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第7回ス茶会(SCHR会)を開催しました。今回のテーマは「資源国のビジネスと人権とは〜カナダの事例〜」

#朝活カフェ #開催報告 #ビジネスと人権 #カナダ #資源 #SCHR会

■日時:2021年5月27日(木)午前8:15−8:45(日本時間)
■テーマ:「資源国のビジネスと人権とは〜カナダの事例〜」
■スピーカー:SCHR共同創設者 佐藤暁子、鈴木真代、土井陽子
■ゲスト:田中美世さん
■参考資料:
note記事:「SDGsと先住民族の権利④〜先進国カナダ政府に対する飲料水をめぐる訴訟〜」

「ス茶会」とは、お茶会のような場で気軽な雰囲気で「ビジネスと人権」についてわかりやすく語っていこう!という主旨ではじめた活動で、いわば、オンライン朝活カフェです。

今回も早朝にもかかわらず、17名の皆様にご参加いただきました。どうもありがとうございました!

聞き逃した方がいらっしゃったら、こちらから聞いてみてください↓

https://anchor.fm/schr/episodes/7SCHR-e11ljn5

<カナダってどんな国?>

●とにかく、ポジティブなイメージ!がある(イケメンなトルドー、サーモンが採れる、メープルシロップが美味しい、ビーバーが生息している、ジャスティン・ビーバーの出身国など)

【基本情報】
●首都はオタワ、公用語は英語・フランス語
●政治:連邦立憲君主制(英国のエリザベス女王)
●国土面積:世界第2位、人間が居住できる面積は世界第5位
●人口:3,700万人、GDPは世界第9位
●幸福度:世界11位(日本は62位)
●同性婚:合法
●その他:嗜好用大麻が先進国で初めて合法化された

<カナダの先住民の歴史>

●3万年〜1万年前にベーリング海峡を渡って、モンゴロイドの人々が居住するようになった。1500年代からヨーロッパからの移住者が増えてきた。まず、先住民との交易を行うようになり、その後、フランスとイギリスにより領土の争いが起こり、植民地化が進んだ。

●1700年代にイギリスがその争いに勝利。土地の譲渡条約を締結し、先住民には保留地を設定し、狩猟や漁業の権利も保証した。

●1876年にインディアン法が制定された。これは、同化政策であり、先住民の土地の権利や参政権を認めないものだった。現在も、先住民自治区の法律の許認可の権利や土地の管理権も政府が有する。

●カナダの先住民は、ファーストネイションズ(50以上の民族、634の共同体で構成)が6割、メティス(ヨーロッパ人と先住民の混血)、イヌイット(北極圏に住む人々)と分類できる。半数は、都市部に住み、半数は、居留地に住んでいる。

<カナダでの体験談>

●オンタリオ州サンダーベイでの出来事
・12.7%が先住民。先住民が通う学校や先住民のアートが飾られる美術館、先住民の歴史を展示する歴史博物館、先住民の聖地を保護する政策もあった。
・しかし、その一方で、先住民の貧困を感じる出来事が多々あった。

・バスを待っていると「トークンを買って欲しい」と言ってくる先住民がいた
・バスに乗るよりは、徒歩で移動する人たちが多いように感じた
・「先住民は問題を起こす」「先住民は犯罪率が高い」という差別意識や、レストランで「先住民にはサービスを提供しない」という差別もあった

●アルバータ州のビックホーンという居留地(バンフ国立公園で有名、映画の撮影)での出来事
・ビックホーンは、全人口の95%が先住民。ファーストネイションズの3つの民族が住んでいる街
・カナダの先住民の居住地で最も貧しい地域に選ばれたことがある街

・先住民は今でも狩猟文化を継続しており、獲ってきた鹿を振る舞ってもらったこともあった
・ドリームキャッチャーを一緒に作るようなも機会も身近にあった
・「生活の中に普通に隣にいる存在」と感じていた

●資源国カナダのJust Transition
・米国バイデン政権の影響で、キーストーンのパイプライン建設プロジェクト中止になったが、資源開発プロジェクトでは先住民との対立が多いため、経済政策という観点では非常に厳しい状況にある
・開発プロジェクトに批判的な先住民の意見が報道されがちだが、パイプラインの建設現場で働く先住民の方々も多い
・資源開発プロジェクトは、段階的に否認・承認を繰り返しで、なかなか合意形成時間がかかる

まとめ:「土地が死ぬと私たちも死ぬ」という先住民の言葉

●ビジネスと人権の文脈では、ステークホルダーの人権を検討する中、豊かな資源に恵まれた土地に住む「先住民の権利」を尊重することが重要

●日本にいると、先住民の気持ちになることが難しいかもしれないが、まずは、歴史やカナダや他国で発生している事象を学ぶことが重要

●環境との共存を考えた場合、先住民の土地の方が環境が保たれている。そのため、私たちは先住民の生き方から学ぶことがたくさんある。特に、母なる大事と人間とのつながり、生活スタイルについて学びましょう

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次回は、日本時間7月1日(木)8:15-8:45に「パブリックスペースから考えるコモンズ〜映画『パブリック 図書館の奇跡』をお題に〜」というテーマで開催予定です。

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引き続きよろしくお願いいたします!

Social Connection for Human Rights/ 鈴木 真代

Social Connection for Human Rights(SCHR)
〜Bridge All for Responsible Business〜

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