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『化学探偵Mr.キュリー』に出てくるアミグダリンの話

最近読んだ『化学探偵Mr.キュリー』という本のなかに、アミグダリンの話が出てきました。

孫の手づくりクッキーを食べた直後に容態が急変したおばあちゃん。クッキーからはアーモンドの香りがした!青酸カリが仕込まれていたのか?!
ーーそんなわけないでしょ、という話です。

私も前の記事で書いたように、青酸カリ=アーモンド臭 よく勘違いされるけれど、シアン化水素のにおいはローストアーモンドのこうばしい香りではなく、どちらかというと杏仁豆腐みたいな香りだそう。それは、アミグダリンが分解されてシアン化合物ができるときに発生するベンズアルデヒドのにおいと似ている、という話。

『化学探偵Mr.キュリー』は、たまたま図書館で手に取ったのだけれど、現在10巻まで出ている人気シリーズのようです。

キュリーという苗字のフランス人が身内にいるゆえMr.キュリーとあだ名をつけられた准教授と、新人の大学事務職員が、はからずも大学構内や身の回りで起きる事件や事象を化学の側面から紐解いていく、というシリーズ。ちなみに、キュリーというフランス人は科学者のキュリー夫妻とはまったくの他人。

アミグダリンは、一時期ビタミンB17とも呼ばれ、がん治療の特効薬といわれたことがあったそうです(レートリル療法)Mr.キュリーでは、それに関連して、青酸カリやアーモンドの香りの話が出てきました。

あんず、桃、ウメ。
コンフィチュール作りに欠かせない果物の種は、薬にも毒にも、なるのです。

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