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学校をミュージアムへつなぐ理科教育支援ラボラトリ はじめました♪

はじめまして。科学コミュニケーターの竹下陽子です。
科学を伝える仕事に興味をもち科学館で科学コミュニケーターを経験しました。その後、理科教育の研究に携わり、科学館と学校をつなげる活動に取り組んでいます。

この度、活動の内容を報告するWEBサイトとして「学校をミュージアムへつなぐ理科教育支援ラボラトリ」を公開しましたので、ご紹介させていただきます!

このサイトは、科学館・科学博物館とつなぐことを通じて、学校の理科教育を支援するために作成いたしました。主なユーザーとして、学校の先生を想定しております。
科学館・科学博物館が提供する学校向けのプログラムのうち、オンラインで利用できるものを中心に情報を提供しています。・・・(つづく)

WEBサイト:「学校をミュージアムへつなぐ理科教育支援ラボラトリ」より

なぜ”学校とミュージアムをつなぐ”ことを目指すのか・・・

博物館や科学館など、学校外にある教育施設の利用は、教科書の範囲を超えて、学びをさらに深める重要な場所と思います。しかし、学校単位で訪問するとなると、訪問までの準備はとても大変で、館に到着してからというと、班行動に分かれて自由に見学する程度の活動にとどまっているようです。

科学館での経験から、せっかく展示を体験するのであれば、学校での学習にもっと直結するような仕組みづくりはできないかと考え、それを実現するプログラムの開発と実践に取り組むことにしました。

具体的には、テレビ会議システムを使い、学校での学習活動の中で、館を活用することを目指しました。

コロナ禍以前から開始したこの取り組みで、実際に授業の実践がいくつか実現できましたので、WEBサイトで公開を開始しました。今後、サイト情報を更新したら、その時のトピックをnoteでご紹介していきたいと思いますのでのぞいていただけると嬉しいです。

学校外の教育施設を活用した授業の実践例

公開開始となる最初に、3件の授業実践のレポートを掲載したので、今回の投稿で簡単にご紹介させていただきます。

  1. タブレット型顕微鏡によるメダカの卵観察

  2. 防災専門家との対話と、災害および防災の知識の習得

  3. オンラインによる生物観察と飼育員の生解説

どれも、ある分野の専門家と小中学校の理科室をオンラインでつなぎ、双方向のコミュニケーションを基本とした授業を展開しました。ここでは簡単に概要を紹介させていただきますね。

①では、理科教育の教材研究をする大学の講師(当時の私)と特別支援学校をつなぎました。通常の生物顕微鏡は、この学校の生徒さんたちが使うには取り扱いが困難であるという一面がありました。しかし、今回提案したタブレット型顕微鏡は、この学校で使用しているモバイル端末のカメラに取り付けることで顕微鏡として使えるため日々の観察が手軽にでき、さらにテレビ会議システムのカメラごしに全員で共有しながら観察を行うことができました。

タブレット型顕微鏡によるメダカ受精卵観察

②では、小学校理科でふれる災害と防災について取り上げ、名古屋市にある防災センターの講師と、東京の小学校をつないで(担当教員が伊勢湾台風の経験者)、防災センターの教材を手に取りながら、講師のお話を聞いたりクイズに挑戦したりしました。学校側ではペットボトルで台風を再現する実験も行いました。

ペットボトルで台風実験

③では、生物園の飼育員(インタープリター)さんと、授業で昆虫の単元を学習している児童らをつなぎ、生物園の珍しい生物を画面越しに見せてもらいながら、学習したことを活かして質問するなど、双方向のコミュニケーションを通して学びを深めました。授業の冒頭の導入では、生物園で販売されていたハナカマキリの脱皮殻を理科室で実際に手に取り、虫めがねで観察しました。

ハナカマキリの脱皮を観察

このWEBサイトでは、これまで取り組んできた活動を随時掲載していきたいと思います。今後は、授業レポートの他、科学館・科学博物館のオンラインコンテンツに関する情報も掲載する予定です。
専門家と連携した学習活動に興味がある方や、学習活動で活用できるオンラインコンテンツを提供される方、探している方などにとって、少しでも参考になれば嬉しいです!


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