学会とは?~理系大学院生の学会体験記~
東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)のともです!
前回までのnote編集部のメンバー紹介の記事の次は、理系大学院生の研究活動の情報発信として「学会」について紹介していきたいと思います!!
そもそも学会って何だろう、どういうことをするのだろう、など学会に興味のある方・大学院生の生活を知りたいという方、必見です(^^)/
学会とは??
「学会」とは、ある分野の専門家が集まり議論などを行うコミュニティ(共同体)であり、自身の研究成果を発表したり聴講したりし、その研究成果に対して専門家同士が議論する場であると言えます。このように専門家同士が科学的知見に基づき相互批判する中で、正しい新しい知を生んでいくコミュニティ・場が「学会」です。
大学生は授業や学生実験など、時間割に従って教室で集団で勉強することが多いです。一方で大学院生になると研究室に所属し、研究活動をする時間がメインになります。
大学院生の研究生活は「日々研究に励む→その成果を発信する→フィードバックをもとに新たな課題を見つけてさらに研究活動に取組む」というサイクルです。
研究成果を発信する手段や機会として、主に学会の大会への参加と論文執筆がありますが、今回は学会の大会への参加について紹介します。
学会の大会では自身の研究内容を発表するだけでなく、質疑応答を通して他の研究者と議論したり、他の人の研究発表を聞いて勉強したりします。
学会の大会にも発表形式によって種類があります。一つ目は口頭発表です。これはパワーポイントを用いて、壇上で説明していく方式です。二つ目はポスター発表です。これはポスターに研究内容をまとめ、ポスターの前で聞きに来てくれた人に対して説明し、その場で議論が行われる方式です。近年ではコロナウイルスの影響でオンラインで資料を共有して発表する形式や、対面とオンラインが混ざったハイブリッド形式もあります。
学会の大会は国内外様々な所で開催されており、国際学会で海外に行き、英語で発表する機会もあります。
学会参加までの流れと当日の流れ
~研究活動スタート~
・指導教員と相談したり、ディスカッションしたりしながら研究活動を進めます。成果が出てきたら学会の大会で発表することを検討します。
~数か月前~
・適切な発表先を選び、学会の大会参加申し込みを行います。
・大まかな発表内容を決め、発表内容をまとめた書類を提出します。
・学会大会参加に向け実験を進めます。
・発表資料を作成し、発表練習等を行います。指導教員とディスカッションしたり、研究室内で発表したりして、資料や発表のブラッシュアップを行います。
~当日~
・発表会場に向かいます。
・自分の発表を行い、質疑応答を通してディスカッションを行います。
・自分の発表以外の時間は、他の人の発表を聴講して勉強したり、ディスカッションしたりします。
・学会の大会終了後はご飯を食べたり、周辺を観光したりすることもできます。
・学会の大会が複数日行われる場合は、現地にて宿泊して参加します。
~参加後~
・学会大会で学んだことを自身の研究内容に活かし、研究活動を進めます。
学会に参加してよかったこと
・自身の研究内容を深めることができる
同じ分野の研究者と議論することで、研究室内のディスカッションでは気づくことができなかった点に気づけたり、他の人の研究内容を聞いて自分の研究に活かせたりなど、学会大会参加後の研究により一層力が入ります。時には、その分野の研究を何十年も行ってきた第一人者のようなベテラン研究者の方とディスカッションを行うこともでき、貴重な意見をいただけることもあります。
・説明する力を養える
何度も参加するうちに、他分野の人に自身の研究内容を分かりやすく説明する力を養うことができます。この力は将来働くようになっても必ず役立つ力です。
・色々な場所に行くことができる
対面学会大会であれば、国内外様々な場所に行くことができます。今まで行ったことがない場所に出張できることは、よい経験になります。日中は学会大会に出て、夜はその土地のおいしいものを食べたり、少し観光してみたりなど色々できます。海外に行くことができるのもとてもよい経験です。もちろん研究成果がないと発表できないため、日々の研究を頑張る必要がありますが、研究活動の一環で海外に行くことができるのは貴重な経験ですね(^^)
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+
いかがでしたでしょうか?
今回の学会の記事を通して、学会や大学院での研究生活を少しでもイメージできたり、興味をもっていただけたらとても嬉しいです!!
記事へのコメントやSAへの質問は、いつでもこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdpRqtJrV851m5PDuNC7vIr2Af02vHv8F3-YNLsYALylCNwtQ/viewform?usp=sf_linkのフォームよりお待ちしております!(^^♪
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+
編集後記
徐々に寒くなってきて、秋めいてきましたね。
私は今年度で仙台を離れるので、紅葉を見たり、おいしいものを食べたりと、東北で過ごす秋を満喫しようと思います!(とも)
東北大学サイエンス・アンバサダー(旧サイエンス・エンジェル)
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「科学って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。2021年度より、自然科学に加え人文・社会科学も含めた科学分野としての活動がスタート。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。2022年度より、サイエンス・アンバサダーへ名称が変更。
#東北大学 #理系 #理系女子 #理系大学生 #理系大学院生 #女子高生 #リケジョ #学生生活 #研究 #学会
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?