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シカゴ大学プリツカー分子工学部(PME) にて研究留学中です!
海外留学に特化した奨学金プラットフォーム「スカラシップパートナーズ」に登録している現役留学生ライターによる「世界の留学体験レポート」。今回は2024年10月より、アメリカ「シカゴ大学」プリツカー分子工学研究所(PME)に研究留学中の嶌根亮さんの留学体験記をお届けします。
自己紹介
東京大学工学部3年の嶌根亮です。
2024年10月から2025年3月まで、シカゴ大学のプリツカー分子工学研究所に訪問研究生として研究留学しています。
化学を専門にしていて、今はインターロック化合物と総称される分子を合成しています。
留学のきっかけ:時間を有意義に使いたい
私は東京大学の工学部に学校推薦型選抜で入学しましたが、東大工学部の推薦生には早期履修制度というものがあります。
東大生は学部1年・2年の期間を前期教養学部にて過ごします。前期教養学部では幅広い分野の授業を履修しますが、一方で専門的な授業が少ないのが特徴です。
そこで、学部3年・4年向けの専門的な後期課程の授業を先取りして履修できるのが早期履修制度です。
私はこの制度を活用して、学部4年までのほとんどの授業を学部3年の夏までに履修し終えました。学部3年の残りの期間が自由になることを見越して、学部2年の秋から研究留学を検討し始めました。
留学中の学校紹介:ガラス張りの研究所
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私の通うシカゴ大学プリツカー分子工学研究所は、ガラス張りの綺麗な建物です。
私がこの研究所に留学した理由は、その場所や綺麗さではなく、研究内容にあります。
私がとても興味を持っているインターロック化合物を研究しているグループがあり、その研究に惹かれてここに留学することを決めました。
シカゴ大学は経済の分野で有名ですが、理系分野でも一流です。
留学生活:着実に一歩ずつ改善されていく生活
シカゴに来て1ヶ月が経ちました。
この1ヶ月間で起きた出来事を掻い摘んで語りたいと思います。
大変だった「部屋探し」
まず、渡航前後で大きな問題になったのは部屋探しです。
初めはシカゴ大学の寮を探していたのですが、訪問研究生は住めないとの連絡を受け、大学外を探すことにしました。
次に、大学外のルームシェアを考えたのですが、安全面とプライベートの時間を確保するべきとのアドバイスを受け、一人暮らしをすることを決め、賃貸を探し始めました。しかし、これが困難を極めました。
アメリカで賃貸を借りる時にはリース期間が決まっており、例えば1年間のリース期間の場合、1年間家賃を払い続ける必要があります。
途中で退去する場合は高額な違約金を払わなければなりません。
基本リース期間は最低1年間で、私の半年間の留学に合うものはほとんどありませんでした。また、シカゴは治安が悪く、安全に住める区画が限定されているので、その点でも選択肢は限られていました。
さらに、円安と物価高が相まって、なかなか良い物件が見つからず、家の契約が完了したのはシカゴに到着した当日でした。
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家具やWi-Fiなし、寝袋生活からスタート!物価の高さにも驚く
家に着いてみて最初に感じたのは、如何にも塗りたての塗装の酷さと床の汚さでした。
さらに、契約の際に頼んでおいた家具はなく、またその契約にあったWi-Fiも部屋まで届かないという惨事でした。
そのため、到着して数日は汚い環境の中寝袋生活を送っていました。
それから1週間が経ったころには、IKEAで家具を揃え、ある程度快適な暮らしを始められるようになりました。
恋しくなった日本食を求めてアジアンスーパーにも行き、600円のカップ麺や1000円の「お〜いお茶」2Lペットボトル を泣く泣く購入し、日本に思いを馳せていました。物価の高さには驚くばかりで、未だ慣れていません。
研究所に通うようになると、研究所で過ごす時間が増え、研究室のレンジでご飯を炊いたり、味噌汁を作ったりと少し自炊をするようになりました。家に電子レンジが無かったので、研究室のレンジはとても助かりました。
また2週間が経つころには、今やお気に入りのレストラン「Medici」を見つけ、通うようになりました。シカゴピザとして有名な底の深いピザが人気のお店です。クラフトビールやハンバーガーも絶品で、種類も豊富なので毎日食べても食べ飽きません。少々お値段がするのが問題ですが。
最近は、週末にダウンタウンへ通い、観光や有名なレストランでの食事を楽しんでいます。
1ヶ月経って、やっと「日常」と呼べるような暮らしになりました。
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留学してよかったこと:自分を見つめ直す時間
まだ留学が始まって1ヶ月ですが、すでにこの留学で得られたものが沢山あります。
英語を使う意識はすぐに変わった
まず、英語を使うことに対する意識です。
たった1ヶ月過ごして、英語力が向上したとは思いませんが、英語を口から発することに抵抗が無くなりました。英語を使わないとコミュニケーションが取れないので嫌でも英語を使います。
しかし、同時に、意識をしないと英語力は伸びないということにも気がつきました。というのも、最低限のコミュニケーションを取る上では、簡単な英単語の羅列だけでも通じてしまうのです。
だから、能動的に意識して会話をすることの重要性を理解しました。
メリハリあるアメリカの研究活動を知る
次に、日本とアメリカの研究の様子の違いを知りました。
日本、特に化学系においては、昼夜長時間研究をする人が大半だと思います。平日毎日研究室に来るのはもちろん、土日も研究している人もいるでしょう。
しかし、こちらシカゴでは、研究室に人がいない時間がかなりあります。
特に夜間。アジア人は夜も活動しがちですが、大半の人は夕方5時には帰り、それ以降見かけることがありません。また日中であっても、なぜか居ない人が多いです。
それでも研究成果がしっかりと出ているのは、多くの人がメリハリをつけて活動しているところにあるのだと思います。
私がぐだぐだ夜研究室に残っていると、注意されるくらいですから。
互いに自己主張しつつ尊重し合うカルチャー
そして、文化の違いです。
様々な人種が集まり、互いに寛容である姿に驚きました。
また具体的に経験を述べるのは難しいですが、なんとなく多くの人が「私」というありのままの自分を主張して、お互いに尊重していると感じました。
皆さん、良い意味で、自己主張が強く他人のことを深く考えていない気がします。だから、お店や研究室でも杜撰な状況が見られることもありますが、それが住みやすい環境に繋がっているのだと思います。
留学してアメリカの良さを学ぶと同時に、日本の良さを再認識したのも事実です。日本の溢れる清潔感、治安の良さ、食事の美味しさ、日本語で学問を学べること、多岐にわたります。だから、日本に帰りたいなと思う瞬間も正直あります。日本に帰った時には、その有り難みを噛み締めようと思っています。
これかの人生をどう生きるのか? 自分を見つめ直す時間
最後に、何より留学してよかったのが、自分を見つめ直す時間を得られたということです。
日本にいるときは、日々の授業や研究、アルバイト、サークル等の様々な活動に追われて、その勢いにまかせて毎日を過ごしてきました。
しかし、アメリカに来て時間の流れが変わり、生活も大きく変化したことで、自分の人生を見つめ直す機会が沢山できました。
既に多くのことを述べましたが、百聞は一見に如かずという言葉の通り、アメリカに来てこの目で見て分かったアメリカの良さがある一方で、日本を離れて気づいた日本の良さもありました。
それらを知り、これからの人生をどう生きていくか悩むことができている今この時間が、とても大切だと感じています。
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これから留学を目指す人へ
私は今研究留学という形で留学していますが、どのような形であれ、留学することに損はないので、自分の思うままに留学して欲しいです。
得られるものは人それぞれだと思いますが、いつもと違う非日常の環境に身を置くことが何より留学の重要な部分であり、自分の視野を広げ、人生を見つめ直すきっかけになると思います。
私はこの留学に際して様々な人を頼ってきました。
分からないことがあればすぐ周囲の人に拙い英語で聞いて、辛いことがあれば家族や友達に何度も連絡を取りました。
これから留学する皆さんも多くの人を頼っていくと思います。周囲の人への感謝を忘れずに留学して欲しいです。
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