者・代表取締役会長 上田渉

オーディオブックのラインナップ数1位、大変嬉しいです。緑内障で失明した祖父のような人の助けになりたい。そのためには「聞く文化」を根付かせ、困っている人がいたら周りの人がすぐに気付いて手を差し伸べられる社会にしたい。そういう想いで17年前にオトバンクを創業しました。まだまだ道半ばではありますが、オーディオブックを今後も増やしていくことで「聞く文化」をしっかり根付かせていきたいと思います。

出典:オトバンク


対抗するのはもちろんAudible.co.jp。こちらはAmazonの傘下にあって本場はもちろん。オリジナルのポッドキャストを含めて幅広いジャンルで40万作品以上を配信していて、そのうち12万作品以上が聴き放題になっている。

40万作品のうち約1万8000作品が日本語コンテンツで、聴き放題の対象作品はその95%以上をカバーしている。聴き放題12万作品以上あるうちの約1万7000作品しか日本語コンテンツがないので、圧倒的に外国語の作品のほうが多い。

最近では高橋一生が朗読する村上春樹の小説など、人気俳優の朗読による作品も多く、そこが魅力になっている。


Audibleの料金プラン

Audibleは月額1500円で12万以上の対象作品が聴き放題。Audibleでしか聴けないプレミアムなポッドキャストも含まれている。

Audiobook.jpの料金プラン

Audiobook.jpは、月額1080円(年額9200円)で約1万5000点以上が聴き放題になるプランと、月額1500円または月額2900円で好きな作品と交換できるチケットプランがある。

英語学習に最適

アメリカのAudibleと日本のAudible.co.jpは、スマホのAudibleアプリのログイン・ログアウトで切り替えられる。わたしは両方をサブスクリプションしているので、気分によって聞きわけている。

村上春樹など好きな作家のものは日本語英語の両方で聴いて比べることができるし、英語表現の勉強にも最適だ。朗読スピードは0.7倍から2倍と自由に変速できるので、聞き取りの練習にもなる。随時英文を聞き流すことで、習うより慣れる、英語脳ができていく。

kindleでは読もうと思わなかった作品も、音声で聴いてみると違った印象で楽しめる。

ただ一つの欠点は、実用書で図解のPDFがついている場合、Audible.co.jpでは抜け落ちていることが多々ある。カスタマーサービスに連絡すると、丁寧な回答があって、PDFが追加されていた。

これからもAudibleをつかっていくと思うが、Audiobookのサブスク価格もみのがせないだろう。








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