2021.03.27 KIRITO Acoustic live 21'「UNDEVELOPED AREA」

久しぶりのキリソロ。日向ちゃんのライブと被ってしまい、ちょっと気持ちが揺らぐも、チケ取っちゃってたしキリトに会いたいし、あとグッズの受け取りもあるしでこちらを選択。良い選択をした。

直近の4回のライブが全て最前という異常なチケ運だったが、バグりが解消されたようで、今回は1階の19列目。でもアコースティックは寝ちゃう可能性があるから、遠めで少し安心。渋谷公会堂の椅子は座り心地が良い。危険な予感が頭をよぎる。

舞台セットは、ソロの時いつもあるシャンデリアと、なんかお洒落な柱…え?柱?前もあったっけ?そんなことを考えていたら、照明が落とされ、開演。

Enter the NEOPHASE
いきなりAngelo!アレンジも良い。てか歌うまっ!めっちゃ声出てる。力強い歌声と美しい舞台演出に、もう涙が出る。

METHOD
2018年にリリースされた最新ソロ曲。コロナ前の曲だけど、不思議と今の状況に合う。力強く前に進む歌。

拍動
暗いようでいてすごく前向きでドラマティックよね。救いはいらない。涙もいらない。そうだね。めっちゃ泣いてるけど頷く。

Sucide View
これほんと意外とアコースティック映えするよね。いつもハッとする。ストリングスの不穏な旋律、危うげな歌詞、ズレそうになるテンポすら演出なのかと思ってしまう、スリリングさ。目が離せない。

毒薬
美しく儚く、とてつもなくセクシーだった。あとアレンジのせいか、ちょっと和風テイストな気がした。許されない恋をした男女の秘め事。悲哀に満ちているけれども、その分艶かしく麗しい。舞台は川沿いの温泉旅館。そんな物語が浮かんだ。

誰もいない丘
イントロが流れた瞬間、照明がさぁっとキリトとこちらを照らす。上手の一部にだけ、一筋の光が向けられる。光はまっすぐ私を捉える。キリトがこちらを見る。世界に、キリトと私だけになったような錯覚に陥る。誰もいない丘。特別な歌だ。

これからどこへ行こう。先は見えないけれど、歩かなければ進めない。だから…遠くまでできるだけ。立ち止まらないように。記憶に胸が痛まない場所へと。

立ち止まっていては、いつまでも痛いから、先が見えなくても、丘に誰もいなくても、進むしかないんだ。

砂丘
きれいな歌。地味なようでいて芸術性が高いし、歌い手としてのキリトの表現力がよく分かる気がする。

ここで長めのMC。2020年を振り返るキリト。コロナも大変だったけど、お父さんの死という悲しみに見舞われ、キリト自身、何をしていいか分からずパニックになったと振り返る。どうして人は生まれるのか、何のために生きていくのか、分からなくなる時が自分にもある。誰かと話しても、答えは見出せず、途方に暮れることもあると。

しかし、歌手という生き方を選択したキリトには、深く自分と見つめ合って生み出した曲が、歌詞がある。答えは過去の自分が既に出していたと語る。その考え方は、すっと私の中にも入ってきた。そうだった、あの日、あの時、キリトの力強い歌声に感動し、歌詞に救われ、ここにいるんだった。答えはキリトとずっと共にあったし、私の中にもあったのだった。

ここから先の4曲でトリックを仕掛けたというキリト。キリトが種明かしをするなんて珍しい。時系列的には遡っていくけれど、過去に向かうほどに、求めていた答えが提示されている的な話をする。どんな4曲なのか、俄然楽しみになる。

ティアドロップ
直近の、痛み。苦しみと悲しみの真っ只中に、悲痛な叫びをこらえながら、前を向く歌。

胎動
生まれた意味。何かに導かれ、役割を果たすこと。その先には耐え難い苦痛も乗り越えられないように思える困難もある。でも、何を描こう、何を創ろう…きっと意味があるから。

BIRTHDAY
イントロからもうやばい。今日のキリトは本当に神。いや、そうだったわ、ずっと神なんだった。中学生の頃の自分ですら知っていた。これからもずっとキリトと共に生きていくと、知っていた。過去に遡る。さまざまな記憶が蘇る。祝福の歌を歌ってくれるキリト。生まれてきてくれて、歌い続けてくれて、ありがとう。

再生の朝
んん?トリックの最後これ?歌詞が難しくてよく分からないのよね…ちょっと涙引っ込んだ。

Cherry Trees
本当にきれいな曲。ここにも答えはあった。数えきれない傷も抱えきれない夢もこの胸に確かに刻まれてる。なんと美しく、力強い誓い。

逆光
これも苦しみの最中の曲。でも、私の中ではこれは最早芸術作品に昇華されている。人間の、普遍的な苦しみや痛みを歌った歌。古典悲劇作品のような、芸術作品だと思う。

ホログラム
現在は、未来を投影するホログラムであるという理論がある。未来は決まっていて、そこにたどり着く道筋をトレースするホログラムが現在であると。キリトもホログラム理論をどこかで知ったのだろうか。歌を聞きながらも、思考は遠く離れ、宇宙に思いを馳せる。過去、現在、未来。生まれてきた意味。宇宙の真理。神との対話。高次元の自分と世界。

CRUELWORLD
はっと現実に、残酷なこの世界に引き戻される。くるーえる。メッセージ性が強い曲だ。歌詞がこれまで以上に自分の中に入ってくる。

祈りは風に乗って、絞り出した声に反応して、波動は絶望を砕いていく。この世界は明白で、諦めない君に、誰もまだ知らない可能性を示す。

ああ、そういう事だったんだ。一言一句に深く共鳴する。キリトの歌声は祈りとなり、それを聞いた私の心に希望が芽生え、希望という波動が、絶望的な現状を変える。残酷な世界で、それでも一歩を踏み出す勇気をくれる。そして踏み出した一歩が、新たな可能性へと繋がっていく…苦しみの中でこそ踏み出す一歩が大事なんだ。

TEAR
色々な真理や記憶が胸に去来する中、ひたすら多幸感のTEAR。私、色々分かった気がするよ。ありがとうキリト。涙で全然見えないけど、存在が眩しい。キリトの祈り、想い、届いてるよ。ありがとう。願わくば、私たちの想いも、あなたを照らしますように。困難から守りますように。強く思った。

アンコール:
光の記憶
先月のライブでもめちゃくちゃ感動的だったけど、この流れの光の記憶はもう言葉にできない。なんて素晴らしい歌なんだ…何回聴いても、色褪せずに新たな感動を与えてくれる。

PERIOD
弦楽器の旋律が優しくも華やかで、これも本当何回聞いてもうっとり。映えるわー。

EXIT
これがラストで良かった。究極に美しくまとまったセトリじゃないか。ところが2番のサビ前、演奏がふらつき始める。以前は西脇さんが弦楽器隊を指揮して立て直したけど、西脇さんはピアノを弾いている。ふらつきは大きくなり、倒れそうになる。まさか、止める…?と思った瞬間、キリトが一際力強い歌声で、引っ張る。皆それについて行き、サビ入りでは見事に揃う。もう何も言えない。あまりにも優しく力強い歌声。出会えて良かった。私の神。


全編通してもうほぼずっと泣いてたし、寝る暇なんてなかった。まさかここまで感動的なライブをかましてくるとは思ってなかった。19列目なのに、1列目の時と同じくらい、神との対話だった。

本当に伸びやかで力強く、胸を打つキリトの歌声。歌詞の意味を再発見したり、キリトを通じて遠い過去や未来に思いを馳せたり、宇宙の真理に近づいてみたり。

キリトは自分の書いた歌詞に答えがあると言った。それは私たちにとってもそうだった。深く共鳴し、何度も背中を押してくれたキリトの歌詞。それらはもう私たちの一部となり、選択や考え方に影響を及ぼしている。答えが自分の中にあるなら、きっとそれはキリトの歌詞を通してまた見つけられると思う。共に生きているから。

キリトは、「残酷なこの世界で、一緒に生きていこう。きっと生きる価値があるから」と言った(プロポーズかな?)。それが答えだと思う。キリトと一緒に生きていけることに、価値がある。これからもずっと一緒に生きていこうと強く強く思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?