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出前する植民地

贅沢は敵だ! が太平洋戦争中の標語だったらしい。
ところが、今は「贅沢があたりまえ」という風潮だもんな。

あたかも、タワーマンションの最上階に住んで
高級外車を乗り回すことが当たり前のことで
それ以外は話にならない、とでも言いたげなマスコミのあおり方。

田舎の純朴な青年たちは、これを真に受けて、
「おら東京さ行くだ! 銀座でベゴ飼うだ!」
と田舎から出て行く。

だって、マスコミが青年たちの常識を牛耳って
贅沢をさも「都会ではあたりまえのこと」だと吹聴する。
田舎の若者たちは「アーバンでラグジュアリーな生活」をしなければならないと洗脳されて、都会に行けばそれが実現するものだと信じる。

人が集まれば儲けるチャンスが増える。
だから都会は「みんなおいで、贅沢ができるよ」と田舎者を集めてきた。

まんまとだまされた田舎者たちは、人間植民地となって
労働力と消費力を同時に都会に搾取されていくわけだ。

仙台市が人口減だと聞いて唖然とした。
東北地方で唯一の希望の星だったのに。
ほかはダメでも仙台だけは生き残ると思っていたのに。
その仙台もダメだった。

宮城県以外の東北5県から18歳が仙台に集まる。
しかし仙台で4年間の大学生活を送った後、
22歳になると仙台から東京に流れる。

これまでは5県からの人口供給が十分だったから
仙台の人口は増えてきた。

しかし、東北の人口はすさまじい勢いで減少している。
仙台の草刈り場で草が育っていないのだ。

18才の少年少女は仙台に夢を見て
22才の青年たちは東京に出ることを「当たり前」と信じて疑わない

浜田省吾さんが「マネー」で痛烈に批判した拝金主義
とびきりの女とベッドでドンペリニヨン
今は、それを批判する人がいない。
出版も音楽も情報はことごとく東京発信で
東京に人が集まる仕掛けの一部に成り下がっている

アベノミクスが掲げた格差社会。
勝ち組の華やかな生活のみがピックアップされる。

もしかして「月曜から夜更かし」は、
負け組にスポットを当てて
若者たちに「そうじゃない!」「そっちじゃない!」と
叫び続けているのだとしたら・・・・。
いや、あり得る

ミニマム生活の稲垣えみ子さんも
身を挺して「そっちじゃない!」と訴えているのかもしれない

ぼくたちが子どものころに比べて
田舎と東京の心理的距離が断然、近くなっている。
新幹線に乗るなんてかつては一生に何度かのことだった
飛行機に至っては言うに及ばず。

今は、電話で済む用事も「出張」するようになってしまったし
東京に行くことが簡単で当たり前になった。

贅沢が当たり前になって
贅沢は東京にあって、
若者は東京に集まる

考えがあっちこっち飛びまくってまとまらない
あとで、もう少し整理して書き直してみようと思う